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他愛無い時間

昨日
彼と
20時過ぎに遅いご飯を食べに出掛けた。

最近のご飯屋さんはなんで早く終わってしまうのでしょうね。
と思いながらも
通された席の
斜め向かいには
夜なのに、店内なのに、
真っ黒いサングラスを掛けたでっぷりとした男と
手前には女性が座っていた。

私は
ん???と思いながらも
食事を待っていた。
彼は振り返らないと見れないが
私の席からはガッツリ見えるその2人と言うよりその会話…

【だからぁ…もう、気持ちが無いの!わかる?好きじゃないって事】

男の声が大きいからよく聞こえてくる。

【もう、終わり!ね!それは貴女の問題でしょ?】

おそらく別れ話だ…

とにかく男の声が大きいので
聞きたくなくても聞こえてしまう。

私達は食事を終え、
デザートのあんみつを半分こしていた。

すると、
【ほら、もう、帰ろう!帰ろう!】
と男が先に席を立ちレジへ向かう。
女は後から下を向き歩き出した。


私達は
相変わらず


抹茶アイスほとんど無いじゃんと彼が拗ねている。

イヤイヤ、溶けてきたけどまだ下の方にあるでしょ?

これじゃ千利休が立てたお茶みたいじゃーん

イヤイヤ大丈夫
だって利休のお抹茶だよ?凄くない?

アホみたいな会話の最後に
彼は器を両手で持ち
器を回しながら見ると飲み干す仕草をした。
結構なお手前でと言う彼に
会釈を返し


2人顔を見合わせ爆笑したのだ。

あぁ…私は、この幸せを大切にしようと
思う瞬間だった。

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