ChatGPTで600倍速!コピーライターが教えるプレゼン資料作成ハック7選【プロンプトつき】
あなたはプレゼン資料作成にどのくらいの時間をかけていますか?
実は、私自身がChatGPTを活用してプレゼン資料作成を行ったところ『5時間以上かけていた作業が30秒』で終わるようになりました。
もともと5時間×60分×60秒=18000秒かかっていた作業が30秒になるわけですから、18000÷30=600!単純計算で作業速度600倍です。
しかも、資料作成のためのリサーチから、第三者のレビューまで一貫してChatGPTを活用できます。
この記事では、ChatGPTを賢く活用して、すばやく資料を作成するコツをお伝えします。また、ChatGPTを使う上での注意点も共有いたします。
「資料作成に時間がかかる」と悩んでいる方は、ChatGPTをうまく活用すれば、効果的かつスピーディーに資料作成ができるでしょう。
※今回、アドビさんの「みんなの資料作成」という企画に参加させていただくことになりました。資料作成に便利なアドビのツールもご紹介いたしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
ChatGPTを使いこなすための3つの大原則
まずは、はじめてChatGPTを使う方のために基本操作のコツを共有します。ポイントは以下の3つです。
役割を与える
ChatGPTには「あなたはプレゼンテーションのプロです」というように役割を与えると、より的確な答えがもらえます。1プロジェクト1チャット
1つのプロジェクトやテーマごとに、新しいチャットを開始することで、求める回答が得られやすくなります(ChatGPTは、同じチャット内でのやりとりを踏まえて回答を返すことがあるからです)。追加の質問で絞り込みをする
1回の質問だけでは的確な情報がもらえないことが多いです。追加の質問で情報を絞り込みましょう。
ChatGPTでトラブルを起こさないために注意すべき3つのこと
次にChatGPTを使う際の注意点をお伝えします。この3つは最低限押さえておきましょう。
手を加えないのはNG
出てきた答えをそのまま使わないこと。著作権侵害のリスクや、個性が失われてしまう可能性があります。自分の言葉に直すなど、必ず手を加えてください。事実確認をしないのはNG
出てきた回答をそのまま鵜呑みにしないようにしましょう。ChatGPTの回答がすべて正しいとは限らないからです。必ず他の情報源で事実確認をしてください。機密情報は送るのはNG
ChatGPTに機密情報や個人情報を送信しないようにしましょう。データの流出や不正使用につながる可能性があります。大切な情報は絶対に入力しないこと。
これらのポイントを押さえて、効果的なプレゼン資料を作成していきます。
ChatGPTでプレゼン資料をつくるための7つのステップ
ChatGPTを使った効率的な資料作成の全体像は、以下の7ステップです。それぞれの項目で使える質問(プロンプト)を紹介していきます。このプロンプトを使えば、これまでよりもスピーディーに資料作成ができるでしょう。
ステップ1:タスクを明確にするプロンプトを入れる
まずは、資料作成をスピーディーに行うためのタスクと手順の流れを確認しましょう。以下の質問(=プロンプト)を打ち込んでみてください。※太字部分を変更
質問事例
回答事例
【ポイント】
他にも「効果的なプレゼン資料作成のコツを5つ教えてください」とChatGPTに聞いてから「その5つを意識してプレゼン資料を作成してください」というと、少し回答のクオリティーが上がります。
ステップ2:ターゲットリサーチのプロンプトを入れる
次に「誰に向けて書くのか」を明確にします。ターゲットを設定するだけで終わる人が多いですが、本当にやらないといけないことは「悩みと願望」のリサーチです。以下のプロンプトを入力すると、ターゲットリサーチが簡単にできます。
質問事例
回答事例
【ポイント】
コレすごくないですか?! 冒頭でお伝えした作業速度600倍というのは、まさにこの作業のことです!私はターゲットリサーチに5時間以上かけていたので……発見したときに震えましたね。
インタビュー、アンケート、オンライン調査、情報の裏取り、データ集計・分析などなど、膨大な作業を費やしていたわけですから。プロンプトを打ち込むだけで、一瞬にして情報が出てくるので、優秀なアシスタントを雇った感覚です。
とはいえChatGPTは、あくまで”アシスタント”。最終的に、このニーズをどう調理していくかは”人間の仕事”です。可能であれば、ターゲット層と直接話をして悩みを聞けるとよいです。相手の表情や声のトーンなどを手がかりに、相手自身ですら言語化できていない深い悩みを探せるからです。
AIは人間の感情や細かいニュアンスを理解するのが苦手で、文字通りの情報しか解釈できません。作業効率化の観点だけでなく、より深い部分でターゲットに刺さる資料を作るためには、生身の人間が抱える悩みに向き合う作業が非常に重要なのです。
ステップ3:ターゲットへのキーメッセージを決める
次に「キーメッセージ」を決めておきます。キーメッセージとは、最も伝えたいメッセージのこと。プレゼンや資料作成でも、いろんな切り口が考えられますが、1つのゴール(キーメッセージ)を決めておくと、効率的かつ内容が伝わりやすくなります。以下のプロンプトを打ち込んでみてください。
なお、ChatGPTが上手に回答できたら、褒めてあげてください。ChatGPTが「方向性が正しい」と認識するため精度が少しだけ向上するようです。(参考記事)
質問事例
回答事例
【ポイント】
ChatGPTの提案をもとに、キーメッセージを1つ決定します。プレゼン資料が伝わらない最大の原因は『メッセージを絞りきれていない』ことです。
例えば「資料作成をする」ことに関していうと、以下のように訴求ポイントは複数あります。
お料理でいうと、エスニック風にするのか、中華風にするのか、調理前に決めるのと同じです。「エスニック風の中華味」だと味がぼやけてしまいますよね苦笑。だからこそ、最初に1つのゴール(=キーメッセージ)を設定します。
どこをゴールにするかは、以下の視点で考えてみてください。
・ターゲットがもっとも悩んでいることは?
・ターゲットがもっとも望んでいることは?
・自分の強みがもっとも生かされることは?
よくわからない場合は、これもChatGPTに聞いてみましょう。
以下のプロンプトを打ち込んでみてください。
1回で納得のいく回答が返ってこなくても、ChatGPTと壁打ちをすることで、核心に迫るキーメッセージに近づけられます。
ステップ4:プレゼンの構成を考える
次にストーリーボード(構成)を考えます。以下のプロンプトを使えば、簡単にプレゼンの構成や内容のベースができあがります。
質問事例
回答事例
【ポイント】
何もない状態から構成を作るより、叩き台があった方が作成しやすいはずです。ChatGPTの回答をベースに、自分で手を加えて構成を完成させましょう。この構成をもとに、次にお伝えするリサーチをしながら肉付けしていきます。
ステップ5:WebPilotを使ってリサーチする
ChatGPTの情報は、2021年9月までのものとなっています。それ以降の情報は取得できません。そのため最新の情報を取得するために「WebPilot」というツールを使います。
「WebPilot」とは、指定のURLを読み込む機能を追加するChatGPT用プラグインです。指定したサイト内の情報を抽出したり、要約したりできます。
質問・回答事例(抽出)
質問・回答事例事例(要約)
【ポイント】
コレすごくないですか?!(本日2回目)膨大な情報が溢れている時代ですので、情報に”当たり”をつけられるのは、かなりの効率アップです。優秀なリサーチャーを雇った感覚ですね。
とはいえこちらも、ChatGPTの回答がすべて正しいとは限りません。必ずリンク先から情報源を確認し、事実確認をする習慣をつけておきましょう。その習慣が、信頼性の高い資料作成に繋がります。
ステップ6:実際にコンテンツを作成する
ここまで素材がそろった段階で、実際にスライドを作成していきます。中でも重要な部分が「プレゼンのタイトル(表紙)」。プレゼン資料の中身をしっかり準備する方は多いですが、タイトルは軽視されがちです。
ですが、タイトルはプレゼンを始めるときに「相手が最初に見るもの」であり、その第一印象がその後のプレゼンに大きく影響します。だからこそ、1枚目のタイトルを作り込み、相手の心をグッとつかんでおきたいところ。
相手に刺さるタイトル作成のコツは、ステップ2でリサーチした「ターゲットの悩みと願望」にマッチした言葉を使うことです。人は自分が知っていること、興味を持っていることなど、頭の中にある言葉にしか反応できないからです。
また、ステップ3で決めたキーメッセージとズレがないことも重要です。
この理論を元に、読み手に刺さるキャッチコピーのプロンプトを紹介します。100案ほど出力し、もっともキーメッセージに合ったものを採用しましょう。
質問事例
回答事例
ステップ7:ChatGPTからフィードバックをもらう
資料ができたら、ChatGPTに専門家や視聴者になってもらい意見をもらいましょう。以下のプロンプトを打ち込んでみてください。
プレゼンのプロからのレビューをもらうためのプロンプト
専門家のレビューをもらうためのプロンプト
視聴者のレビューをもらうためのプロンプト
プレゼンのプロからのレビュー回答事例
視聴者レビューの回答事例
【ポイント】
自分が作成した資料をChatGPTに客観的にレビューしてもらい、自分では気づきにくい点や抜けている点を把握する。これを繰り返すと、リアルの世界でも「これだと上司に指摘されてしまうな……」と予測できるようになります。「そういった視点があったのか! 気づかなかった」と相手目線で物事を考えるヒントも得られます。この活用法を実践すれば、どんどん資料作成スキルが上がっていきます!
プレゼン資料作成の達人が守っている「たった一つのルール」
今回の記事では「効率的に作ること」をゴールに進めてきました。しかし、プレゼン・資料作成の目的は「速く作ること」ではありません。
真の目的は「伝えること」にあります。プレゼンが上手な人たちは、これを徹底しています。
速く作成できたとしても、その内容が聞き手の心に届かなければ意味がありません。また、悩みや課題を的確に理解し、それに対する解決策を提示することが重要です。資料はただのツールであり、その背後にあるメッセージや想いを伝える手段です。
だからこそ、作成する過程で焦らず、しっかりと目的を見失わないよう心がけることが大切です。資料を通じて相手に何を伝えたいのか、どんな感情や反応を引き出したいのか。それを常に考えると、質の高い資料に仕上がります。ChatGPTで効率化できた時間で、ぜひとも「伝えるためにできること」を考え抜いてみてください。
【PR】
ChatGPTにフィードバックをもらうのも良いですが、やはり「人」だからこそ気づける違和感はあります。私もChatGPTで大量に資料を集めて作成をしますが、最終的には「人」の感じ方を優先します。人間に伝えるためには、人間の意見を聞くのがベストだからです。
自分だけの意見だと、視野が狭くなるので、複数人で意見交換できるとクオリティがグンと上がりますね。
作成した資料に意見をもらうための手段として、私はAdobe Acrobat オンラインツールの「編集機能」を使っています。昔は全部プリントアウトして赤ペンで記入していたのですが、ペーパレス化できて、大変重宝しております。リンク共有するだけでチームメンバーと同時編集できるので、大変便利です(画像参照)。この記事で紹介したChatGPT活用ノウハウと複数人での意見交換を組み合わせれば、資料作成のスピードと質が格段にアップすること間違いなし!意見交換を効率化してくれるAcrobat オンラインツールを、ぜひ使ってみてください。
【おまけ】
ChatGPTおすすめサイト
Prompt Engineering Guide(学術的なプロンプトエンジニアリング)
”教員向けChatGPT講座〜基礎から応用まで〜” 東京大学 吉田塁准教授 2023/05/13
ChatGPTおすすめプラグイン/Google Chrome 拡張機能
WebPilot(Webから最新情報を取得できる)
TalkBerry - Talk To ChatGPT(ChatGPTで音声入力できる)
YouTube Summary with ChatGPT(YouTube動画の要約が表示できる)