ライティングとコンビニのおにぎり的世界
地方の小さな企業内でネットショップに関連する仕事をかれこれ7~8年やってきましたが、ここ1~2年の間に急激な変化が起こっています。
7~8年前は商品写真は一眼レフカメラで撮るものだったし、商品画像をつくるのはadobeのデザイン系ソフト(イラストレーターやフォトショップ)を駆使して作製するのが常識でした。
それが今やその常識は薄れ、撮影はスマホ、商品画像作成はcanvaなどのアプリでも十分だというふうになってきています。それだけスマホやcanvaの進化は本当に目覚ましいということです。それは紛れもない事実。
ただ、末端の末端とはいえ長年デザインに携わってきたものから見るとやはり、写真は一眼レフで撮ったものとスマホで撮ったものは少し違うし、canvaで作られた画像も、繊細な表現という面ではまだ少しadobeの製作アプリには追い付いていないところもあるかなと思います。(画像生成系のAIについては差はあまり感じられず同レベルな印象ですが)
そして本題のライティングも、まだ今のところ人間が作る文章の方がチャットAIが作るものより文章としてのレベルが高いと思います。
と、ここで一旦ネットショップでの物の売り方についての変化も見てみましょうか。こちらも7~8年前とは全然変わってきています。(←この全然の使い方も昔とは変わってきていますけども)
ポイントというものが購買活動に大きな影響を及ぼすようになり、今やもう商品はAmazonや楽天などのモール以外では売れなくなってきています。
となると販売戦略も自社ECショップのみで売っていたときとは当然変わってきます。モールではブランドや商品のストーリーを語るより、他社の類似商品より価格を抑える工夫と広告の出し方がカギになってきます。
逆に言うとストーリーまでは語らなくてもモール内での戦術さえうまくいけば売り上げは上がるんですよね。
つまりネット上(というかモール内)での物販に限るならば、デザインや写真と同様、ライティングもそこまでこだわらなくてもいいようになってきたということです。
たしかに、超一流企業以外はかなりの大手でさえ、商品写真も画像のデザインワークも、ストーリーを語るブログなどの文章もすべてがひと昔前よりさらっとしていて何というか…腹八分目感とでも言ったらいいのか、まぁそんな感じです。
昔はよかったとか昔の方がすごかったとか言うようになると歳をとった証拠だなと思っているのですが、そういうのとも多分違うと思うんですよね。
潮目が変わったというか。。。
先日ある企業のコンサルさんと新ブランドのブログを立ち上げるにあたって打ち合わせをしていたところ、「ターゲットは〇〇、トンマナとしては〇〇、あとはまぁ適当な感じで普通に書いていただければ大丈夫です」とだけ言われたのですが何となく、戦略の重点はそこにないから大丈夫ですよみたいな感じに受け取れました。
そして商品開発についても、「モールではそこまでハイスペックなものは売れにくいから、他社の売れている商品をパクった方が売り上げには早くつながりますよ」とのこと。
そっかー。
最近よく耳にするオーバースペック不要論。デザインワークなどの面でも商品開発の面でもその潮流を感じました。
そのときのわたしの率直な気持ち
ロマンないわー
それを娘に言うと「勤め先のおっちゃん達もすぐロマンロマン言うわ」とのこと(笑)
やっぱりこれは年とった証拠なのかな。
なんだかすべてがコンビニおにぎり的な感じ。
コンビニおにぎりってかなりのレベルに到達してそこそこ美味しいですもんね。
でも、おにぎり名人がこだわりのお米と具材で握って、上質なのりを巻いたおにぎりってコンビニのそれとは比べ物にならないくらいおいしいけどなー。
めちゃくちゃ美味しいものでなくても、そこそこ美味しくてそこそこの値段のものがあれば十分ということなんですね、たぶん。
ロマンなんて所詮作り手側の押し付けなのかもしれないし。
これまでは「読む人の心にささるもの」を書くことを心がけてきたけど、それもたぶん執筆のコストを考えるとオーバースペックに分類されるのかもしれないと思うと少しやるせないです。
しばらく様子を見て本当にその流れが奔流になるようなら、ネット販売以外の分野で自分を生かせるところを探さねば!
と思った最近のできごとでした。