1月読了本

2022年は本を読む一年にしよう、と思ったのは
読書管理のアプリをここ数年開いていないことに気が付いたからでした。

読んだことや感じたことや文章の美しさについて、それと
曲がりなりにも読書が好きだと感じた日々を思い出したい。
仕事や家事でなかなか疎遠になっていた趣味を再開しようと思いました。

目標としては、ひと月に三冊。
感想とまではいきませんが、備忘録として記載します。

一冊目:ブラフマンの埋葬(講談社文庫・小川洋子)
どうしてもブランクがあると分厚い小説は手に取り難く、以前からチェックしていたのもあり、本書が今年の一冊目となりました。
"ブラフマン"についてあれやこれやと想像しながら、<創作者の家>に思いを馳せる。解説にもあるように、やはり南仏を思い浮かべ、その風の心地よさ、ふいに忍び寄る不穏感が印象に残りました。

二冊目:影に対して(新潮社・遠藤周作)
完成していながら未発表の原稿だったそうです。
手に取ったきっかけは、カバー装画がデンマークの画家、ヴィルヘルム・ハマスホイの絵画であったこと。
開け放された扉、部屋の描き方。女性の後ろ姿。北欧の光。
母という存在に対する回顧。ごく個人的な体験が元になっているのか、リアリティがありあっという間に読み終わってしまいました。

三冊目:見知らぬ人(創元推理文庫・エリー・グリフィス)
海外ミステリーを読もう。と思ったはいいものの、何を読めばよいか分からない。そんなときに読書管理サイトのお勧めで目にかけたのがこちらでした。近くの書店でも平積みされているし、きっと面白いに違いない。
著者の邦訳は本書が初とのことで、久々のミステリーということもあり期待値マシマシで臨みました。
序盤はブランクのせいか、始まってしまった仕事のせいかなかなか読み進められず苦戦。中盤からはあっという間で、徐々に謎が解明されていくこの感じ…!懐かしい、とページをめくる手が止まらない状態に。
ミステリー作家の旧邸宅という古典的なイメージの要素と、今この現代に生きている若者の傾向や人間の狂気、それを文中で融合させているというところに驚きました。
また、作中でテニスンのマリアナが登場していたことも本書を好きになる一因に。自然とラファエル前派のミレイの絵を思い出しました。芸術の掛け合わせというものにずっと魅力を感じています。

ここまで読んでくださってありがとうございます。
稚拙な文章であることがなんとも惜しい。

トップの画像は、《糸杉のある麦畑》(フィンセント・ファン・ゴッホ・メトロポリタン美術館所蔵)を使用させていただきました。

2月も素敵な本に出会えるといいなと思います。
皆様も、どうぞ良い週末をお過ごしください。

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