音楽のはなし:「練習は裏切らず、練習に勝るものなし」を痛感
少し前から「時間があるときはヴァイオリンの練習するぞ」モードなのですが、やっぱり月に10時間もいかない練習だと上達速度もがぜん遅いですね。
ようやく「まぁまぁ……」程度までは戻せたけど、「上手く弾けた」までは全然戻らない。10年以上のブランクは一筋縄ではいかぬ。
暗譜のスピードも昔と全然違うし(これは老いかも)。
簡単な曲は体が覚えているとはいえ、ちょっと難しい曲になってくると、「こんな曲やりましたっけ?私」レベルで記憶から抹消されている状態。
ほかに体が覚えている曲といえば、練習すれども練習すれども、ぜんっぜん先生からOKをもらえなかったヴィターリの「シャコンヌ」。
この曲以上に苦労した曲はないんじゃないか……というレベルで時間がかかったので、部分的にですが、一生忘れないであろうレベルで体に染みついていました。
ついでに、シャコンヌの次に苦労したのは、バッハの無伴奏パルティータ3番だと思う。これも負の記憶しかないトラウマ曲。
どちらも「新しいバイオリン教本」(通称:白本)の6巻に収録されています。やっぱり6巻って難しい曲が多いんだな。がんばってたよ、過去の私。
しかし難しい曲でも体が忘れていないのを実感すると、本当に「練習に勝るものはない」ですね。基本的で当たり前すぎることなんだけど、何十年後にこんなに痛感するとは思わなかったですわ。
本当に練習以上のものはないし、練習は裏切らない。だって(部分的にとはいえ)今でも弾けるんだもの。
もしいま楽器練習で心が折れそうな人がいたら、力強くプレゼンしたい。
練習は何十年のブランクがあっても裏切らないから!
だからがんばって!!!!
そんなこんなで、過去のトラウマ曲とも向き合いつつ、難易度関係なく弾きたい曲の楽譜を入手したりもしています。
最近は「子どもの頃に弾いた曲をあの頃より表現力がついている(と信じたい)いま、もう一度弾いてみよう!」というモードにも。
もう一度、原曲の楽譜でチャレンジ!と思っているわけです。「スズキメソード」の楽譜しかない曲も多いのですが、1~3巻の曲ならアレンジ前の楽譜でも難易度的にもちょうど良さそうだし。
どの曲がいいかな~と楽譜を見ていると、好きな曲は何十年経っても変わらないもので、真っ先に手が止まるのは子ども時代も好きだった曲。
ゴセックの「カヴォット」やドヴォルザークの「ユーモレスク」などなど。
(PANDAYAさん、たまに楽譜でお世話になっております)
子どもの頃は「表現力」云々なんて難しいこと抜きに、間違えずに弾くだけで褒めてもらえたけど、さすがに長年のブランクがあるとはいえ、今は間違えないだけでは誰も褒めてくれないし、個人的にも「そこそこ聴かせられる」レベルくらいでは弾けるようになりたい。
というわけで、最近の練習はこの流れで定着。
1.ざざざっっ!と超絶簡単な音階(しかもハ長調とト長調のみレベル)
2.「カノン」などで指慣らし(慣らしにもならない)
3.大人になってもう一度弾いてみようタイム
4.自分でちゃんと弾けるようになりたい曲練習
5.絶対ムリだけど楽譜入手したからちょっと弾いてみるタイム
(けど、20小節くらいで難しすぎて心が折れる)
趣味だからできる流れなので、そらこんな練習の仕方してたら上手にならんですよ、という感じだけど。
でも今の私にとっていちばん大切なのは、楽しむことなの!!
別に人様の前で弾くわけじゃないし!
自己完結でいいの(練習でマックスやってはいけないパターン)!!
でもどの曲も「こんな風に弾けるといいなぁ」という目標は僭越ながら持っております。
どちらかというと、「この人みたいに素敵に弾きたいな」なんですが。
ヴァイオリニストだと、アイザック・スターン、イツァーク・パールマン、五嶋みどりが大好き。
この程度の練習量でなに言ってんだい!ってのは重々承知。
おこがましいのは自分が一番よーーーーくわかってます。こんなに練習してないのになに言ってんだい!って自分でも10000%思ってます。
しかしこうして好きなヴァイオリニストを並べてみると、私の好みって超絶分かりやすい。
正確に弾くことももちろん大切だし必須ですが、それ以上に情感に訴えてくる音を響かせる音楽家が好き(作曲家も寒い国とロマン派激推し)。
ただこういうのって、いちばん難しい弾き方。自分の音に酔ってるだけじゃ誰の心にも響かないし、誰の感情も動かさない。
それこそ、正確に弾くテクニックは練習さえすれば絶対にいつかは習得できるものだけど、表現力って、正確な音を出すこととイコールではないし。
私は昔から、まずは正確に弾くことを体に覚えさせてから、「こう弾きたいな」と感じた部分を、また体が覚えるまで練習していたので、時間も必要。
こんなんじゃいつまで経っても終わらない。
誰かいい練習方法あったら教えてください(けっこう本気)。
いや、だったらレッスン通いなさいよ、ってことなんですけどね。
「自己完結で弾いてれば満足なんだ!!」とか言いながら、なんだかんだ言ってクオリティも追及したいなんて都合のいいことを考えたりと、わがまま+矛盾だらけで楽器を弾く週末。
アマオケとか入っちゃおうかな(絶対ムリ)。