清水ミチコ著「カニカマ人生論」/誰もが儚い時間を並列に生きている。
本物のカニの持つ旨味ではなくB級グルメ的人生だと振り返るミチコさんの、痛快半生記、でしょうか。
ある日ピアノ弾き語りをする矢野顕子さんをテレビで観たミチコちゃんは、その世界観に魅了され、お父様がジャズ喫茶を経営されていた関係で付き合いのあったレコード店にヤノアキコのレコードをしれっと注文。届いたのはヤノアキコではなくワダアキコの「笑って許して」だった話が凄く面白かったです😂
お父様は3店舗も喫茶店を経営されていたため、将来はぼんやりとどれかを継ぐ事を想定した上で、ミチコさんは、東京の短大家政科に進みます。その時の教育実習でのエピソードの中で、友達と描いていた教師のイメージというのも面白かった‼︎↓
短大を卒業後は就職せず、pâté屋というお店で働きながら今後の道を模索、オーナーのつてでラジオ番組に関わる事に。その番組に来た感想ハガキに返事をせっせと書いていたそうです。その時がミチコさんが思ったこと。↓
「顔は見えなくても、どこかの誰かに喜ばれているという実感ほど、人の背中を押してくれるものはない。」これ、かなり共感、ですよね。
そのラジオ番組は、「クニ河内のラジオ・ギャグ・シャッフル」だそう。クニ河内はコマーシャルソングの大家。「ピッカピカの1年生」や「透明人間」を作曲した大物だそうです。凄い。この辺りから、ミチコさんの芸能人生が始まったみたいです。
楽しく読めるエッセイでしたが、
ところどころに散りばめられたミチコさんの言葉が、けっこういいんです♡
「遠くから見てる人の意見というものは、基本軽い気持ちのつぶやき。これをわかってないと、ネットの冷酷な言葉にクヨクヨしてしまい、時間がもったいない。」うんうん。(私の心の声)
タモリさんについて。
いつもどんな時も毎日ニコニコしてらっしゃった。
いつも機嫌良くそこにいるということは、一番大切なマナーですよね。社会で、家庭の中で、いや1人でいる時ですら自分に上機嫌でいる事ができる人がいたら、それは本物の上級国民です。
私も強くそう思います。
自分のご機嫌をちゃんと取れない人は、人を幸せにする事もできないと。
アルバイト先のpâté屋さんのオーナー林のりこさんの言葉も深い。
この世は、どんな人だって幸せにはなれないようにできている。世の中はむしろうまくいかないとわかっていた方がいい。だから、うまく行った時はうんと喜びましょう。
努力すれば報われる、ではない。(林のりこさん談)
誰もが儚い時間を並列に過ごしているのかもしれない。
いつの世も、地球はやんわり悲しみに満ちている。だからこそ人は明るく生きようとする。(ミチコさんの言葉)
パンデミックが起き、戦争が起き、それでも人はコーヒーを飲み笑い合う。どちらかだけではないという事でしょうか。(私、談^^;)
この本は、フォローさせて頂いている川中紀行さん の記事で知りました。
川中さんのこちら↓の記事は、2022読書の秋幻冬社賞を受賞されたそうです。素晴らしい‼︎
川中さん、誠におめでとうございます!
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それではまた。
ここまでお付き合い頂きありがとうございました❤︎