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『なんでもないよ、』MV撮影に実は参加した話

ボイトレで『なんでもないよ、』を習って、さらに好きになったのだが、実はこの曲には思い入れがある。

ファンと一緒につくるMV撮影に参加したからだ。ちょうど1年前である。
後輩にこのお話をしたら「まよっこさんみたいな人がいっぱいいて、どこに映っているかわからなかったです(泣)」と言われたくらい、当事者にしかわからないレベルではあるが、ちゃんと自分では見つけられた。

OKKAKE会員にお知らせメールが来たので、応募したのだが応募したことすら忘れていた。当選メールが来たとき「はて、なんのことだったか」と思い出せないくらい、無欲だったから当たったのかもしれない。

武道館公演の前日に集合と書いてあり、半信半疑で仕事をギリギリまでやってタクシーで武道館まで乗りつけた。

最初、2階席に誘導されたので「全然見えないな」とガッカリしていたら、ステージ前へ移動し、なんと! メンバーの後ろに並ぶというではないか!

はっとりさんたちが楽器を持って登場。私はいつもの図々しさを発揮し、1列目に並びメンバーの後ろで『なんでもないよ、』に合わせて体を揺らし、精一杯のマカロニえんぴつ愛を無言で送った(コロナ禍なのでファンはみんなマスク)。

セッティング変えを待つ間、集まったファン100名ほどとメンバーの軽い交流の時間が訪れた。

「みなさん、こんな寒い中来てくださって、ほんと、ありがとうございます」とはっとりさん。

「せっかくなんでね、みなさんにどのメンバーが一番好きか聞いていいですか?」(はっとりさん)
「えー、それ、絶対自分のためでしょう笑」(大ちゃん)
「いやいやいや」(はっとり)

MCの時のような和やかなムードで、マイクもなく地声で「みんなで談笑している」雰囲気に、マカロニえんぴつに対し「あれ、もしかして、クラスメイトだったかな?」と錯覚する気分だった。

「じゃあ、僕から。はっとりが好きな人〜?」

と答えがわかっているのにわざわざ解くなぞなぞのような妙な空気が流れ、もちろん私も手をあげた。

「おぉ〜(嬉しい)」(はっとりさん)
「もぉ〜、わかってたでしょ〜!」(大ちゃん)

よっちゃんはいつもの笑顔でそのやりとりを見守る。前髪が邪魔なのか、何度も目にかかる前髪を首を振ってよける仕草をするけんやくん。聞いてるのか心配になる。

大多数の人がはっとりで手を挙げたため、私は不安になった。どうしよう……これ、他のメンバーで誰も手をあげなかったら、気まずいやつじゃん。なんでこんな微妙なアンケート取ってんだ、、、と今さらながら軽い罪悪感に襲われ始める私。

「じゃあ、大ちゃんが好きな人〜?」(はっとりさん)
「いないってー!」と「見たくないよ」という感じでケラケラ笑いながら群れから立ち去ろうとする大ちゃん。
「いるじゃん! 見てよ! ピアノ習ってる人ですかね、大ちゃんの良さがわかる人は」(はっとりさん)
「ありがとうございます〜!」(大ちゃん)

「じゃあ、よっちゃん!」、「あーはい、はい、なるほど〜」とはっとり司会でアンケートは進む。そして、最後。「けんやはどうします?」とはっとりさんが本人確認すると「や、僕はいい」とボソッとほぼ聞こえないくらいの声で言いながらまた目にかかる前髪をよけつつ、ぐるぐると歩き回り始めた。

どうしよう……手を挙げたほうがいいかな……でも、はっとりが好きなのに、けんやくんにもあげたら気が多いやつだと思われたり、気を悪くするかもしれない……とどうでもいいことで悩み始めた。だって、目の前にいるんだもの! 教室でいう、教壇と1列目の生徒くらいの距離だよ? 居眠りもケータイいじりも丸見えのあの距離よ?

結局、聞いて何人か挙手したのでこの余興は終了した。

「やー、ほんとね、今日はOKKKAKEのファンクラブ会員の方ですからね。濃い方が来てくれてますからね。……ぜんぜんね、増えないんですよ! 会員が。どうしたらいいと思います?(笑)。もう、ここに来てくださってる方で全員なんですよ、OKKAKEの会員は」

とはっとりさんが、なぜか自虐ギャグを披露していた。声出しができれば!

「そんなことないよ!」とか、「もっとブログの更新頻度を上げたほうがいいよ!」とか「楽屋裏の写真とかアップしたら?」だの「メルマガしたら?」とかお伝えできたのだけれど……それも叶わず。目で訴えることしかできなかったのが悔やまれます。

その後、メンバーの後ろで2列になって正面カメラで撮影が始まった。
私は曲を聴きながら、はっとりさんのつむじをじっと眺めていた。

こんなに好きな人の後頭部を眺め続けたことなど、あっただろうか……?
息子の寝顔を見たり、抱っこしている時につむじを見るときのことを思い返していたら、子どもへの母性がはっとりさんへの母性に移り変わり、頭を撫でたい衝動に駆られた。

……ま、まずい! 今、頭を撫でたら引きずり出される!! 落ち着け!!!

と欲望と戦っているうちに、そこでの撮影は終了し、胸を撫で下ろした。

そして、メンバーをファンが円になって囲みOKKAKEの顔をぐるっとカメラが追うという撮影へ移る。

そこでもまた、はっとりさんの真後ろに立つこととなり、つむじと後頭部を見つめ続けた。時々、はっとりさんが後ろを向いて「疲れてないですか? 大丈夫ですか?」とこのエリアの人に話しかけてくれる気遣いもあった。

大ちゃんは近くのファンと話し込んで盛り上がっているのが見える。けんやくんは相変わらず自分の世界に入っている。よっちゃんは角度的によく見えなかった。

はっとりさんのつむじを堪能し尽くすと、メンバーの撮影は終了した。スタッフの方から「メンバーは帰ります」とアナウンスされたが、はっとりさんが「僕らも残りますよ、みなさん帰るのを見送ります」と提案し、声は出せないがOKKAKEみんなのテンションが上がったのを感じた。おそらく、室温が3度くらい上がったと思う。

そして帰宅の誘導の際にちゃんと一人づつに向かって手を振り「ありがとう」「気をつけてね」とはっとりさんは見送り続けてくれた。(すみません、はっとりさんしか見てなかったので他のメンバーは見てません)

仕事中なので当たり前だと思うけれど、ライブで見ている時と印象が変わらなくて私はすごく嬉しかった。こんなに有名になっているのに腰が低くて、全くピリピリしていないし、メンバーとの空気感も「仲良いグループが教室でわちゃわちゃしている」みたいな感じで好感度が爆上がりした。

翌日以降の公演も2日間見たので、合計3日も武道館へ通い、その週はほとんど仕事もまともにできないほど疲れ果てたが、夢だったのかな?と思うほど素敵な時間だった。

ありがとう〜!!!!!!!

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