第9章:ストレスは成長できる良いチャンス
みなさんはストレスに対してどのようなイメージを持たれていますか?
わたしはどちらかというとポジティブに捉えている方だと思います。
それは、いろんな経験を通して、ストレスから自分が成長できるきっかけをもらえているという捉え方をしているからかもしれません。
そもそもストレスとは何なのか?
なんでストレスを感じると気分が落ち込む人が多いのか?
目に見えないストレスというものは一体どこから湧いて出てくるのか?
そんなことが気になったので、勉強も兼ねて調べてみました。
すると、おもしろい気づきがたくさんあったのでみなさんと共有したいと思い、今回こちらのテーマでまとめてみました。
いつもの通り、最初にわたしの結論を端的に述べます。
<まつおの結論>
ストレスを良いものだと捉えることで自分の成長に非常に効果的に働く。
という再認識を得ることができました。
それでは、そのような結論を導けたいくつかの研究や考え方を詳しくまとめていきたいと思います。
ストレスとは悪いものなのか?
そもそもストレスとは何なのかということから触れたいと思います。
ストレス(stress)とは、生活上のプレッシャー(pressure)および、それを感じたときの感覚である。
出典:『The End of Stress as We Know It』より抜粋和訳
人間社会が複雑化していく中で生まれてきた「文明病」とも言われるストレスですが、その原因となるプレッシャーは外部の要因を指すことが多いようです。
見渡してみると、現代社会はたしかに気になってしまう要素が多く、たくさんの情報が目や耳から入ってきてしまう世の中になっているなあと感じます。
今でこそ在宅ワークが導入され始めた企業が続々と出てきましたが、通常は会社というピラミッド型の組織の中で、上司からのプレッシャーやクライアントからの日々押し寄せるメールの山に向き合っている中で、それらを自分を苦しめているストレスであると感じる方も少なくないと思います。
また、会社を一歩外に出ると、LINEやTwitter、InstagramといったSNSというツールがあることで便利な世の中にはなってはいますが、メッセージをくれていた友達に返事しなければ、とか、みんなのストーリーズをみなければ、とか、何かに駆られるような強迫観念として他者を意識せざるを得ない社会の仕組みが出来上がっているようにも感じます。
意識的にはこれらを不安の原因だとは感じていない方もいるかと思いますが、一歩立ち止まって考えてみると、気にしなくても良いことまで気にしてしまっていたり、SNSが原因で不安な気持ちや負の感情を抱くこともあるため、やはり、少なからずや潜在的な不安原因となっているとわたしは考えます。
しかし、ここでわたしが強調したいのは、ストレスを感じることが悪いことだから避けるべきだという結論ではなく、ストレスを感じている自分を精緻かつ客観的に分析して解決の糸口を探ってみましょうということです。
ストレスで自分の本質に気付く
よく精神医学や心理学書籍などで提唱されている方法で、ストレスを「害のあるもの」ではなく、ストレスを「成長の糧になるもの」と捉えるための4つのステップをご紹介します。
<ストレスを力に変える4つのステップ>
1. ストレスを感じている自分を認識する(認知)
2. 自分の大事な何かが脅かされていると理解する(理解)
3. 潜在的な自分の価値観に気付ける(発見)
4. 解決のための思考と行動をするチャンスだと捉える(変化)
ここで注意が必要なのが、「わたしはストレスなんて感じていない」という逃げの姿勢を持つのではなく、まずは「わたしはストレスを感じている」ということを全面的に認めて、そのストレスが自分を成長させるための良いものであるという着地点に落ち着くことが大事なポイントです。
例えば、他の楽しいことやお酒を飲んで気を紛らわそうとか、目の前のストレスから目を背ける行為を「マイナスディストラクション」と表現しますが、それらを続けてしまうと、ストレスの根本自体は一生消えないものになってしまいます。
そのため、自分がまず何に対してストレスとして感じているのかを明確に見極める必要があります。
例えば、次のような人がいたとします。
「若い頃にもっと勉強しておけばよかったことを年を取って感じるようになった」
先ほどの4つのステップに落とし込むと、例えば以下のようなプロセスを踏むことができます。
<認知>
ここで気付くべきことは、
①自分は加齢をネガティブなことだと捉えている
②勉強をやってこなかった過去の自分がストレスとなっている
ということ。
これら2つが今の自分を苦しめているということを「認識」します。
<理解>
次に、
ストレスを感じているということは、自分の何か大切な価値観が脅かされている
この漠然とした「理解」をします。
<発見>
そして、
①自分は若い方が良いという価値観を持っているんだ
②勉強することが大事だという価値観を持っているんだ
と気付くこと。
これら2つの自分の価値観を「発見」します。
<変化>
最後に、加齢をネガティブに捉えることが自分を苦しめていると気付けたから、
①歳を重ねることでしか身に付かない人間的な魅力があるんだという風に、とりあえず加齢をポジティブなものと捉えてみます。
②加えて、今から勉強したらどれだけ自分の力を伸ばせる可能性があるだろうかとワクワクする考え方に変えてみて、一度行動に移してみます。
最初は少し強引かつ強制的にこの思考プロセスを踏む必要があるかと思いますが、このようなプロセスを習慣化することで未来的な視点を持ってものごとを捉えることができ、ストレスの根本解決が自分の捉え方次第であると気付くことができ、ストレスを成長の力に変える1つのきっかけとなります。
実際に、加齢をネガティブに捉えて過ごす人と比べて、加齢をポジティブに捉えて生活した人は平均で7.5年も長生きをするというイェール大学による研究結果もあります。
「病は気から」とはよく言ったもので、実際に意識次第で何事も良い方向に変化させることができるのです。
この研究結果のカラクリは、意識が変わると行動が変わり、行動が変わると心身ともに健康になり、健やかな生活を営むことができる人が多かったということらしいです。
大事なポイントは、心も体も豊かに過ごすためには行動を変えなければならないし、行動を変えるにはまずは意識から変えなければいけないという点だと思います。
「こころ」と「からだ」は車の両輪
先ほど挙げたイェール大学の研究結果にも言えることですが、こころの不調がからだをむしばみ、さらには、からだの不調からこころが病む負の連鎖を生じてしまうことが多々あるとわたしは考えています。
ストレスから精神を病み、からだの不調をきたすと考えられがちですが、それとはわたしの考えは少し異なり、ストレスを悪いものだと決めつけてしまっていることから精神を病んでしまうことが原因だと考えています。
つまり、ストレスを「自分の大切な価値観に気付かせてくれて成長のきっかけになる良いもの」とポジティブに捉えることで、ストレスという課題を乗り越えた先にある成長した自分の姿を想像することができ、より豊かな過ごし方につながるのではないかと考えます。
科学的にも、精神的疲労を脳が感じてしまうと、「アデノシン」という物質が分泌されて、やる気ホルモンである「ドーパミン」を阻害してしまいます。
からだの体調管理もとても重要ですが、からだの体調に直接影響する「こころの体調管理」も同じくらい重要なことだと思います。
まとめ
今回ストレスにまつわる様々な研究や調査を調べていると、捉え方や意識の持ち方次第で、いかようにでも良い結果を導くことができるという結果しか存在しないことに気付けたのが個人的にとても前向きになれるきっかけになりました。
例えば、良い実例だなと思ったハーバード大学のブルックス教授の研究結果も最後にご紹介したいと思います。
スピーチを控えたグループを2つに分けて、一方には落ち着くように助言し、もう一方には不安を受け入れてその興奮はワクワクしている証拠だと伝えてあげると、後者のワクワクして臨んだグループの方が審査員からの高評価を得られる割合が多かった
付け焼き刃な学びではありますが、この記事を書くにあたって調べていくうちに、不安、恐怖、羞恥心などといったストレス感情から目を背けたり無いものとするのではなく、ストレス自体を受け入れて、それをポジティブなものとして再定義することで、人は本来の力を発揮できて、結果的には想像を超えた成長に結びつくきっかけとなるという風にわたしは結論づけ、ストレスに感謝することの重要性を説きたいと思います。
理想としては、筋トレもしながら、先述の4つのステップを使ってメンタルのトレーニング(「メントレ(?)」)も定着するまでがんばってみることを強くオススメします!
今週は1つの記事しか発信できませんでしたが、非常に学びの多い週でしたので、次の日曜日に投稿する予定の「学びのまとめ」は質の高いものを共有できるかと思います。
このように、自分に対してハードルという名のストレスを与えることで、わたしは自分の成長につながる工夫を自ら作っていこうと思います。
今回お伝えした「ストレスに感謝する」という行為は、おそらく、周囲の人からは「ドM」だとか「変わっている人」だとか思われる可能性が非常に高いと思いますが、自分の人生が豊かになるためであれば周囲からどう思われようと関係ないというスタンスです。
周囲からどんなに変な目で見られても、みなさんもわたしと一緒にストレスに感謝する活動を続けていきましょう(笑)
最後は我ながら謎の提言になりましたが、この記事を通して、今ストレスに苦しんでいる方の肩の荷が少しでも軽くなればとてもうれしく思います。
それでは、明日も前向きに楽しく過ごしましょう!