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詩と散文の隙間

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詩よりも長く、散文より短い、すきまの言葉。
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#エッセイ

さよならの音は、からりと明るく。

さよならの音は、からりと明るく。

ある時
木蓮の花が
ぽたりとおちた
まあ
なんといふ
あかるい大きな音だつたらう
さやうなら
さやうなら

山村暮鳥
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今現在、日本語の詩の中で最も好きな、山村暮鳥の「ある時」。
私が諳んじることのできる数少ない詩。
さよなら、という言葉を用いても、からりとして朗らかで湿っぽさを感じさせない類なき詩。
わたしもいつか、自らの身を以ておちるとき、暮鳥が耳にした木蓮のごとく、

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あなたのためにできること

あなたのためにできること

一人の人間の手におえるのは、自分だけだと知れ。

誰かのためにできることなど、何もない。
みんな自分のためにしか生きられないし、生きるべきではない。
自分の機嫌をとることすら、容易くはないと、すぐに気がつくだろう。

「誰かのために」が、「自分のために」と同義になるその日まで、誰々のために、と口にするな。
その人の反応に一喜一憂して、何かがこんがらがってしまう。
中途半端に、他人を自分の道に巻き込

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上等

上等

彼女はもう
忘れてしまったかもしれないけれど
地下道の階段を上がったところで
こんな話をした。

「4万円のコートを着て、
400円の下着をつけた女より、
4万円の下着をつけて、
400円のコートを着られる女になろうよ。」

あれから10年以上経つ。

今でも私は
何か目の前にあるものの
表層の
その下にあるものを
見ようとする。
翻り、
いますぐに
コートを脱ぎ捨てることができるか。
時々、自分

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