ダイバーシティを知ってるリーダー、部下の満足度が高い? note714日目
NTTデータ経営研究所が「Diversity, Equity and Inclusion(DE&I)に関する実態調査」を実施し、組織やリーダーがダイバーシティなどの認知度が高い場合、その組織やリーダーの満足度が高いという結果を公表しました。
対象は、就業中の20歳代~60歳代の男女1,204名。
男性853名、女性346名、その他5名と男性が70%となっています。
以下の図をみると、ダイバーシティという言葉を「全く知らない」から「非常に良く知っている」まで、段階的に、エンゲージメントスコアが高くなっていることがわかります。
しかもそれが、ダイバーシティより一般的に認知度が低いと思われるインクルージョンだと、ダイバーシティでMAX0.03だったエンゲージメントスコアが、0.04になっています。
ダイバーシティをよく理解しているリーダーだから満足度が高い、と因果関係とまでは言えないかもしれないですが、少なくとも相関関係は見られるわけです。
ダイバーシティ教育をやる意義がますます高まったと言えます。
また、この調査によると、ダイバーシティは1,204名中634名、52%が「知っている」という回答でしたが、アンコンシャスバイアス、Equity(エクイティ、公正性) とEquality(イコーリティ、平等)の違いなどは、約半数が「全く知らない」という回答であることもわかりました。
アンコンシャスバイアスは、「無意識の思い込み、偏見」のこと。
バイアス(偏り)を自覚し、修正をかけるためには、「偏っている」とまず気づくことが大事です。
イコーリティは数式のイコールのように、まったく平等に扱うこと。
その人の収入にかかわらず、一律に同じ額の給付金を出すなどは、イコーリティです。
一方、収入が高い人には給付金はなしで、収入が低い人には手厚く出すのが、「公正」、エクイティです。
この図がその違いをわかりやすく示していることで有名です。
ひとりひとりの特徴はさておき同じものを用意するのがイコーリティ。
ひとりひとりに応じた必要なもの(野球の試合が見られるようにするもの)を用意するのがエクイティ。
というわけです。
ですが、英語では、同じラテン語aequus(同じ高さ)とゆかりがあるため、綴りも近く、見た目に引っ張られて違いがわかりにくいのが実情です。
公正と平等であれば、漢字が違うこともあり、日本語話者ならば少なくとも何か違うという感覚があるもの。
それにこの図があれば鬼に金棒です。
もちろん、翻訳は必ずしもニュアンスのすべてまでは一致しません。
しっかり議論するためには、専門用語を使うことが大事でしょう。
ですが、社員満足度を上げるため、組織のダイバーシティ関連知識の認知度を上げるためには、まずは日本語からでもいいのではないでしょうか?
イコーリティはイコールだから平等、そうでないエクイティのほうが公正。
まずはそこからでも認知度があがるといいなと思います。