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円滑なコミュニケーションに役立つ1冊
今井むつみさんの新著「『何回説明しても伝わらない』はなぜ起こるのか」を読みました。
新書大賞2024に輝いた中公新書「言語の本質」の著者のお一人でもある今井むつみさん。最近ではメディアに登場することも多く、飾らない人柄が魅力的で、すっかりファンになってしまいました。
SNSのオススメに、よく青い本が上がってくるなあと思っていたら、今井むつみさんの新著だったという…
ビジネス書だけあって読みやすく、とっつきやすい切り口で書かれているという印象です。認知科学や発達心理学に関心のある人ならば、既知のことも多いと思いますが、それを日常のコミュニケーションに落とし込んで説明されています。
身につまされたのは「それは誰のための報告か」という項に書かれている、報告が、何か問題が起こったときに上司のせいにするという逃げ道になっていないかという問いかけです。
自分が報告をする立場でも、される立場でも思い当たることがあるような。自らの責任で仕事をするということをあらためて考えていきたい。ちなみに、どんな報告の仕方がいいかを書いてくれていることも、親切です。
思考の枠組みが違うということを前提にした説明、仕事とプライベートについて、相手の成長を意識した関わりなど、なるほどと思うことばかり。
自分と向き合い、人との関係づくりに役立つ1冊です。
中公新書「言語の本質」について、私の書いた感想はこちら。よろしければ。