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麻佑子
2018年10月7日 09:33
外出時のお供にする本を選ぶとき、いつも迷わず一冊の本を手にとる。アン・モロウ・リンドバーグ「海からの贈物」だ。 何度も読み返し、その度にいつも新しい発見があり、何回読んでも理解した気になれない、するめのような本である。吉田健一の翻訳と、落合恵子さんの翻訳、どちらも好きだ。(落合さんの翻訳の方には、1970年代になって、著者によって新しく書き加えられた一章がある。)持ち歩くときは、文庫本
2018年9月9日 22:41
実家の本棚に、読んでもらった記憶のない絵本がささっている。 おさるのジョージシリーズでお馴染みの、H・A・レイの絵が目をひく「ポケットのないカンガルー」。アメリカの作家、エミイ・ペインの作品である。おさるのジョージは大好きだったし、家にある絵本のほとんどは、読みきかせしてもらうか、自分で読んでいたはずだから、どうして覚えていないのか不思議でたまらない。思わず抜き取り、ページを開いた。
2018年8月7日 10:09
5年近く、本に囲まれて働いてきた。私が務めていたのは古書店で、40年以上前の本が多かったが、どの本も、いつ読んでも新しい、発見や出会い、感動のあるいい本ばかりだった。その本たちに、私自身どれほど救われてきたかわからないし、たくさんの人が、本と過ごす時間を求めて訪れ、静かに本と寄り添う姿は、なんとも言えず美しい眺めだった。育児中、本を読む時間をつくることは難しいかもしれない。だけど、