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2024年5月の読書・鑑賞ログ
2024年5月に読んだ本や観た作品で、印象的だったものを記録します。
黄色い家(川上未映子)
2023年に出版された小説で、著者は川上未映子さん。
主人公(はな)は、高校生のときに家出をし、知り合いのもとで共同生活を始めます。
スナックで働きながら生計を立てていましたが、それもままならず。
でも、生きて行くため、共同生活を続けるために、主人公は怪しい裏社会の仕事に手を染めていく。というストーリーです。
1998年~2000年頃が舞台となっており、当時の記憶と重なって、やたらリアルに感じられて面白いです。
・「自分が良かれと思ってやっていること」を、もし相手に否定されたら
・もし母親が、お金を貸してと言ってきたら、僕はどんな気持ちになって、どんな返事をするのだろうか
・毒親のもとで育たなかった僕は、どれだけめぐまれているのか
そんな、普段考えないようなケースについて考えさせられる1冊でした。
鈴木大介さんのノンフィクション書籍『家のない少年たち』や、映画化された肥谷圭介さんの漫画『ギャングース』が好きな人に、おすすめの作品です。
池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾(池上 彰)
香港と台湾に興味があり、読みました。
ニュースで見た学生運動がなぜ起きたのか、すごくわかりやすく解説されています。
「中国国民党の人が、台湾で蛇口をひねったら、水が出る様子を見ておどろき。
蛇口を買って帰り、家に取り付けたが、もちろん水は出なかった」
こんな笑い話も、間に挟まれています。
日本に近いけど、知らないことだらけで、「へぇ~、そうだったんだ」の連続です。
歴史の授業や、ニュースだけでは分からない中国・香港・台湾事情を知りたい方におすすめです。
コンビニ人間(村田 沙耶香)
2016年に出版された小説で、著者は村田沙耶香さん。
ちょっと変わり者の主人公(恵子)は、1度も就職をせずに、ずっとコンビニでアルバイトをしています。
アルバイト歴はなんと18年になり、超大ベテラン。
コンビニでの仕事を円滑にまわすために、私生活も調整するほどです。
そんなある日、新しいアルバイトとして、男性(白羽)が職場に加わり、事態は思わぬ方向へ進んで行く。というストーリーです。
「これ、実話なんじゃないの?」って思うくらい、世間とズレている人の感覚がズバッと表現されていて、面白いです。
主人公はアスペルガー症候群なのかな?
僕も主人公と近い傾向があるので、共感できる部分が多かったです。
むしろ登場人物の男性(白羽)の言動の方が、僕には理解できない。
職場の人間関係や、世間体について、とても考えさせられる1冊です。
蛭子の論語 自由に生きるためのヒント(蛭子 能収)
孔子が残した言葉や考え方を、生き方のヒントとしてまとめた「論語」。
それを読んで、漫画家・タレントのえびすさん的にはどう感じたかがまとめられた本です。
僕は他の本で論語を読んだことはあったものの、むずかしくてあまり理解できませんでした。
ですが、この本はめちゃくちゃわかりやすいです。
そして、孔子とは違った、えびすさんならではの考え方も面白い。
「論語に興味はあるけど、むずかしそうだな」と、感じる方におすすめしたいです。
火車(宮部 みゆき)
1992年に出版されたミステリー小説で、著者は宮部みゆきさん。
主人公(休職中の刑事)は、親戚の婚約者の女性を、探して欲しいと依頼されます。
その彼女は、ある日とつぜん行方不明になったとのこと。
捜査してみるものの、まったく足取りがつかめません。
手がかりが少なすぎる中、はたして見つられるのかどうか?というストーリーです。
なぜ突然姿を消したのか?
なぜ彼女につながる情報すらも、徹底的に消さなければならないのか?
その理由が知りたくて、どんどん先を読み進めてしまいます。
めっちゃ面白いです。
平野啓一郎さんの映画化された小説『ある男』が好きな方は、ドンピシャで好きになると思います。
正欲(朝井 リョウ)
2021年に出版された小説で、著者は朝井リョウさん。
ある日、特殊性癖をもつ寝具店の店員(なつき)は、YouTube動画のコメント欄から、同じ特殊性癖をもつ人の書き込みを発見します。
そのコメントを書き込んだのは、「自分と同じ特殊性癖を持つ中学の同級生」に違いないと、なつきは確信します。
そこに、ちょうど中学の同窓会が開催されることになり、なつきは同じ特殊性癖を持つ相手に、コメントの書き込みを問いただすのですが、意外にも...というストーリーです。
固定された主人公がいない作品で、一般的に理解されない特殊な性癖、たとえば
・涙フェチ
・水フェチ
・丸のみフェチ
などを抱える人物、それぞれの視点で描かれています。
世間で多様性をさけばれば、さけばれるほど、自分が特殊であることを自覚させられてしまう。
「そういうのに興奮する人いるよね」と認識されている性欲ならまだしも、周囲にまったく理解されない性欲を抱える人の、苦悩が身にしみる物語でした。
色んな視点を通して、最後はひとつの事件に集約されていくのがすごいです。
人生を好転させる掃除道(枡野 俊明)
掃除を通して禅の教えを学び、生活を快適にするための本です。
以前の僕は、休みの日にいっきにまとめて部屋掃除をしていました。
ですが、本書を読んでから、毎朝の掃除を継続できています。
おそらく、継続できた理由は、以前の「汚れたら掃除する」という前提を、
・今日一日をスッキリさせるために
・汚れている・汚れていないは関係ない
の意識に、うまく切り替えられたのだと思います。
日課に掃除を取り入れたいけど継続できなかった人に、おすすめな1冊です。
(ドラマ)クロサギ
![](https://assets.st-note.com/img/1716775960017-A2xKbri3sn.png?width=1200)
2022年10月から12月まで、金曜TBS系で放送されたドラマです。
『週刊ヤングサンデー』で連載されていた漫画で、原作は夏原武さん。
父親が起業セミナー詐欺でだまされて、主人公(演:平野紫耀)は家族を失ってしまう。
復讐のため、自ら詐欺師となり、詐欺グループからお金をだまし取っていきます。
はたして主人公は、父親をだました詐欺グループへたどり着き、かたき討ちをできるのか?
というストーリーです。
詐欺師を詐欺にかけるその手口が、毎回、めちゃくちゃおもしろいです。
他にも、
・主人公と、主人公のかたきとの人間関係
・ライバル詐欺師との友情
・ヒロインの女性(演:黒島結菜)との恋のゆくえ
などなど、おもしろ要素がテンコ盛りです。
主人公は詐欺師ですが、悪者からしかお金をとらないのでスカッとするし、応援したくもなります。
同じく、金持ちの悪党をこらしめる
・大岡越前
・ルパン
・快傑ゾロ
が好きな方に、おすすめの作品です。
(映画)名探偵コナン ハロウィンの花嫁
![](https://assets.st-note.com/img/1716776182307-qwAekSUmih.png?width=1200)
2022年に公開された、劇場版『名探偵コナン』シリーズの25作目です。
ある日、公安警察の安室は、脱獄した爆弾犯を追っていたが、とり逃してしまう。
ちょうどその頃、ハロウィンの日に結婚式を予定している元刑事のもとに、脅迫状が届きます。
結婚式の警備訓練に同行していた小五郎とコナンたちも、事件にまきこまれ。というストーリーです。
「えっ? 最近のアニメってこんなかっこいい映像なの?」
とおどろくほど、渋谷を舞台にした世界が、斬新でかっこよく描かれています。
そして、思った以上に銃撃戦もハード。
もはや安室がスーパーマンに感じる作品でした。
以上、最後までご覧いただき、ありがとうございます。
「同じ作品を見たよ」などあれば、ぜひ感想を教えて下さい。