オカルトホラー映画「ヘレディタリー 継承」のネタバレ 考察
「よくみりゃブス」
芸人の有吉弘行が誰かにつけたあだ名。いまだと怒られそう。
一見問題ないように思えて、実は良くない事ってある。
例えば、千と千尋の神隠しの親とかなんかヤダ。
ドラゴンボールの悟空とチチも親としては微妙。
家族ってやたらと愛や絆って言葉と結び付けていいものの様に語られる。
この映画でも「お父さんはいい人なのにかわいそう」なんてレビューもちらほら見た。ホントにそうかな?そもそも家族ってそんなにいいものかな?
家族愛は無償の愛か
タダより高いものはないっていうし無償のつもりでも知らずに見返り求めてたりする。ギブアンドテイク、何かを得るには犠牲が必要。
この家族は悪魔召喚の生贄になった。
家族は犠牲の上に成り立っている。
後半、アニーはピーターを産みたくなかったと告白する。親になる事、なにより一族の呪いのような何かが遺伝する事が不安だった。でも母エレンに強制されて産む。エレンはアニーを犠牲にした。結婚後、ピーターを守るため不干渉ルールを作ハブにする。その罪悪感からチャーリーをエレンに与える。スティーブとアニーはチャーリーを犠牲にした。
この犠牲の連鎖は絶望的な結末を迎える。チャーリーを犠牲にしたことでこの一家を犠牲にした悪魔召喚が始まる。正確に言えばもっと前から始まってけど。
ここでピーターの授業が思い出してみる。
ヘラクレスは選択肢があれば悲劇性は高くなるか?っていうギリシャ神話を考察する授業。
最後は「高くなる。避けれない運命なら絶望的な仕組みの駒でしかない」
って言う生徒の意見で終わる。
これがこの映画の筋になってる。
アニーの兄も父もこの呪いから逃れようとして死ぬ。
兄チャールズの自殺で中断した召喚は娘チャーリーの誕生で再開する。
こうなる運命。この映画のすべてが伏線のように思える雰囲気は運命を連想させる。
ゲーム「SAIREN」のコピーにこんなのがある。
「どうあがいても絶望」
じゃあこの絶望的な仕組みって何?
家族って枠組み。
映画はツリーハウスから始まってミニチュアの家に移っていき、そのミニチュアから現実にフェードインしていく。
映画のフレーム内にミニチュアのフレームを感じさせる。家でのシーンは断面図の様な撮り方が何度も出てくる。
なにか人間より大きな者の操り人形にも思えるし、家族って言うモノが作り物のようにも思える。
ラストは一家を犠牲にして召喚された悪魔を中心にツリーハウス内では召喚者たちの新たな家族が形成される。
でもその歪な家族すらツリーハウスという小さな枠組みでの作り物だ。
スタッフロールはスタッフの一文字が赤く染まり、それが次のスタッフに継承されていく。
赤はもちろん血。血族。
継承されるのは家族っていう枠組み。家でもいいし、血縁でもいい。
家族とは良いモノであるという信仰。それが呪い。その呪いが人類に継承されていく。
備忘録
絵の具のビンがひとりでに倒れる。すで悪魔がいる。
チャーリーは早い段階で悪魔の存在を感じてる。
エレンの英才教育のおかげ。
ピーター、好きな子のSNSストーカーしてる。
アニーを心配するスタッフは仕事の事しか気にしてない。
アットホームな職場とか言うけど嘘ばっか。
ペイモンの紋章が実物とちょっと違う。怒られない用?
召喚したモノすら偽物?
精神疾患は遺伝か?精神を弱らせないと憑依できないみたいなこと言ってたし作為的。悪魔崇拝者のしわざ。それで自分を責めるアニーも病む。
アニーの夢遊病は無意識の反抗。
ピーターと心中しようとするのもそれ。
そもそもエレンも悪魔崇拝者に利用されてるだけ説ある?
ジェニーがリーダーで黒幕って妄想が捗る。
家族って呪いを信じる人々が利用し犠牲になっていくことの隠喩って妄想。