見出し画像

『私ときどきレッサーパンダ』の感想

ディズニー最新作、「なんて題名なんだ!」って完全なるコメディかと思っていたのだけど、話の内容的には深いものを感じた。今までのディズニーとはまたちょっと違って、最近のディズニー作品は面白いなあ。そして本当にレッサーパンダになっていた(笑)

今回のテーマは、「“自分らしさは、ひとつじゃない”――どんな自分も好きになれる、“じぶん解放”エンターテイメント!」と謳われていたのだけど、私には、母娘の話に思えた。母からの呪縛、というか親の世界から、友達の世界へ、そして私らしさへ。

13歳の女の子、メイメイ。ずっと”いい子ちゃん”でいようと努力して、親の言う通りにしていたのが、少しずつ反抗を初めて「どんな私も私だ!」と受け入れていく。大人に一歩近づく感じがエモい。単純にレッサーパンダになったメイメイが可愛いから子どもウケがよさそうな映画だけど、特に中学生くらいの子は感情移入できるだろうなあ。大人が見ても、共感できて懐かしさがある。

私が特に感じた部分が、母親と娘の関係。娘である主人公はいつもいい子でいようと努力をしていたし、母親の顔色を伺って気を使ってきた。この感じ、わたしのママもヒステリック気味だったから本当に本当によくわかる。(それを乗り越えたのも確かに中学生くらいだったかも)

年頃らしく男の子に夢見て、大好きなアイドルグループがいて、友達とたくさん遊びたい。その気持ちを抑えて母と接していたのだけど、ある日ついに感情が爆発!レッサーパンダになってしまう。

それを救ってくれるのが友達たちで、その友情に涙腺弱いおばちゃんのわたしは泣いてしまった。いい子たち…。たしかに、親の世界から友達にシフトしていくのって、それこそ中学生くらいだよね。

そのちょっとモンスターペアレンツ気味の母親は、過剰に娘に接していて、反抗してくる娘に怒る。その根源が、「私は母の言う通りにしてきたのに!」というところ。結局、その母もおばあちゃんに同じような教育を受けてきたのだ。歴史は繰り返すと言うか、なんというか。でもありがちなことなんだろう。

前回の『ミラベルと魔法だらけの家』もそうだったけれど、この家庭内のちょっとしたすれ違いが最近のディズニーのトレンドなのだろうか。母と娘、家族。その美しさと温かさと、人間くささと葛藤と。今回もいい作品でした。

わたしは今回、母と娘でちょっと感情移入をしてしまったけれど、メイメイに焦点をあてると「いろんなわたしもわたし!」っていうパワフルさを感じる良作でした。


この記事が参加している募集

気持ちが嬉しいです!ゆるゆるスローライフを楽しんでいきましょう♡