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オープンでフラットって何なのか〜オープン編〜

はじめに

こんにちは、オプティマインド代表の松下健です。
前回は、「オープンでフラットな組織」の「フラット」について書きました。メンバーが互いの存在を認め合い、対等に議論することができるフラットな状態になるには、情報格差が最小化された、オープンな状態になっていることが必要です。今回は、その「オープンな状態」について考えました。

【今回のポイント】
・情報が閉ざされると心理的不安や権威主義を生んでしまう
・数字など表面的な情報だけでは心理的に不透明さが残るため、意思決定に至ったコンテクストまで開示することが大事
・すべての情報は、チーム、役職を超えたあらゆる関係性において双方向でオープンになっている必要がある
・「オープンでフラット」な状態とは現象としてだけでなく、心理的に「オープンでフラット」だと思えているか

閉された情報は、不安と権威主義を生む

「私だけこの情報を知らなかったのかな・・・」、「上司は何を考えて私にこれを指示したのだろう?」。このような心理的不安は、限られた情報しか与えられなかったときに起こりやすいものだと思います。また、知らないことがあると、人間は無意識的に不安を増殖させてしまい、良からぬネガティブな方向に思考が偏っていってしまいます。また、ある情報を持っている人が、持っていない人に比べて仕事を進めやすくなるなど、情報の有無は、仕事上の有利・不利を発生させる可能性も。情報格差があることで、「心理的不安」や「権威主義の加速」を引き起こしてしまうと考えます。

数字から意思決定に至ったコンテクストまでをオープンにする

「フラットでオープンな組織」の目的は、権威主義が最小化され、みんなの心理的安全性が高まり、結果として会社の成長に繋がることです。この目的に沿う情報は、可能な限りオープンにすべきだと思いますし、反対に誰かの心理的安全性を阻害することに働くような情報は公開すべきでないと考えています。

例えば、売上や預金残高などの数字的な側面や、最終的な決定事項などの情報は当然オープンにすべきです。しかし、表面的な情報だけをオープンにしても、「どうしてその決定に至ったのか」という疑問や不透明さが残ることも。そのため、表面的な情報だけでなく、意思決定の裏側まで開示する必要があります。なぜその決定に至ったのかなど、コンテクストまで知ることで初めてオープンな状態になったと言えると思います。弊社では経営会議をライブ配信し、誰でも社内メンバーは聞けるようになっています。また、極力議事録に起こすことで、どういう議論を経て、その意思決定に至ったのかを追えるように工夫しています。

一方で、会社の情報はすべて開示すればいいかというと、そうではありません。当然ですが、介護が理由で時短勤務になります、や離婚により扶養を外れます、など、会社の業務に関係のないプライベートな情報は、当人が自発的に発しない限りは、開示しません。人事情報や評価結果、個人の給与情報などについても、公開したことで心理的不安を抱える可能性のある情報は、開示する必要がないと考えています。とはいえ、”開示すべきでない”ラインは、個々人で感じ方が異なるため、難しいのも正直なところです。

一方向ではなく双方向にオープンであることが重要

私は、いわゆるトップ→メンバーへのオープンさに限らず、メンバーから上長、部やチームを超えたメンバー同士、などあらゆる関係性において、双方向でのオープンさが必須と考えます。情報の非対称性は、すべての関係で起こるからです。 例えば、開発メンバーしか知らない情報があると、ビジネス側は意思決定しづらくなります。また、トラブルなどの情報も一部でクローズドになっていると、周辺のメンバーは漠然とした不安を覚えます。オープンさが語られる時、経営情報の開示性が注目されがちですが、あらゆるメンバー間でオープンさは重要だということをここでは強調したいです。

不確定事項も含め、完全にリアルタイムな開示に迷うことも

しかし、実はまだ「情報開示のタイミング」について迷いがあります。例えば、私が「海外進出したいと思っている」という明確には決まっていないアイデアベースの発言を会議でしたとして、それを耳にしたメンバーが、海外進出に向けて気持ちを切り替えようとします。もし、議論を重ねて海外進出を取りやめた場合、メンバーは決定していない情報が共有されたことによって振り回されることに。混乱を招きますし、業務が滞る可能性もあります。もちろん、「海外進出をするぞ!」と発言した後、本当に海外進出をするなら、メンバー全員で、よりスピーディーに動けますが。

明確に決まっていない情報を開示するタイミングは、タイムラグが発生したとしても、社内の混乱を防ぐために60%~70%決まったら公開すべきなのか。メンバーの混乱を招かない線引きがどこなのか、この見極めが課題だと感じています。

見てもらえないオープン状態

オプティマインドでは、情報を知る権利のあるメンバーが、いつでも、その情報にアクセスできるようにしています。一方で、情報の開示だけでは不十分であるという課題に直面しています。そもそもその情報があることを知らなかったり、重要性が認知されていなかったりと、オープンとは言い難い状態にもなり得るからです。その情報の存在を認知してもらうことや、その情報があなたにとってどういう価値があるのか、までを伝えることも必要だなと感じています。

心理状態として「オープンでフラット」だと感じられるように

大事なことは、現象として「オープンでフラットである」状態だけでなく、メンバー全員が、心理状態として「オープンでフラットである」と感じていることだと思います。まだまだ改善点が多いので、引き続きトライアンドエラーしていきます。

最後に

今回、スタートアップ企業でよく重要性が語られている「オープンでフラットな組織」について改めて考えてみました。

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