2024年9月の読書・鑑賞ログ
2024年9月の読書・鑑賞ログ
2024年9月に読んだ本や観た作品で、印象的だったものを記録します。
十角館の殺人(綾辻行人)
1987年に出版されたミステリー小説です。
舞台は1986年、大分県の無人島にある館。
そこを、ミステリー研究部の大学生7人が訪れます。
半年前にその館では、奇妙な殺人事件が起きたため、話題の館に1週間合宿できることになった7人は興味新進。
しかし、合宿気分もつかの間。
7人は恐ろしい殺人事件へと巻き込まれていく、というストーリーです。
読んだ感想をひと言で表すと、「してやられた」
思いっきり、作者のトリックにひっかかりました。
爽快に。
最初を読み返したくなってしまう最後の終わり方も、また良いです。
漫画版や実写ドラマ版(Huluにて)があるようですが、このトリックをどうやって漫画やドラマで再現するのか謎すぎます。
アガサ・クリスティの『そして誰もいなくなった』や、東野圭吾の『ある閉ざされた雪の山荘で』が好きな方に、超絶おすすめです。
(漫画)ペルソナ5 (漫画:村崎久都、原作:アトラス)
2017年に発売された漫画(全13巻)で、原作はプレステ4用のゲームです。
(ゲームは2016年発売)
ある日、怪盗団のリーダーである少年(主人公)は、警察に逮捕されてしまいました。
主人公は、検察の取り調べを受けつつ、怪盗団の過去の活動を思い出していくところから、物語は始まります。
そもそも怪盗団を結成したきっかけは、「人の深層心理の世界」に入り「歪んだ欲望を盗む」という能力を得たからです。
この能力を使って、主人公は同級生の友達とともに、セクハラ体育教師の心の世界に入り、欲望まみれの体育教師の心を改心させることに成功。
歪んだ心を盗み、悪人を改心させる活動は、学校以外にも活動範囲が広まり、「心の怪盗団」として世間でも評判に。
しかし、ある事件で警察に逮捕されてしまった。
銀行やお店に侵入して、お金や物を盗むわけでもなく、心を盗む彼らが、どうして逮捕されてしまったのでしょうか?
そして警察に逮捕されている状況から、主人公は解放されるのでしょうか?
僕はゲームでストーリーを知っていたのですが、久しぶりに思い出した内容もあって、めちゃくちゃ楽しめました。
キャラクターもそれぞれ個性的で良いし、絵もすごく綺麗!
「こっそり世直しする系」の物語や、漫画『クロサギ』が好きな方におすすめの作品です。
「ひとりが好きな人」の上手な生き方(ティボ・ムリス)
著者はエストニア在住のビジネスコーチ。
「ひとりで過ごすのが好きな、内向的な性格」の方が、人生をより良くする方法が書かれている本です。
世の中にある「内向的な人に向けられた本」の多くは、「内向的な性格を克服して、外向的な振る舞いをするためには?」がテーマとなっています。
しかし、本書の場合は正反対で、外交的な振る舞いは一切必要無し。
内向的な性格を才能として活かし、内向的な性格だからこそのやり方で、社会に貢献していこうよ!という本です。
僕は口数が少なく、ひとりで過ごすのが好きな内向的な性格です。
そんな内向的な性格を、僕は短所だと思っていました。
ですが本書を読むと、内向的な性格は短所ではなく、「外向的な人と、ただやり方が違うだけ」と思えるようになりました。
たとえば、頭を整理するとき、
・内向的な人は、黙って考えることで頭の中を整理する
・外向的な人は、話して言葉に出すことで頭の中を整理する
エネルギーを補給するとき、
・内向的な人は、1人で静かにすることでエネルギーが補給される
・外向的な人は、何人かでワイワイすることでエネルギーが補給される
良いも悪いもなく、ただ単純にやり方が違うだけなのです。
外向的な人にとっては、さびしいと感じるひとりきりの状況でも、内向的な僕は平気。
むしろ、ひとりだからこそ楽しめる方法を持っています。
このように、内向的であることを短所・恥ずかしいと感じることが少なくなるので、「自分が内向的だ」と感じている方には、ぜひおすすめしたい本です。
ちなみに、本書『「ひとりが好きな人」の上手な生き方』はKindleアンリミテッドで無料で読めますよ。
ユダヤ人大富豪の教え(本田 健)
2006年に発行された、大富豪のお金に対する考え方を学べる本です。
著者は、今まで多くの成功者を育ててきた「お金の専門家」。
実在する大富豪と筆者の会話形式で物語は進み、とても読みやすいです。
「不自由な人ほどスケジュールを埋めて、めんどくさい自分を変革させるための時間を避けている」との指摘に、まさに自分のことだと感じました。
自由になるために、自分を見つめ直していくのは、たしかにめんどくさい。
でもこれに向き合わないことには、いっこうに不自由のままです。
「めんどくさいけれど、自分の改革させる取り組みにマジメに向き合っていかねば」と、やる気が貰えました。
とはいえ、来年になったら忘れていそうですが...
あと、本書を読むと、スピーチ力を鍛える意欲もすごく湧いてきます。
新たな目標を立てたいときなど、おすすめの本です。
老人ホテル(原田 ひ香)
2022年に発行された小説で、著者は原田ひ香さん。
生活保護を受けている親の元で育った主人公は、キャバクラで働いていました。
そのキャバクラのオーナーである老婆は、プロの投資家。
主人公はその老婆に、お金の面で助けられたこともあり、また助けてもらいたくて、老婆の住んでいるビジネスホテルを突きとめます。
そして、そのホテルの清掃員となり、老婆に近づきます。
主人公は、あからさまにお金目当ての行動です。
はたして、老婆から資産を作る方法を教えてもらえるのでしょうか...といったストーリーです。
本書を読んで、自分は親に恵まれて育ったんだと強く感じました。
それくらい、主人公の親には胸ぐらをかきむしりたくなる、はがゆい思いを感じます。
「節約系の物語」や、角田光代さんの『紙の月』が好きな方におすすめの物語です。
無意識に相手の心を動かすストーリーテリング(城 智英)
小説や映画のような長いストーリーを組み立てるのではなく、会社紹介や商品紹介で使える短いエピソードを作る手法が学べる本です。
著者は、オンライン講座を売るのが得意なWebマーケターさん。
以前、ベストセラーの「物語の作り方本」を読んだのですが、事例のボリュームが満載の割には、結局どのようにストーリーを組み立てればいいのかは、把握できず。
いっぽう、本書は短い内容ながら、ポイントが分かりやすく「これならすぐ自分もストーリーを構築できそう!」と感じられました。
ストーリーを作らないにしても、「人に何かを伝える」のにめちゃくちゃ役立つ内容でしたので、おすすめです。
ちなみに本書『無意識に相手の心を動かすストーリーテリング』はKindleアンリミテッドで無料で読めますよ。
幸せの本質(Honami)
「心から幸せに生きる人」を分析して分かった、幸せな人生を組み立てる手順が学べる本です。
著者は「潜在意識の実践家」で、2023年に発行された本です。
僕は理数系で、しかも石頭なこともあり、スピリチュアルな内容は興味が湧きません。
本書も「スピリチュアルな内容なのかも?」と、読む前にちょっと不安になりました。
ですが、びっくり。
食材選びや体調を整えることを幸せの土台に、ページの多くを使っています。
・シーツはなるべく毎日洗う
・パジャマも毎日取り替える
・安いからといって、添加物が多い食品ばかりを買わない
など、生活習慣の見直しをする、良いきっかけになりました。
また、本書を読んで、「部屋も掃除してキレイに片付けなきゃ」と、なぜか掃除意欲も湧きました。
なので、「健やかな健康生活を求めている方」や、「日々の生活習慣を改善したい方」におすすめな1冊です。
以上、最後までご覧いただき、ありがとうございます。
「同じ作品を見たよ」などあれば、ぜひ感想を教えて下さい。