「どうしても頑張れない人たち」余計な一言をぐっと呑み込み、見守る事の難しさ。
「ケーキの切れない子供たち」に続いて刊行された本作は、
基礎学力や思考能力が著しく低かったり、家庭環境に恵まれなかった子供たちを、
どうしたら救いあげて
自立した大人に成長させてあげられるのか、という事に言及した内容になっています。
私が1番印象に残ったのは、
巷でよく推奨されている、
「あなたはそのままでいい」と丸ごと認めてあげる事、
その事が、逆に、本人のやる気を失わせてしまう可能性をはらんでいる。
かもしれないという事です。
自己肯定、自己受容が大事。
と最近本当によく言われていて
そういう私も、「こんな自分だけどこれでいい」
と、ずっと自分に言い聞かせて来ました。
そして、やっとそれが心の習慣として身に付いてきたところでした。
でも、
何かやろうとしている時に
「そんなに頑張らなくていいんだよ」
「今のままでいいんだよ」と周りが声掛けをする事が、
本人のやる気を逆に削いでしまう可能性があるというのです。
「頑張らなくてもいい、そのままでいい」は、
既に充分に頑張って来て疲れ果てている人たちへの労いの言葉であって、
少しでも頑張ろうとしているタイミングで声掛けしてしまうと、
本人のやる気はそこで萎えてしまう可能性があると。
うーむナルホド。
支援者がよかれと思ってついしてしまう余計な言葉掛けの代表例として、
「もっと勉強しなさい」があります。
例えばあなたが、毎日、
もっと痩せなきゃダメとしつこく言われ続けたら?と想像してみる。
嫌になりませんか?という事です。
勉強するか、ダイエットするか、決めるのは本人。
他人が言うのは大きなお世話。
また、
本人が何かやろうとしている時に、「でも…大丈夫なの?」とつい言ってしまう人、要注意です。
相手の気持ちに共感してあげたら、もう余計なアドバイスは不要だということ。
ただ聞くだけ、が、いかに難しいか。
そして大切か。
「だから言ったでしょう」
これも、絶対に言ってはいけない言葉。
これを言われたら
意思を持たない指示待ち人間を作ってしまう。
余計な声がけが、
本人のやる気を挫く可能性があるという事、肝に命じたいと思います。
その一言で、劇的に良くなる事も、悪くなる事もある。
なるべく手出し口出しせず
基本そっと見守る。
これは、子育てにも通じるのではないかと思いました。