ずっ友映画「ロボット・ドリームズ」ネタバレ 考察
飼い犬に友達はいない。
犬の十戒に
「僕をずっと叱ったり、躾で閉じ込めたりしないで。
君には仕事も、趣味も、友達もいる。でも僕には君しかいないんだ」
ってお願いがある。
人類の最良の友と言われる犬が寂しさから友達ロボを買う。
この二人が孤独の対処法を教えてくれる。
劇画・オバQ
Q太郎が 大人に成長した友達と昔みたいに遊ぼうとするけど、みんな生活に追われて そうもいかないよって切ない話。
この映画も昔に戻ろうとする二人を現実が阻む。
「september」が流れる時は世界が輝いて見えた。
でも実際は殴られてるロボットがいたりして、そんなに素敵じゃない。
彼らが過ごした夏は一瞬で夢のような出来事だった。
相思相愛って夢物語
犬がロボットの到着を楽しみにしながら目を閉じた直後に、タイトルが映る。
「ROBOT DREAMS」
この友情は一時の夢。
これ以降、彼らが見る夢はバッドエンドばかり。
ロボットは犬には会えない。
犬がみるスノーマンの夢は、彼は君だけの友達じゃないって展開。
二人はもう一緒に過ごせない、代わりになる友達なんてできない。
再会を願う間にも様々な出会いと別れがある。
その出会いの多くに世知辛さを感じる。
辛い時に二人はお互いを思い出す。ロボットの思い出の中にオズの魔法使いがある。
「虹の彼方に」は歌わない。
オズの魔法使いはよくネタにされる。大体誰かが「虹の彼方に」を歌う。
ロボットのお気に入りなのに口笛で吹かれない。
理由は歌詞の内容じゃないかって思う。
「虹の彼方に、空が青く、見続けた夢以上の夢がかなう場所がきっとある」
って一節がある。
この映画の夢はかなわない。だから流せない。
オズの魔法が好きなのは、心を求めるブリキの木こりに共感してるから?
物語中で木こりが心を物理的に獲得する事はない。そもそも最初から心優しいから。
この映画のロボットも優しい。
そんな彼の好きな曲がseptemberでやっぱりこれも歌詞に意味があると思う。
心の中で手をつなごう。
septemberの歌詞の中に
My thoughts are with you. Holdin' hands with your heart to see you.
って箇所がある。
直訳だとピンとこない。
この歌は、12月にカップルが出会った9月を思い出して愛を再確認してるように聴こえる。
「あの金色に輝く夢の様な日々」と盛って語る。
この映画ではそれが終わった関係の様に使われる。
「終わった」とは言ったけど、
あの時の思い出は心に残ってるよ。ずっと覚えてるよ。って確認の歌だ。
「僕は君の心と共にいて、心の中で手を握り君を見つめるんだ」
こう訳すとラストのシーンと重なる。
この終わり方は切なすぎるけど、どう気持ちを落ち着けたらいいんだろう。
ペットセメタリーを読め!
犬はスティーブンキングのペットセメタリーを読む。
雑に言うと、死者を生き返らせたら怖い目にあったって話。
言い換えると「終わった関係は元には戻らない」だ。
冷蔵庫に貼られたロボット救出作戦のメモは現実の忙しさに埋もれていく。
助けに行っても徒労に終わる。
待ち続けるロボットは現実の残酷さに壊されて、
思い続ける犬は現実の薄情さに孤独を深める。
そんな世界でも素敵な出会いがまた会って、彼らは違う道を歩いていく。
映画のポスターで彼らの影は別の方向に歩いていく。でも二人を手をつないでいる。
このポスターは残酷で薄情な世界を生きる僕達にヒントをくれる。
みんな寂しく生きてる。
今僕達に、友達、恋人、家族がいようがいまいが、寂しく感じる日はある。
この映画は、かつての輝く日々を思い出しながらも、今の孤独とどう向き合うかを教えてくれた。
金色の思い出は色あせず心にあり続け、僕らを支えてくれるって事を。
備忘録
それぞれのキャラクターに背景が見え隠れして、
現実が厳しいのもしょうがないと思える。
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