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英語ネイティブ並みの発音、流暢さを獲得するには

「アメリカで仕事をするには、どれくらいの英語力が必要?」
これは、日本の友人にたまに聞かれる質問だが、ネイティブ並みである必要はないし、ほとんどの場合、ビジネスレベルでいけると思う。もちろん仕事の内容にもよるし、ナレーターとか通訳者とか言葉そのものが仕事という場合は別だ。でも日本人がアメリカで働くという場合は技術的かオペレーション的な仕事、営業か、カスタマーサービスあたりが多いのではないだろうか。(私もその1人である。)

ではアメリカで通用するビジネスレベルの英語ってどの程度の英語力なのだろうか?それについては、福原たまねぎさんがわかりやすい記事を書いておられた。

私はこの記事を読んで、GAFAMのような最先端企業ですら英語はネイティブ並みである必要はないと知ってほっとした。そして先端のグローバル企業であるからこそ、多様性も受け入れ多国籍の人材が活躍できるのだとも感じた。

やはり、コミュニケーションは何を話すかという中身が重要であって、アメリカで仕事をするのに必ずしも完璧なアメリカ英語を話す必要はないのだ。どんな付加価値を提供できるかが重要なのだ。

発音に関しては、日本人とわかるアクセントを残した方が状況によっては有利に使えるという説もあるのだが、それでもネイティブ並みの英語発音が必要とか目指したい、という方もおられると思う。それに英語ネイティブのようにも話せ、日本人アクセントに意識して切り替えもできたり、と両方できたらなんだか楽しそうですよね?

というわけで、私のこの記事では、私の経験から得た、お役立にちそうな情報をご紹介したい。当記事は、ビジネス英語レベルの英語力は前提で、流暢さや発音の良さをレベルアップしたいという方にお役に立てるのでは、と考えている。

私が個人的に特に効果があったと感じた方法は以下のものだ。


私は、「ネイティブ並みではないが、仕事ではなんとかなる」という英語レベルでアメリカのマーケティング会社で7年ほど働いてきた。この間、発音や流暢さをアップグレードさせたくて色々試行錯誤で実践してきた。

上達を実感できない日々が続いていたが、先日、初対面のアメリカ人としゃべっていたら、なんとアメリカ出身者と間違えられた。 最初、その人が冗談で言っていて、私をからかっているのかな?と思ったのだが、確認したら、まじめに言っているとのことだった。なんだかめちゃ嬉しかった。それで、自分の発音を含めた英語力が上がった可能性があると判断して、この記事を書こうと思ったのだ。

1. アメリカ英語のフォニックスを学ぶ


フォニックスとは、英語の文字と音を結びつけて正しく読むことができるようになるための学習法である。日本人はアルファベットをついローマ字読みしてしまいがちだが、ローマ字読みではない正しい方法を体系的に学び、また日本語にない音を発音できるようにするというもの。私はいろんな方法を試した中で、以下の2つの教材を使って効果を感じた。

1- a.  オバケの英語

ニューヨークの英語教師と日本人小説家が編み出した、英会話上達法。どうしたらその発音になるのかを今までに聞いたことがなかった方法で説明してくれる本。英語の発音は空気の流れが重要で、その気流をどうやって作るかをユニークな形で表現している。トレーニングにはゴマとかプチトマトなどを使う(笑)  「フォニックス」とは銘打っていないが、コンセプトはフォニックスだと思う。

この本、今は絶版になっていて中古のみの扱いのようだが、一応リンクを貼っておく。

1-b.  Perry英語

スコット・ペリー(Scott Perry)さんという先生による Perry 英語という教材があって、私は Boot Camp 100 Days というトレーニングに参加した。基本、1日 10分〜15分程度の動画を見ながら、顔の筋トレ、腹式呼吸をメニューにしたがって毎日行うというもの。

トレーニングを開始する前にレベルチェックがあり、スクリプトを音読したものを先生が聞いてレベル診断とアドバイスがもらえる。 100日コースを終えたところで再度レベル診断してもらい上達の度合いを確認する。 https://www.scottperryacademy.com/levelcheck 

Scott Perry さんの英語発音レベル診断基準

ちなみに私は、トレーニングを始める前のレベルが 3で、100日後、レベル1と 2の中間という診断だった。アメリカ人スピーカーと全く同じところまでは行っていないが、そこまでもう少し、というところまでは上達したようだった。

スコット先生は言語学者で、日本人の英語発音の問題点を熟知しており、 L と R の発音の違いや、TH の発音など、日本人にありがちな発音の悩みを解消するのがうまい。私も先生から「舌を巻かない R」「舌を噛まない TH」などのやり方を学んで、苦手だった発音を矯正し、以前より自然な形で発音できるようになった(と思う)。

実を言うと、アメリカ人のスコット先生の日本語での説明がわかりにくい部分もあったのだが、私はわかりにくい部分は、勝手に前述した「オバケの英語」の本で補完した。

2. 英語のリズムを理解する

日本語にもリズムがあるように、英語にもリズムがある。リズムを身につけると自分でも喋りやすいし、相手も聞きやすい。 読書、動画を利用する。

2-a. 読書

読書でリズムを身につけると聞いて意外に思われるかもしれないが、良い文章にはリズムがあって、英語の本の多読でノリを身につけると英語を喋るにも書くのも断然ラクになると思う。おすすめの本はいずれ別の記事で紹介したいが、ここでとっつきやすい方法をご紹介すると、日本語ですでに読んだ良書の英訳版を読むことが一つ。私は村上春樹さんの小説やエッセイが好きで、英語の翻訳版もすごくいいなと思う。あと、アメリカで近年ベストセラーになっている本。ベストセラー本は大衆に読まれているだけあって専門書より読みやすいし、時代のリズムのようなものを学べる気がする。

どうもリズムが自分に合わないとか、なんだか自分は流れに乗れない、という本もあるかもしれない。でも自分にしっくりくる流れの本を見つけて、その流れに乗って英語の読書に浸りきった時、私たちの英語のレベルはランクアップする、・・・と私は感じている。

2-b.  動画

先に出てきた Perry英語の先生にすすめられが方法で、自分と性別が同じで年齢が近い好きな著名人、俳優さんを選んで、その人のインタビュー動画を見ながらしゃべりをマネてコピーする。

音やリズムだけでなく、口の動きを含めた表情も含めて。そこまで同化したくないという意見もあるかもしれないけど、好感を持っている人ならやりやすいと思う。

2-c. アメリカ人と話す

会社同僚、友達、パートナーなどと会話のキャッチボールをすることで、アメリカ英語のリズム感が体感覚を通して培われる

書くと、当たり前のことのようだが・・・。
実際に会話をするのは、やはり読書や動画とはちょっと違う。アメリカ人と話していると、案外彼らが文法を間違えて使っていたり、テキトーにしゃべっている部分に気づいたりする。自分が時々ネイティブの英語が理解できないのは、自分のせいだけじゃないと思える。お互い完璧ではない中で、うまくリズムやその他の要素、つまり言葉の選び方やユーモアや表情なんかのやり取りを合わせていくのがコミュニケーションというものでないだろうか。

3. 英語イディオムを覚えて日常会話に使う

面白いと思った言い回しを見つけたらメモしておき、電話会議や日常会話で使用する。同じような意味の表現でもストレートな英語の代わりにイディオムを使うと、場が和んだり、こなれた感じがする。これはなんとなくネイティブスピーカーっぽい雰囲気を作る方法の一つだと思う。 私は スコット先生が主催するZoomでのイディオムクラスに参加して、ちょっとやんちゃな英語イディオムを学んだ。

まとめ

英語ネイティブのようにも話せ、日本人っぽい英語も両方できたら良いな・・・と以前思っていたが、上記方法法で英語にどっぷり浸って時間が経つと、意識して日本人らしい発音に戻そうとしても、もはや元には戻れないことに気づいた。言うなれば、自転車に乗れるようになると、自転車に乗れない状態には戻りようがないような感じと似ているかもしれない。
最初の方に書いたように、アメリカで暮らし、仕事するために、ネイティブ並みの発音、流暢さは必要不可欠ではない、と思う。

逆に、ネイティブ並みの発音、流暢さが備わったらコミュニケーションは全て円滑にいくかというと、全然そうでもない。私の場合は、アメリカ人と笑いのツボが違ったり、文化の違いでつまずいたりすることもある。

まだまだ知らない表現や単語にぶつかることもある。私の場合は北米の企業で働いていて仕事は全部英語、配偶者もアメリカ人なので家での会話も英語。それなのに、である。もういい加減悲しくなる。

でもこういうのって、この国で生まれ育っていない限り、何年経ってもずっと続くのかもしれない。

それでも、TH や R の発音が以前より自信を持って自然にできるようになったり、英語のリズム感を理解できるようになったことで、以前より話したり聞いたりするのがラクになったと感じるし、会話するのが楽しくなった

自分の言いたい事を伝えようとする部分だけでなく、相手を理解しようとすることにもっとエネルギーを配分できるようにもなった気がする。

ラクになった分の心の余裕を、相手の理解を深めることや、自分の好きな事、楽しいこと、付加価値の提供に使えたら、とっても素敵だと思いませんか?



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Maya
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