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線のたび(4)

空がどんなふうか?
これから向かおうとしている
天の子は、ちょっぴり、怖かった。

宙の子は言った。
「みんな、"空"って言うけどさ、
もっともっと、ずぅ〜っと遠くて
高くて、広くてさ、"宙"って言うんだ。」

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「あら! "空" じゃないのね?
…で、そこは、どんな色なのかしら。」


「そうだなぁ、何色って言うのかな。
赤かな、いや、黒だったり、紫だったり、
たまにはそう、白かったりもするしね。

君が居たところと同じ碧色かどうかは
まだ分からないけれどさ、他にもね、
いろいろあってさ、賑やかだよ。」

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天の子は、ホッとした。
ほんの少しだけ。

「ふぅん…じゃあ、
貴方みたいな元気で楽しそうな子ばかりたくさん居そうねぇ?」

「アハハ…そうだな、うん。
でも、どうだろう。
行ってみてからのお楽しみ!だね。」

「そうねぇ、ちょっとドキドキするけど、
でも、楽しみになってきたわ!
教えてくれて、ありがとう。」

「ボクも、ワクワクしてきたよ!
あんまり、たくさん、いろいろ君から
先に話を聞いてしまったら、楽しみが
少なくなっちゃいそうだから…
この辺でやめておくよ。」

「そうね。私もだわ!
 途中で貴方に会えて良かった。」


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