別れのアイスコーヒー #シロクマ文芸部
凍った星をグラスに。
アイスコーヒーを淹れた
あの星祭で一緒に拾った星々
アイスコーヒーの闇の中で
星は溶けながら輝きをとりもどし
グラスの中にあの夜空がもどった。
あの夜を思い出したら
今から彼が言おうとしている
「さよなら」はなかったことに
なるかもしれない
独りよがりの期待にかけた
おまじない。
でも、彼は、
ためらうことなくミルクを注ぎ
グラスの中の夜空を祓うと
静かに別れを話し始めた。
....
うつむいてあてもなくグラスをかき混ぜながら
私は考えている
いつからこんなにも
すれ違ってしまったのだろう
ミルクを入れない私のグラスの中の夜空では
まだ美しく星が輝いているのに...
<終>
#シロクマ文芸部
お題「凍った星をグラスに。」から始まる小説や詩
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素敵なお題をありがとうございます。
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