ハズレを引いた尊き娘
注意!
この記事には差別的な内容が含まれています
「プレシャス」という何もかも救いのない内容なアメリカの映画。
主人公のクレアリース・プレシャス・ジョーンズはNYのハーレムで口の悪い母親と生活している肥満体で黒人の16歳。
プレシャスは母の恋人から性的虐待を受けていてダウン症の娘がいる。
この私の独断と偏見で日本に置き換えると
「ドヤ街生まれで在日外国人の母と暮らしている美來(みらい)16歳。同じ公立中学(荒れている)の元彼が父親である娘の空ちゃんには障害がある。」
貧困層の子供は前向きな意味合いのキラキラネームが多い傾向があるらしい。
個人的な感覚だが「空」という名前は水子、夭折、空っぽで何もない…等縁起があまり良くない感じに受け取ってしまう。
プレシャスは日本の作家で例えれば癌になる前の内田春菊が持つ「性の不幸」と高須院長からファンレターを貰うまでの西原理恵子が持つ「生の不幸」両方を持ち合わせているから尚更不憫だ。
街も人も劣悪なハーレムで生まれ育った事自体がプレシャスを不幸に陥れている。
不幸さから自分の心を守る防衛反応からかプレシャスは「肌の色が薄くて髪が綺麗な彼氏が欲しい」「モデルになって雑誌やプロモーションビデオに出たい」と前向きだけれど絶対ありえない将来の夢を持っている。
もちろんプレシャスの母は「デカ尻は誰も見ない」と心を折るようにプレシャスを罵る。
普通の母親だったら「夢を叶えたいなら頑張ろうね」と我が子の希望を後押しする言葉をかけるだろうに…
なんとか負のスパイラルから逃げようと中間施設(日本でいうフリースクールに相当)で勉学に励んだ事を褒められて市長からトロフィーを貰い、先生や友達がパーティをしてくれたりと束の間の楽しみを喜ぶプレシャス。
しかし彼女はまた絶望してしまう。
プレシャスに性的虐待をしていた母の恋人がエイズで死んだ。
そして、プレシャス自身も病院でHIV陽性の診断を受けてしまう。
それでも自分の意思で福祉手当の為に搾取してきたクズな母と決別し、2人の子供を抱えつつプレシャスは自分のこれからの為に前へ進んでいった…
というお話。
この後プレシャスはちゃんと学校へ行ったり、エイズの治療費や子供たちの為に働けるのだろうか。
心無い人々からひどい仕打ちを受けてしまいそうだ。
私はどうしてもプレシャスが幸せを掴む未来像を考えられない。
「大切なもの」「尊い」の意味を持つ彼女の名前はあまりにも皮肉すぎる…
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