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私の英語多読遍歴163:The Younger Wife

The Good Sister, The Mother-in-Law など家族をテーマにしたスリラーで人気の著者の新刊。読みやすくページターナーです。

TullyとRachelの姉妹は父を尊敬し愛していたが、認知症を患い施設で暮らす母と離婚して自分たちと歳の変わらないHeatherと再婚するという父の言葉に驚きを隠せない。そしてその結婚式の日、なにかが起こった。
時間は結婚式の前に戻り、TullyとRachel、そしてHeatherの3人の視点でその悲劇に至るまでの道のりが語られる。一見美しく裕福で幸せそうな3人の女性はそれぞれに大きな問題を抱えていた。

欧米では子供たちが独立するような歳になってからの恋愛や再婚はそうめずらしいことではないと思いますが、娘と同年代の女性と再婚っていうのは娘としてはそりゃ複雑でしょうね、と思いながらこの流れはどこかで…と思ったらあれだ。「Modern Family」だ。GloriaがまさにYounger Wifeなので、途中からHeatherのイメージがGloriaになってしまっておりました。あんなにパワフルではないけれど。

それはともかく、3人が抱えている問題というのがそれぞれヘビーです。そしてどれもどうやら過去のトラウマに起因しているというところから、理想的な家族に潜む闇みたいなものをチラ見せしてきます。結婚式の日、何が起こったのか?という謎に向かって進んでいくなかで、裕福に暮らす二児の母Tully、美しく魅力的なケーキ職人Rachelのそれぞれのドラマがあり、謎めいた美女Heatherの過去が語られます。

途中からツイストが入るのはお約束ですが、今回はそれほど意外な方向ではなかったかな。最後も「え、で結局どうなん?」となにか読み落としたかなと思わないでもないもやもやが残りました。結末はともかく、途中のストーリーは面白いし全体に文章が読みやすくてぐいぐいと引き込まれるので一気読みできるタイプの本だと思います。

今回は女性同士の確執よりも家族の間の秘密のようなものに焦点があてられていましたが、途中途中で出てくる女性同士のネガティブな感情など、毎度上手だなあと感心します。あと子供の描写ね。子供あるあるが秀逸です。

さらさらっと読めるというのは読むうえで結構大事で、そうでないとすぐに気が逸れたり続けて読む気が起こらなくなるので「この人の本は読みやすい」というのは本を選ぶ上での一つの指標となってたりします。特にじっくり読む時間がとれないときは「とにかく読みやすい本を!」というのが最優先で、そうでないと読むこと自体をやめてしまいそうなそんな崖っぷちにおります。

そんなわけでわりとお気に入りの作家の一人なので、また新刊が出たら読むと思います。セールになりやすいのもありがたい。(今なら「The Good Sister」がセールですよ)

以上「The Younger Wife」でした。

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