農村食文化講座『蜂の子』(蜂神回)
ここ信州の農村では蜂の子を甘露煮や佃煮にして食べる文化がある。
かつて配達の設備などがまだ整ってない時代には海から山奥まで魚を運ぶと到着した頃には腐ってしまっていた。
そこで信州の先人達は蜂の子を食べ動物性タンパク質を摂取してたのです。
あと声を大にして いややっぱり声を大にすると疲れるから普通の声量で言いたいんですが、蜂の子はグロテスクだし料理のビジュアルはどブスですがその味は実力派中の実力派なのです!
それにしても、信州のりんご農家は蜂を使って受粉作業を行う。
蜂を散々働かせたあげく子を食っちゃうわけだから
蜂にしたら俺ら大魔王的な奴だぞ!
恐ろしいわあ!
まぁ、そういったわけで冒頭5、6行目ぐらいまで社会科資料集みたいな文章で書き始めたわけですが、
先日とある理由でその蜂の子について調べておきたい状況が勃発しまして
先代(親父の事ね)に
松尾「このへんのおじさんで蜂の子に詳しい人おるかな?」
先代「そりゃお前、ハチ博物館のハチ博士だろ!」
ハチ博物館のハチ博士!?
何ですか!?この現実の世の中にアンパンマンみたいな世界観は!!
もしくはTHE昭和の漫画テイスト!!
いずれにせよ浮世離れしてんじゃねえかよ!
あっ、タイトル横の(蜂神回)というのは、
もしも神回というもんが細分化されてきたとして蜂の神様の回みたいなもんもできたとしての
芸人にありがちなもしもワールドよろしく決め込んだタイトルトッピング用ウィットである。
(いや、この説明のタイミングよ!!あと何かよくわかんねえわ、その説明じゃ!)
まぁ、そんなこんなのアナコンダバイスで、
(蜂神回の説明が終わるいなやまたよくわからもん入れ込むなよ!
このアナコンダバイスは普通に流しましょう!)
いてもたってもいられなくなった俺はアナコンダバイス博士…
いや、アナコンダバイス博士じゃねぇわ!
今しがたの文章につられちまったじゃねえか!!
ハチ博士だわあ!
そうハチ博物館のハチ博士に会いに行ってきたのである。
指定された場所行くと本格派のおじいちゃんがお茶を飲んでいた。
「すいません!松尾という者ですがハチ博士はどちらで!」
「はい!わしがハチ博士です!」
↑このくだりは、1字1句脚色なし。
全く同じ会話をしてきたわあ!
ハチ博物館のハチ博士の期待感を裏切らない漫画やドラマのようなわかりやすい会話のはじまりである。
ハチ博士は僕の要望通り丁寧に「蜂の子」について教えてくれた。
「蜂の子はどいれごっつおーだに!」
どいれは南信州の方言で「すごい」とか「かなりの」の意。
語尾に「だに」をつけるのも方言。
ついでに信州人がダニを発見したら「ダニだに!」とリンダリンダみたいな感じとなる。
そして、ハチ博士は「ごちそう」のことを「ごっつおー」という。
伊達政宗が天下(てんか)のことを天下(てんが)と言ったり
輪島功一さんがSEXのことを「フリフリ」と言ったり
ひょっとしたら大人物というのは言葉を自分的な言い方に変える生き物のような気がしてきたわあ!
(出した具体例がテンガとかSEXとかアンダーぎみだぞ!)
また、ハチ博士は「浅草」のことを「東京のでっかいちょうちんがあるとこ」という言い方をしたりもするのであった。
(さっきからハチ博士のこの言葉をこう言ったのコーナーいいわ!ハチ博士から聞いたハチの話をしてくれよ!)
そして、僕はハチ博物館のなかも見せてもらった!
まず温泉にトッピングされてる博物館だった!
しかし、ハチ博物館を見たあとの俺から言わせればハチ博物館に温泉がトッピングされているビックリマンチョコ式のからくりである。
90年代初頭に一大ムーブメントを巻き起こしたビックリマンチョコはチョコ菓子にシールがトッピングされてるんだけど
子供から言わせればシールがメインでチョコ菓子がおまけなのですよ。
このように最近ハマってるビックリマンチョコ比喩が飛び出るほど俺はハチ博物館とハチ博士に度肝抜かれたんだわあ!
なんとハチ博士はクロスズメバチを自由に操りいろんな形のハチの巣を作れるのである。
ハチ博士は魔法使い的なエッセンス配合なお方でもあった。
ちょっと本日2発目のやついかせていただきます!
せぇーの、浮世離れしてんじゃねえかよ!
あとこの博物館シャンデリアに蜂の巣つけたりどこにハチの巣をつけるか大喜利みたいになってないですか!?
全く38年も生きてるのに僕が住んでる街の隣村に
ハチ博物館のハチ博士という大博士がいたとは知らなかった。
まだまだ農村は広い!
僕はおもいっきりハチにハートを刺されてハチ博物館をあとにしたのであった。