アナ・ウィンター、さすがやな
職場でチームの人員が固定されると作業がルーティンがちになる。チームのトップが裁量を持っている場合は、そのトップの戦略に自ずと従うこととなる。そこそこ業績を上げていれば何も言われない。目を瞑ってでも数字は上がる現象を自分の能力とすり替える、おめでたい上司のもと約3年を迎える。
いつまで経ってもこの好調要因は自分のお陰であると言動が示している。正しく分析すれば、そうではない。円安、世界的需要が高まっている、等の外的要因がほとんどを占めているのに、なぜ危機感を持たないのか?
こういうリーダーは有事に真っ先に逃げると推測している。
部長ポジションの奴らは本当にやばい。
リスキリングと言われる昨今、昔の権力をかざしたトップダウン式は、円高になり国内消費のみで戦うことになった場合、アイディアが求められる場面においてかなり厳しくなると思っている。そう思ったきっかけは、今期のビジョンを演説されたときに「的外れすぎてやばすぎる」と引いてしまったことにある。
完全に主観的、非論理的、分析した風。そういう人に限って「〇〇は△△の能力が低い」「××は出世は難しい」と人を分析したがる。
対象はあくまで人のみ。自分を崇め奉られればそれで良し。目の前に起きてきるビジネスへの興味がないことが明らか。
人間関係をあえてぐちゃぐちゃにして人を正しく導こうとする。それが間違っている。正しいビジネスをしようとしている人は、コミュニケーション能力に長けているか、めんどくさいことに巻き込まれないように無視しているか、だと思う。
上司が、部下が、〇〇が、××が、なんて関係ない。書類をまっすぐ順番に置くこと、ペンを何本ストックするのが正しいのか、残りどのくらいで補充するのかをネチネチ観察したところでビジネスと言えるのだろうか。
そんなことを持ち出して事あるごとに火種を作り、ボヤ騒ぎする職場環境のもとでは、戦略や分析なんて関係ない。
こうやって日本的マネジメントでコンフォートゾーンに居続ける組織に属している場合。かつ、視野狭窄の上司の元で働いている場合。アホらしくて、気づいたら手遅れになる前に、自分の道を何本か耕すには絶好の良い薬であると思うしかない。彼らは指おったらすぐ定年退職になる。そう考えると、アグレッシブで新しいチャレンジをし続ける50代(何%いるだろうか?)のもとでしか働いてはいけないと心に誓う。
こいつの下で働くイライラは1年後でも同じなのか、と思うとゾッとする。
その時にふと思い出したアナウィンターの言葉。
Your pages look like you always put them together. You need to break out of your comfort zone. That's all.
アナウィンターが映画「The September Issue」で部下に投げかけた言葉。
「あなたのページはいつもおんなじ。殻を破らないと。以上!」
部下に向き合って「あなたの髪型がいつも同じように、作るページもいつも同じ感じなの。わかる?」と言うシーンを思い出す。
アナウィンターは厳しくて、気まぐれとも言われているらしいがこれがビジネスだと思う。自分の上司を見ていて、何度も何度も見たこの映画の取り止めのないワンシーンがふっと湧いてきた。
(他にもグレースやエドワードといった編集者の苦悩を表現したシーンも好き)
「ああ、これが上司なのだな」と。
部下より先を見て、メタ的にものを見られる。そういった人は稀有なのかもしれないが、優秀な部下がいなければ一流の作品は生まれないことをわかっている。自分のためにも発破をかける。アメリカは人を成長させる、と言うよりポストの奪い合いだと思うと上司の助言は金であり、かつ、危機感与える材料としているのか?
とにかく日本のマネジメント層はアナウィンターを知るべき。
ただヘラヘラ定年を待つマネジメント層に1日でも身を注いではいけない。注ぐフリをして道を耕すのだ!