【推しの子】第2期OP主題歌「ファタール」は「アイドル」に負けない
「アイドル」の次は荷が重いし、どんな楽曲が来ても期待を上回ることはないんじゃないか。心の奥底に生まれていた「過度な期待はよそう」という気持ち。
だが、杞憂だった。『【推しの子】』は大砲に次ぐ大砲を用意してくれていた!!
『【推しの子】』第2期のOP主題歌である「ファタール」。先行配信が始まってから延々と聴いた感想を書いていく。
アイへの嘘偽りないクソデカ感情
「ファタール」は、アクアが抱いているアイへのクソデカ感情をぶちまけた楽曲だ。
サビで何度も出てくる「あなたがいないと生きていけない」がそれを物語っている。重すぎる歌詞なんよ。
実際はアイがいなくともアクアは“生きていけてしまっている”わけで、本当ならいっそあの時アイと共に死んでしまいたかった……とか考えているのかもしれないと想像すると胸が苦しい。
嘘で自らを偽り続けたアイとは違い、「ファタール」の歌詞はアクアが持つありのままの本心。
『【推しの子】』は嘘と真実の使い分けがとても巧みな作品だ。嘘があることで真実が輝く。そして、その逆もしかり。
光と闇、嘘と真実、「アイドル」と「ファタール」……。互いに引き立て合う対照的な関係に、私たちは妖しく魅了されている。
「ファタール」をつくり上げたビッグな面々
「ファタール」を歌っているGEMNについても触れなければならない。
GEMNは中島健人さんとキタニタツヤさんによるユニット。楽曲のアレンジはGigaさんが担当されている。
中島さんはアイドルグループを経験して俳優としても活躍されており、『【推しの子】』という作品だけでなく舞台がメインとなる第2期にぴったりだ。
キタニさんは『呪術廻戦』や『戦隊大失格』など、アニメ主題歌をバンバン務めている超売れっ子。この人が出てくるなら間違いないと思わせる安心感がある。
そして、個人的にGigaさんがつくる楽曲がとても好み。「ファタール」もズンズンした低音や盛り上がるパートが随所に散りばめられている。
ボーカルでいうと、中島さんの欲しがるような「あなただけ、あなただけ」や、儚げな「お願い、僕を見ていて、僕を見ていて」がすごく好き。ラストの「最愛のファタール」も色気があってカッコいい。
まさに“役者は揃った”という感じだ。どれをとっても最高なのだから。
今年の夏は「ファタール」で
『【推しの子】』の制作側は「第1期よりもっといい作品を」と思って主題歌についても頭を悩ませたに違いない。
しかし、十分すぎる話題性に加えて最高な楽曲をぶつけてきた。
今年の猛暑は「ファタール」で乗り切れそうな気がする。