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『お口ぽかん』の予防は赤ちゃん期から~その1〜

『お口ぽかん』とはいつもお口が空いている状態のことで医学用語では『口唇閉鎖不全症』といいます。

近年、そんな『お口ぽかん』の子どもが増えているそうです。

3~12歳の小児についてその実態調査を全国的に行ったところ
「日中よく口を開けている」小児の割合は3割以上だったそう。

それも年齢が上がるにつれ増加傾向にあり12歳の時点で4割程度だそうです。

参考資料:小児期の「口呼吸」と「口唇」に関する意識調査からみえてくるもの.小児歯科臨床,20(7):23~30,2015

では『お口ポカン(口呼吸)』がなぜ問題なのでしょうか?

見た目に「しまりがなく、だらしない」
という訳だけではないようです。

日頃からお世話になっている『デンタルオフィス大森』の歯科医師
大森先生のお話しによると…

1. 虫歯や歯周病になりやすい

口が空いていることによってお口が乾燥してしまい唾液が出にくくなります。

唾液は“再石灰化”といって虫歯の修復をしていますがその働きが弱くなり、虫歯が進行しやすくなります。

唾液で流されていた菌が繁殖しやすく歯周病の進行や口臭もきつくなります。

2. 歯並びが悪くなる

通常、お口を閉じていると舌が上顎にくっついてこの力で上顎が広げられ発育します。

ですが『お口ぽかん』状態だと、舌が下にあるので上あごを広げる力がかからず上顎が広がりません。
その結果歯の生えるスペースが確保できず歯がきれいに並びきらないのです。

3. 顔がゆがむ

『お口ぽかん』で口呼吸をしていると口の周りの筋力が低下します。
頬や口元のたるみはもちろん、お顔全体の筋肉にも影響し目や頬まで垂れ下がります。
「アデノイド顔貌」という独特の顔つきになってしまいます。

*アデノイド顔貌
口元が前に出ている、二十顎、顎と首の境が目がわかりにくい、丸みを帯びた顔。

アデノイド顔貌

4. 呼吸器感染症にかかりやすい

鼻呼吸では空気中のウイルスやほこりが体内に侵入するのを半分以上防ぐことが出来ますが、口呼吸ではそれらが直接気道に付着します。
また、冷たく乾燥した空気が喉や肺を痛めてさらに感染しやすくなります。

5. 睡眠の質を低下させる

口呼吸ではいびきの原因になり熟睡できず、疲労がとれません。
又、舌が気道に落ち込み睡眠時無呼吸症候群になりやすくなります。

6. その他
アレルギー体質、自律神経失調症などに移行しやすくなるとも言われています。

『お口ぽかん』の原因

1. 口の周りの筋力が弱い

口を閉じる筋力が発達していない

2. 舌が短い(舌小帯短縮症)

舌小帯とは舌の裏側の口の底と繋がっている筋膜ですがそれが生まれつき短くて舌の動きが悪い

3. 鼻が詰まっている
鼻炎や蓄膿症で鼻腔が狭く口呼吸しかできない

4. 口呼吸、その他悪い生活習慣

しかし、この原因は…なんと!
赤ちゃん期でかなり取り除くことが出来るのです。

それによって、子ども達が生き(息)やすくなり
べっぴんさん、イケメン君になるなら…
取り組まない手はないですよね。

続きはは次回に…

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