細くて若いのは、ブランドだ
重ための原稿を3本も編集してかなり疲れた。
うつ病なので、疲れると頭がピリピリしてくる。
うつ病とは脳の疲労からくる病気なので、頭の疲れがピークになったら休むことにしている。
体の疲れと違い、ピリピリとかズシーンとかぐわんぐわんとか、目が回ってるのかなと錯覚する。
突然、謎の不安に襲われており、モヤモヤする。
昨日見た欅坂46のMVの影響か。
10代らしき少女たちが激しく歌い踊る姿を見て、こんな女子高生だったら楽しいんだろうなと憧れた。
次の瞬間、でもこの中に入っても人気の格差を突きつけられる毎日。その上、女子ばかりなので激しい嫉妬とライバル心がバチバチ繰り広げられるのを想像すると吐きそうになった。
しかも若いから他人に対して容赦なく攻撃する危険性も孕んでいる。
こんなに可愛くても、そこへ行けば熾烈な競争に巻き込まれるなんて……
ユートピアはどこにあるのだ……
何をどうやっても絶対に起きえない人生に思いを馳せ具合が悪くなるおばさんなど、始末に置けない。
それにしても、10代の線の細さはどこからやってくるのか。痩せてる、というのはもちろんだが、身体のラインが儚い。肉を全く感じさせないスラリと伸びる手脚。シャープなアゴ。
骨ばってるわけでもなく、曲線はあるがとにかく細い。何曲も見てるうちにだんだんどれを見ても「細い!」しか感想が抱けなくなったので就寝。
私の友人と爆買いするためにアウトレットまでドライブがてら向かう車中、運転しながら言った言葉を思い出す。
私「太ったからもう何も似合わない!ブランドものを着て誤魔化すしかない。20代の頃なんてプチプラ服でもなんとかなったのに、歳をとると金がかかる!」
と叫ぶと
友人「若い頃はやせてることがブランドだから、何着てもいいんだよ!泣」
全くその通りである。
若さというブランド。
細いというブランド。
そのいずれも失ったので金をかけてブランド品に身を包むしかないおばさんである。