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勇者ノベリットの冒険(抜粋版5)
「やれやれ、やっと来たのね。遅かったじゃない」
そして老婆はそう呟いた。
ノベリットは一度頷くと、
「すまない、ヴァンダール。途(みち)が分からなかった。つい先程までは」
と老婆に告げ、軽く頭を下げた。
その様子に老婆――ヴァンダール――はふふっと口元を歪めて微笑んだ。
「まあ、仕方ない。『夢に届くのはそれを信じる者のみ』だからねえ。でも、大したもんだ」
「何がだ」
「あんたは『自分の夢』
ゼペットじいさん(未完)
1
約半年にわたった戦いを終えて、以来僕は心から脱力し、ほとんどここで座り込んでいる。
手にしたモノとはカネと、それに伴う自由と、『無気力感』だ。
ああ、ついでに『ひきこもりになる権利』をそれに加えても良い。
この裁判を経て僕に与えられたモノは正当な権利だったと思う。
僕は会社のために粉骨砕身働き、利益を上げ、求めには誠実に応じてきた。
だからこそ僕が作り上げてきたソフトウェアには正当な対価