思い出の曲って、なんだろ?
書きたいテーマとかは特にないけど、「何かを書きたい」って思うのは、「誰かとおしゃべりしたいんだよな」っていう長電話と似ているのかもしれない。
だから、雑談が得意な人は、エッセイや日記を書くのもすんなりはじめられるのだろうなと思った。
何かについて書く、ということならできそうなので、せっかくだから私が入っているコミュニティ「コルクラボ」で毎週出ている「お題」に答える形でnoteをアップするっていう趣味をはじめようと思う。
コルクラボのメンバーが、ラボの雰囲気や活動をいろんな人に伝えるためにやってる「#勝手にコルクラボ」というタグで発信しているし、ちょっとそこに乗っかってみます。
今週のお題は、「思い出の曲は何?」です。
考えていて気がついたのは、最近、「思い出」が風景に変わってきたな、ということ。昔は、思い出の出来事と感情がセットになって思い出すことができていた。とくに、音楽は当時の感情をそのまま記憶の片隅から引っ張り出してくる効果が、私にはあった気がする。
例えば、17歳のときに失恋から立ち直れずに繰り返し聞いていた曲が、GOING STEADYの「BABY BABY」や、aikoの「飛行機」。このうたを聴きながら、通学路の川沿いを自転車で走ってよく泣いていた。
それから10年経っても、カラオケに行くとやっぱり当時の「受け止めてもらえなかった悲しさ」とか、「もう絶対にこの人とは縁がないんだな」って思うことの寂しさにひたっていた。
その人のこと自体は思い出してないんだけど、感情だけがブワッと現れて包み込まれる感じ、というんだろうか。
だから、28歳のころに追っかけていたB1A4という韓国のアイドルグループの「イゲムスンイリヤ」って曲は、テンポもいいし楽しくて聞いててもアガるし、そもそも当時、友だちとライブを見るために韓国、福岡、大阪、東京と、いろんな場所へ遠征した思い出もあいまってさらにアガる、という気分のいい曲だった。
婚活に疲れて、未来も見えないし、という状況で凹んでいてもこの曲を聞けば思い出といっしょに自分のことを励ませていたのは、「楽しい」という感情を引っ張り出せていたからなんだと思う。
それから数年。私は32歳で出産した。ここから感じるものや考え方が一変してしまった。これまでの「楽しかったこと」も、「悲しかったこと」も、ぜんぶ、リセットされちゃったのだ。
歳をとったから、というのではないと思う。よくわからないけど、私には出産という出来事が、これまでの人生の中でも衝撃すぎたのか、産前の自分の感情をぜんぶ、忘れてしまった感じでいる。
イヤなことを忘れて、母親としての「どこへ出ても恥ずかしくない潔白な自分」になりすまそうとして脳が記憶に蓋をしているのかもしれない。そのくらい、感情もろともどこかへいってしまった。
だから、「思い出」を思い出そうとしても「アルバム」を見ている感じで、自分の出来事なのに他人の出来事を見ている感覚になる。
今回のお題について考えてみたけど、やっぱりなんだか遠い国の別の人のお話をみてる気分で不思議だった。むしろ、最近では友だちから聞かされる自分の思い出の方が、そのときの気持ちや感情を思い出せるので、「思い出って、なんだろう?」と、お題とは違うことを考えてしまった。
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