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はばたけ、出版企画書!!      ~アイルランド絵本パック・二冊目~

『The Salmon of Knowledge』

アイルランドではとても有名な民話『知恵の鮭』の絵本です。
ケルト神話に登場するアイルランド王を守るフィアナ騎士団の団長として有名な、フィン・マックールの幼年時代の物語です。
コラージュ風のイラストが可愛らしい!日本の読者に喜んでもらえそうな画風です。
文字数も少なく、簡潔にまとめられていて、未就学児・小学校低学年を対象としています。有名な昔話を除いて、海外の昔話や民話で低年齢を対象とした絵本というのは案外少ないものなんですよね……
アイルランド入門編としてはちょうどいいのではないでしょうか。

それでは、以下『The Salmon of Knowledge』の出版企画書です!


「The Salmon of Knowledge」 企画書
【原書情報】
原書名:The Salmon of Knowledge(知恵の鮭)
出版社:Starfish Bay Children’s Books
刊行日:2019年4月1日
ページ数:30ぺージ
ISBN-10: 1760360708 ISBN-13: 978-1760360702
 
【タイトル案】
せかいいち かしこくて ものしりなサケ ―アイルランドのむかしばなし―
 
【書籍概要】
(あらすじ)大昔からある知恵の泉と9本の知恵の木、ハシバミ。ある日、泉にハシバミの実が9つ落ちて、それを一匹のサケが食べた。サケはとたんに世界一ものしりなサケになる。〈この世の叡智を極めたサケを最初に食べた者が、その叡智を手に入れる〉という噂を聞きつけてやってきた詩人のフィネガスはどうにかしてサケをつりあげようとする。戦士になることを夢見る少年、フィンがあらわれ、フィネガスの弟子になる。ある日、フィネガスはついに知恵のサケをつりあげる。サケを焼くように言いつけ、昼寝をするフィネガス。その間にサケに触った手をなめたフィンはサケの叡智を手に入れる。フィンはフィネガスの元を去り、最強の戦士となる。
 
 「The Salmon of Knowledge」(知恵の鮭)はアイルランドに古くから伝わるケルト神話に登場する、フィン・マックールの少年時代の物語です。フィンの前後の話を知らなくてもこれだけで独立した話として十分楽しめます。アイルランドは伝説や神話の宝庫ですが、説話集としてまとめられている本がほとんどで、絵本としてひとつの話をとりあげているものは多くありません。著者のセリーナ・バックリーもインタビューでその点について言及しています。小学校教諭という立場から、低学年の生徒でも読めるようになるべく字数を減らし、絵本の形式にこだわったそうです。パッチワーク・コラージュを用いたユーモラスな画風は、日本の子供たちにも馴染みやすいのではないかと考えます。
 なお、アイルランドのLiterature Irelandという機構では、アイルランド人作家の書籍を翻訳出版する出版社に対して、翻訳料を援助する助成金制度があります。申請時はできる限りご協力させていただきますので、こちらのほうも併せてご検討いただければ幸いです。
https://www.literatureireland.com/grants/translation-grant-programme/
 
【対象読者】
児童。対象年齢は小学校低学年を想定。

【仕様】
268mm正方形、予価1500円。

【著者プロフィール】
Celina Buckley(セリーナ・バックリー) 作・絵 
アイルランド、コーク県出身。小学校教諭として働いていたが、休職して英国ケンブリッジ・スクールオブアートへ入学し、児童書用イラストを学ぶ。卒業制作作品である本書がボローニャ国際児童図書展で出版社の目にとまり、卒業を控えた2019年に出版されることとなった。以来、小学校教諭として教壇に立つかたわら、イラストレーター、アーティストとして精力的に活動を続けている。
 
【訳者プロフィール】
梁池真世(やなちまよ)
東京都出身。アイルランド在住。大学在学中に舞台女優をめざし、演劇養成所に入所。養成所卒業後、1999年に演劇の本場イギリスへ。ロンドンの演劇大学サーカス学科へ進学し、学士号取得。在学中の怪我によりサーカスの道を断念し、帰国。アイリッシュ音楽に興味を抱き、都内でアイリッシュフィドル(バイオリン)のレッスンを受け始める。2007年に渡愛。2009年、リムリック大学大学院伝統音楽演奏科に進学し、首席で卒業。以後、市内のパブでセッションリーダーを務めるかたわら、伝統音楽バンドGIRO-Galway International Retro Orchestraを主宰。韓国在住の知人よりYouTubeチャンネル内の日本語字幕の翻訳を依頼されたのきっかけに翻訳に興味をもつ。以来クラウドソーシング等を介してフリーランス翻訳家として働く。2人の子供をバイリンガルにするべく、絵本の読み聞かせを日々の生きがいにしていたこともあり、2021年より朝日カルチャーセンターの絵本翻訳入門講座を受講し、現在に至る。第28回いたばし国際絵本翻訳大賞にて最終選考まで残る。現在は海外で出版された絵本の中からアイルランドに関連する絵本を選出し翻訳した「アイルランド絵本パック」を作成中。

【類書】
「ジェイミー・オルークとおばけイモ」
「ジェイミー・オルークとなぞのプーカ」
 (トミー・デ・パオラ 作・絵 / 福本友美子 訳 / 光村教育図書/ 定価1500円)
「メロウ」(せなけいこ 再話・絵 / ポプラ社 / 定価1500円)
「ノックメニーの丘の巨人とおかみさん」
(トミー・デ・パオラ 再話・絵 / 晴海耕平 訳 / 童話館出版 / 定価1500円)
 
4冊共にアイルランド昔話の絵本です。特に「メロウ」(「魂の籠」として知られる)、「ノックメニーの丘の巨人とおかみさん」、「ジェイミー・オルークとなぞのプーカ」は有名な話で、アイルランドでもさまざまな話集におさめられています。絵本形式で未就学児・低学年を対象としている点も類似していて、上記の作品を楽しんだ読者層が、本書も同様に楽しめるのではないかと考えます。


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