シェア
麻佑子
2018年9月29日 09:42
我が家にはおもちゃが少ない。というか、ほとんどない。母がくれた、木製の歯固め兼がらがら。夫のお母さんが手作りしてくれた、ハギレを使った、鈴の音がするにぎにぎ。妊娠中に、夫が一目惚れして買ったという、木の皮がそのままついた積み木。チェコに住む義理の兄がくれた、チェコのキャラクター、クルテクの木のおもちゃ。夫が出張で訪れた香川県で買ってきてくれた、おじさんが売ってたという、竹製の手作りおも
2018年9月29日 00:17
本当は少し前に、あっ!と気がついていたのだけれど、言葉にするのは良くない気がして、黙っていた。いつものように、ギターで息子をあやす夫と、夫のつま弾く弦に、果敢につかみかかる息子を、オレンジ色の光のなかでぼんやりまどろみながら眺めていた時のこと。不意に涙がぽたぽた落ちて、止まらなくなり、そっぽを向いて布団に顔をうずめた。“この子を産むために、わたしは生まれてきた。”自然と口をついて出た
2018年9月26日 22:28
人見知りが始まったり、お母さんの顔が見えないと、この世の終わりかと思うほど泣き叫ぶ赤ちゃん。その対処法について質問を受けた、育児講座の講師の先生がおっしゃっていた言葉。「何にもできなかった日は、赤ちゃんに安心感を与えられた日ですよ。」 一日何にもできなかった…と落ち込む日。ちゃんとした料理も作れなかった、洗濯物もたためてない。部屋も散らかったまま。自分の時間も取れず、ただただ子どもと格
2018年9月21日 22:12
以前、夫婦の会話は業務連絡になりがちだと書いた。一緒にいる時間も、できるだけ業務を進めるための、話し合いに使いたいという気持ちがどこかにあって、「映画でも借りるか!」という、映画好きの夫の提案に、気持ちよくのれない節があった。なかなか一緒にいる時間ないんだから、話しておかなきゃいけないことや、進めておかなくちゃいけないこと、そんなことが頭をよぎってのこと。子どもが生まれてからは、尚更だ。映
2018年9月20日 12:00
妊娠してからというもの、映画館から足が遠のいているので、最近は、もっぱらレンタルDVDにお世話になっている。見たいと思った映画のレンタル開始を待つ日々。 先日、周りの女性たちが、こぞって良いと話していた「君の名前で僕を呼んで」を借りてきた。物語のあらすじは、すでに知っていたし、心に響くポイントも、何と無く予想はしていた。17歳のイタリア人と、24歳のアメリカ人の青年のひと夏の恋のお話。
2018年9月19日 00:05
映画館やお酒の場以外に、もう一つ足が遠のいている場所がある。ライブハウスやコンサートホールといった、音楽を聞く場所だ。 かなり積極的に、大人な場所に息子を連れ歩いている私たち夫婦でも、やはり躊躇してしまう。息子と一緒に過ごすようになって、赤ちゃんというものは、泣き出さずとも、突如、かなりのボリュームで奇声を発するということがよくわかった。 一度、どうしても行きたいかった、小島ケイタ
2018年9月18日 15:05
妊娠してから今日まで、残念なことの筆頭に、お酒が飲めなくなったことが挙げられる。そして、コーヒー、緑茶のカフェイン含有飲料。もっぱらノンアルコールビールにお世話になっている毎日だ。飲めなくてつらい!とか、飲んでる奴が恨めしい!とまではいかないけれど、あぁ、お酒が飲めたらなぁと思ってしまう場面が多々ある。 たとえば、誕生日に連れて行ってもらった、金沢のお寿司屋さん。ノンアルコールビールを
2018年9月15日 01:09
マグマグの口が、4種類もあるなんて知らなかった…はじめたが最後、ノンストップになることを恐れ、夏の旅行を言い訳にして、延ばし延ばしにしていた離乳食を、やっとはじめた。離乳食をはじめて、そろそろお茶でも飲ませようかと、軽い気持ちでマグマグを買いに行って、出鼻をくじかれ途方にくれた。哺乳瓶みたいなタイプ、スパウト、ストロー、マグカップタイプ、5ヶ月〜、7ヶ月〜、9ヶ月〜…1番シンプルな
2018年9月11日 23:37
とても新宿には行けない…わりと、フットワークは軽い方だと思っていた。少し無理をしてでも、足を伸ばすタイプだ。それなのに。新調したジャケットとパンツで、おしゃれにキメて出かけた夫との待ち合わせに、私は行けない。こんなぼろぼろの私では、とても。息子は夜しっかり寝る。それでも、少しの物音で起きられるように、眠りは浅くなっているらしい。慢性的な寝不足だ。息子が寝ている間に一緒に寝
2018年9月9日 22:41
実家の本棚に、読んでもらった記憶のない絵本がささっている。 おさるのジョージシリーズでお馴染みの、H・A・レイの絵が目をひく「ポケットのないカンガルー」。アメリカの作家、エミイ・ペインの作品である。おさるのジョージは大好きだったし、家にある絵本のほとんどは、読みきかせしてもらうか、自分で読んでいたはずだから、どうして覚えていないのか不思議でたまらない。思わず抜き取り、ページを開いた。
2018年9月6日 08:52
東京から西へ向かう在来線の中で、向かいに座った少女の言葉が忘れられない。「ねぇ、どうして山があるの?」 都会で生まれ育ったのだろう。彼女にとっては、山があることの方が不自然なのだ。私たちは、もう、都会には自然がない、と決めてかかる。確かに大都会の真ん中に山はない。だが、山はあるべし、と誰が決めた? その時はただ、“在るものがない”と思うことと、“ないものが在る”と思うこと
2018年9月4日 20:49
ママズクラブシアターに行ってみた。映画好きの夫は、映画館好きでもある。私も影響されて、すっかり映画館で過ごす時間の素晴らしさのとりこになってしまったくちだ。しかし、子どもが生まれてからというもの私と息子を気づかって、TSUTAYAのレンタルDVDでずっと我慢してくれたのだが、やっぱり映画館が恋しくなっているよう。 そんな彼をみかねて、映画館好きには嬉しいサービスを発見。ついに親子
2018年9月3日 22:43
歩きながら、イヤホンで音楽を聴くことができない。電車に揺られて、ちょっとした待ち時間での読書ができない。やろうと思えばできるのかもしれないけれど、息子と一緒にいるのに、自分ひとりの世界にはいることが、忍びなくてできない。寝ている時ならいいのだけれど。だから、1人で音楽を聴きながら颯爽と歩く人が羨ましいし、喫茶店や電車で、本を読んでいる人を見かけると、たまらなく羨ましくなる。ーーー