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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-202-203【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤 / 皮下注射 / グルコース定量法
第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問202-203
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-202-203
Q. 52歳男性。身長168cm、体重81kg。3年前に2型糖尿病と診断され、食事療法と運動療法に加え、内服薬での治療を行ってきた。しかし、仕事の都合で食事が不規則になり、低血糖症状を経験したため、内服薬を自己判断で中止していた。今回、血糖コントロール不良のため、インスリン導入目的で入院となり、以下が処方された。また、この患者は、定期的に血糖自己測定を行う予定である。
(処方)
ゾルトファイ配合注(注1)フレックスタッチ|
1回10ドーズ(注2)|1日1回|皮下注射|
注1:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)300単位及びリラグルチド(遺伝子組換え)10.8mgが配合された無色澄明の注射液|
注2:インスリン デグルデク/リラグルチドとして10単位/0.36mg|
実務
問 109-202|実務
Q. この患者に病棟担当薬剤師が行う教育的指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 原則、毎日同じ時刻に注射する。
2. カートリッジにひびが入った場合は、漏れがないことを確認してから使用する。
3. 液に濁りが生じたときは、カートリッジを振って均一な懸濁液にして使用する。
4. 注射は皮膚面に対して45度に傾けて打つ。
5. 注射後は、針ケースを注射針にまっすぐ取りつけ、針ケースを回して注射針を引っ張って取り外す。
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物理
問 109-203|物理
Q. 血糖値の簡易測定の一つにグルコース酸化酵素を用いる方法がある。この方法では、酵素反応により生じた過酸化水素が電極で酸化されて電流が発生するので、この電流を測定する。その反応は以下のとおりである。
グルコース + O2 →(グルコース酸化酵素)→ グルコノラクトン + H2O2
H2O2 ⇔ O2 + 2H+ + 2e-
患者の血糖値が90.0mg/dLであったとき、測定した血液1µL中で生じた電気量に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、グルコースの分子量を180、電子1molの電気量を9.65×10^4クーロンとする。また、血糖値はグルコース濃度を表し、反応により生成する電子はグルコース由来とする。
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■選択肢
1. 4.83 × 10^-4 クーロン
2. 9.65 ×10^-4 クーロン
3. 1.93 × 10^-3 クーロン
4. 4.83×10^-3 クーロン
5. 9.65×10^-3 クーロン
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こんにちは!薬学生の皆さん。
Mats & BLNtです。
matsunoya_note から、薬剤師国家試験の論点解説をお届けします。
苦手意識がある人も、この機会に、【物理・化学・生物、衛生/実務】 の複合問題を一緒に完全攻略しよう!
今回は、第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 / 問202-203、論点:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤 / 皮下注射 / グルコース定量法を徹底解説します。
薬剤師国家試験対策ノート NOTE ver.
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-202-203【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤 / 皮下注射 / グ|matsunoya
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このコンテンツの制作者|
滝沢 幸穂 Yukiho Takizawa, PhD
https://www.facebook.com/Yukiho.Takizawa
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設問へのアプローチ|
薬学実践問題は原本で解いてみることをおすすめします。
まずは、複合問題や実務の問題の構成に慣れることが必要だからです。
薬学実践問題は薬剤師国家試験2日目の①、②、③ の3部構成です。
今回の論点解説では2日目の①を取り上げています。
厚生労働省|過去の試験問題👇
第109回(令和6年2月17日、2月18日実施)
第108回(令和5年2月18日、2月19日実施)
第107回(令和4年2月19日、2月20日実施)
第106回(令和3年2月20日、2月21日実施)
第109回薬剤師国家試験 問202-203(問109-202-203)では、糖尿病治療薬(皮下注射)に関する知識を物理および実務のそれぞれの科目の視点から複合問題として問われました。
複合問題は、各問題に共通の冒頭文とそれぞれの科目別の連問で構成されます。
冒頭文は、問題によっては必要がない情報の場合もあるため、最初に読まずに、連問すべてと選択肢に目を通してから、必要に応じて情報を取得するために読むようにすると、時間のロスが防げます。
1問、2分30秒で解答できればよいので、いつも通り落ち着いて一問ずつ別々に解けば大丈夫です。
出題範囲は、それぞれの科目別の出題範囲に準じています。
連問と言ってもめったに連動した問題は出ないので、平常心で取り組んでください。
💡ワンポイント
複合問題ですが、問109-202-203を解くうえで必要な情報は、黄色い線で示した部分です。
それ以外の情報取得は必要がないです。読んでいると時間のロスに繋がります。
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問109-202は、糖尿病治療薬(皮下注射)に関する記述の正誤を問う問題です。
医療用医薬品添付文書の理解が必要ですが、フレックスタッチという器具の使い方に関する知識も求めています。
(🔍 フレックスタッチの使い方 パンフレット)などで検索すると資料が出てくるので見ておくとよいです。
出題されたときに焦らずに済みます。
皮膚に対して垂直に針を刺すこと、「カチッ」という音がするまで、注入ボタンを真上から押すこと、完全に薬液を注入するため、注入ボタンを押した状態で、6秒以上注射針を刺したままにすることなどが説明されています 。
問 109-202|実務
注射後は、針ケースを注射針にまっすぐ取りつけ、針ケースを回して注射針を引っ張って取り外す。(選択肢5)[正しい]
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https://www.novonordisk.co.jp/content/dam/nncorp/jp/ja/products/how-to/injection/xultophy/pdfs/FlexTouch_Xultophy_InstructionManual_Pt._201910.pdf
出典: FlexTouch_Xultophy_InstructionManual_Pt._201910.pdf
問109-203は、グルコース定量法に関する計算問題です。
何度か実際に手を動かして解いてみると早く解けるようになります。
濃度をモル換算することと電気量に換算するプロセスを理解している必要があります。単位の変換に注意しましょう。
1 dL = 100 mL です。💡 1 L=10 dL=1000 mL
グルコース濃度:
90 mg/dL = 0.9 mg/mL = 0.9 g/L = 0.9/180 mol/L = 0.005 mol/L
電子の濃度:
0.005 × 2 mol/L = 0.01 mol/L
電気量:
0.01 mol/L × 9.65×10^4 C = 9.65×10^2 C/L = 9.65×10^(-4) C/µL
冒頭文で必要な情報は、
診断(2型糖尿病)
治療薬(インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤、フレックスタッチ、皮下注射)
です。
🫛豆知識 医療用医薬品添付文書等
医療用医薬品添付文書等を一読しておくと応用力がつきます。
PMDA 医療用医薬品添付文書等
インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤
製造販売元/ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
ゾルトファイ配合注フレックスタッチ
患者向医薬品ガイド ゾルトファイ配合注 フレックスタッチ 患者向医薬品ガイド
インタビューフォーム ゾルトファイ配合注 フレックスタッチ
以下、医療用医薬品添付文書から抜粋します。
薬効分類名
持効型溶解インスリンアナログ/ヒトGLP-1アナログ 配合注射液
一般的名称
インスリン デグルデク(遺伝子組換え)/リラグルチド(遺伝子組換え)
2. 禁忌(次の患者には投与しないこと)
2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
2.2 低血糖症状を呈している患者[11.1.1 参照]
2.3 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡、1型糖尿病患者[インスリンのみを含有する製剤による速やかな治療が必須となるので、本剤を投与すべきでない]
2.4 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリンのみを含有する製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない]
3. 組成・性状
3.1 組成
ゾルトファイ配合注フレックスタッチ
1筒(3mL)有効成分
インスリン デグルデク(遺伝子組換え) 注) 300単位(1800 nmol)
リラグルチド(遺伝子組換え) 10.8 mg
添加剤
フェノール 17.1 mg
濃グリセリン 59.1 mg
酢酸亜鉛(亜鉛含量として) 165 μg
塩酸 適量
水酸化ナトリウム 適量
インスリン デグルデクの1単位は6nmolに相当する。
インスリン デグルデク及びリラグルチドは出芽酵母を用いて製造される。
4. 効能又は効果
インスリン療法が適応となる2型糖尿病
5. 効能又は効果に関連する注意
本剤は食事療法・運動療法に加え、糖尿病用薬による治療で効果不十分な場合に使用を検討すること。[17.1 参照]
6. 用法及び用量
🫛注射時刻は原則として毎日一定とする。
通常、成人では、初期は1日1回10ドーズ(インスリン デグルデク/リラグルチドとして10単位/0.36 mg)を皮下注射する。投与量は患者の状態に応じて適宜増減するが、1日50ドーズ(インスリン デグルデク/リラグルチドとして50単位/1.8 mg)を超えないこと。
注射時刻は原則として毎日一定とする。
なお、本剤の用量単位である1ドーズには、インスリン デグルデク1単位及びリラグルチド0.036 mgが含まれる。
18. 薬効薬理
18.1 作用機序
🫛インスリンレセプターに結合したインスリンは骨格筋及び脂肪細胞における糖の取り込みを促進し、また肝臓におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。さらに、脂肪細胞における脂肪分解及び蛋白質分解を阻害し、蛋白質合成を促進する。
🫛リラグルチドはヒトGLP-1アナログで、GLP-1受容体を介して作用することにより、cAMPを増加させ、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進させる。さらにグルコース濃度依存的にグルカゴン分泌を抑制する。
本剤は、血糖コントロールを改善する作用機序を有するインスリン デグルデク及びリラグルチドの配合剤である。
(1) インスリン デグルデク
インスリン デグルデクは、製剤中では可溶性のダイへキサマーとして存在するが、投与後、皮下組織において会合して、可溶性で安定なマルチヘキサマーを形成し、一時的に注射部皮下組織にとどまる。インスリン デグルデクモノマーはマルチへキサマーから徐々に解離するため、投与部位から緩徐にかつ持続的に血中に吸収され、長い作用持続時間をもたらす。さらに、皮下注射部位及び血中で脂肪酸側鎖を介してアルブミンと結合し、作用の持続化に寄与する9) 。
インスリン デグルデクの主な薬理作用は、グルコース代謝の調節である。インスリン デグルデクを含むインスリンは、インスリンレセプターに結合し、特異的な作用を発現する。インスリンレセプターに結合したインスリンは骨格筋及び脂肪細胞における糖の取り込みを促進し、また肝臓におけるグルコース産生を阻害することによって血糖値を降下させる。さらに、脂肪細胞における脂肪分解及び蛋白質分解を阻害し、蛋白質合成を促進する。
(2) リラグルチド
生体で分泌されるインクレチンホルモンであるGLP-1は、グルコース濃度依存的に膵β細胞からインスリンを分泌させる10)11) 。
リラグルチドはヒトGLP-1アナログで、GLP-1受容体を介して作用することにより、cAMPを増加させ、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進させる。さらにグルコース濃度依存的にグルカゴン分泌を抑制する12) 。
リラグルチドは自己会合により緩徐に吸収されること、アルブミンと結合して代謝酵素(DPP-4及び中性エンドペプチダーゼ)に対する安定性を示すことで、作用が持続する。
19. 有効成分に関する理化学的知見
一般的名称
インスリン デグルデク(遺伝子組換え) (JAN)
Insulin Degludec (Genetical Recombination) (JAN)
化学構造式
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本質
🫛インスリン デグルデクは、21個のアミノ酸残基からなるA鎖及び29個のアミノ酸残基からなるB鎖から構成される修飾ペプチドである。
インスリン デグルデクは、遺伝子組換えヒトインスリン類縁体であり、ヒトインスリンB鎖30番目のトレオニン残基が欠損し、グルタミン酸を介してB鎖29位のリジン残基のε-アミノ基がヘキサデカン二酸でアシル化されている。インスリン デグルデクは、21個のアミノ酸残基からなるA鎖及び29個のアミノ酸残基からなるB鎖から構成される修飾ペプチドである。
一般的名称
リラグルチド(遺伝子組換え) (JAN)
Liraglutide (Genetical Recombination) (JAN)
化学構造式
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本質
🫛リラグルチドは、31個のアミノ酸残基からなるポリペプチドのリジン残基のε-アミノ基にN-パルミトイルグルタミン酸がү-位で結合した修飾ポリペプチドである。
34番目のリジン残基をアルギニン残基に置換したヒトグルカゴン様ペプチド-1の7-37番目のアミノ酸残基をコードするDNAの発現により組換え体で産生される31個のアミノ酸残基からなるポリペプチドのリジン残基のε-アミノ基にN-パルミトイルグルタミン酸がү-位で結合した修飾ポリペプチド。
以下、患者向医薬品ガイドから抜粋します。
●どのように使用するか?
🫛注射針を装着した時に液漏れなどの不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替えてください。
🫛カートリッジにひびが入っている場合には、使用しないでください。
🫛液が濁ったり、変色しているような場合には、使用しないでください。
・皮下注射します。静脈内および筋肉内に注射しないでください。
・必ずお薬に添付された取扱説明書を読んでください。
・皮下注射は、腹部、大腿(だいたい)、上腕に行います。
同じ部位に注射を行う場合は、その中で前回の注射箇所から2~3cm離して注射してください。
・注射針は必ず規格(JIS T 3226-2に準拠したA型専用)に適合したものを使用してください。 (くわしくは、医師もしくは薬剤師の指示に従ってください。)
・この薬に注射針を装着した時に液漏れなどの不具合が認められた場合には、新しい注射針に取り替えてください。
・一本のゾルトファイ配合注 フレックスタッチ(注射剤)を複数の人で使用しないでください。
・この薬は他の薬との混合により、成分が分解するおそれがあるため、他の薬と混合しないでください。
・注射後、注射針を廃棄してください。注射針は毎回新しいものを、必ず注射直前に取り付けてください。
・カートリッジにひびが入っている場合には、使用しないでください。
・液が濁ったり、変色しているような場合には、使用しないでください。
●使用し忘れた場合の対応
🫛使用し忘れた場合には、気づいた時点で使用できますが、その次の使用は8時間以上あけてから行い、その後は通常の注射時刻に使用してください。
使用し忘れた場合には、気づいた時点で使用できますが、その次の使用は8時間以上あけてから行い、その後は通常の注射時刻に使用してください。 決して2回分を1度に注射しないでください。
●この薬の保管方法は?
・使用開始前は、凍結を避けて冷蔵庫など(2~8℃)で保管してください。光を避けてください。
・使用開始後は、室温(30℃以下)にキャップなどにより光を避けて保管し、3週間以内に使用してください。
ただし、25℃以下で保管した場合は、4週間以内に使用してください。冷蔵庫にて保管することも可能ですが、凍結を避け、4週間以内に使用してください。
・子供の手の届かないところに保管してください。
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製造販売元/ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
ゾルトファイ配合注フレックスタッチ
患者向医薬品ガイド
出典:
PMDA 医療用医薬品添付文書等
インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤
製造販売元/ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
ゾルトファイ配合注フレックスタッチ
患者向医薬品ガイド ゾルトファイ配合注 フレックスタッチ 患者向医薬品ガイド
インタビューフォーム ゾルトファイ配合注 フレックスタッチ
まず基本的な知識について復習しておきましょう。
■■Grok 3
主な糖尿病治療薬の分類・適用・薬効・薬理作用機序
1. スルホニル尿素薬(SU薬)
代表的な薬剤: グリメピリド(アマリール)、グリクラジド(グリミクロン)、グリベンクラミド(オイグルコン)
適用: 主に2型糖尿病。インスリン分泌低下が主な病態の患者に使用。
薬効: 血糖値を低下させる。
薬理作用機序: 膵β細胞のスルホニル尿素レセプターに結合し、ATP感受性K⁺チャネルを閉鎖。これにより膜が脱分極し、電位依存性Ca²⁺チャネルが開口、Ca²⁺流入が増加し、インスリン分泌を促進。
備考: 低血糖リスクがあるため、投与量や患者状態に注意が必要。
2. ビグアナイド薬
代表的な薬剤: メトホルミン(メトグルコ、グリコラン)
適用: 2型糖尿病。特に肥満を伴うインスリン抵抗性が高い患者に適応。
薬効: 血糖降下作用(特に空腹時血糖を低下)。
薬理作用機序: 主に肝臓での糖新生を抑制し、末梢組織(筋肉)でのグルコース取り込みを促進。AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化し、インスリン感受性を改善。
備考: 乳酸アシドーシスのリスクがあり、腎機能低下患者では禁忌。
3. グリニド薬(速効型インスリン分泌促進薬)
代表的な薬剤: ナテグリニド(ファスティック)、ミチグリニド(グルファスト)、レパグリニド(シュアポスト)
適用: 2型糖尿病。食後血糖の上昇が顕著な患者に使用。
薬効: 食後血糖を速やかに低下。
薬理作用機序: SU薬と同様に膵β細胞のATP感受性K⁺チャネルを阻害し、インスリン分泌を促進。ただし、作用発現が早く、持続時間が短い。
備考: 食事直前の服用が必要。
4. α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI)
代表的な薬剤: アカルボース(グルコバイ)、ボグリボース(ベイスン)、ミグリトール(セイブル)
適用: 2型糖尿病。食後血糖の上昇抑制を目的。
薬効: 食後血糖の上昇を抑制。
薬理作用機序: 小腸での炭水化物分解酵素(α-グルコシダーゼ)を阻害し、グルコースへの変換を遅延。これにより食後血糖の上昇を緩やかにする。
備考: 消化器症状(腹部膨満感など)が副作用として多い。
5. チアゾリジン薬(TZD)
代表的な薬剤: ピオグリタゾン(アクトス)
適用: 2型糖尿病。インスリン抵抗性が強い場合に使用。
薬効: インスリン感受性を改善し、血糖を低下。
薬理作用機序: PPARγ(ペルオキシソーム増殖因子活性化レセプターγ)に結合し、脂肪細胞や筋肉でのグルコース取り込みを促進。インスリン抵抗性を改善。
備考: 体重増加や浮腫、心不全リスクに注意。
6. DPP-4阻害薬
代表的な薬剤: シタグリプチン(ジャヌビア)、ビルダグリプチン(エクア)、アログリプチン(ネシーナ)、リナグリプチン(トラゼンタ)
適用: 2型糖尿病。インスリン分泌低下やGLP-1作用の減弱が関与する場合。
薬効: 血糖依存的に血糖を低下。
薬理作用機序: インクレチン(GLP-1、GIP)の分解酵素であるDPP-4を阻害し、インクレチンの血中濃度を維持。これにより血糖依存的なインスリン分泌を促進し、グルカゴン分泌を抑制。
備考: 低血糖リスクが低い。
7. GLP-1受容体作動薬(経口剤)
代表的な薬剤: セマグルチド(リベルサス)
適用: 2型糖尿病。血糖コントロールと体重管理が必要な場合。
薬効: 血糖低下と体重減少。
薬理作用機序: GLP-1受容体に結合し、血糖依存的なインスリン分泌を促進、グルカゴン分泌を抑制、胃排出を遅延させ食欲を抑制。
備考: 注射剤もあり(後述)。経口剤は日本で承認済み。
8. SGLT2阻害薬
代表的な薬剤: ダパグリフロジン(フォシーガ)、エンパグリフロジン(ジャディアンス)、トホグリフロジン(デベルザ)、カナグリフロジン(カナグル)
適用: 2型糖尿病。心血管疾患や腎疾患合併例にも使用。
薬効: 血糖低下、心腎保護作用。
薬理作用機序: 腎近位尿細管でのSGLT2を阻害し、グルコースの再吸収を抑制、尿中へのグルコース排泄を促進。
備考: 尿路感染症や脱水リスクに注意。
9. イメグリミン(新規作用機序)
代表的な薬剤: イメグリミン(ツイミーグ)
適用: 2型糖尿病。
薬効: 血糖低下。
薬理作用機序: ミトコンドリア機能を改善し、肝糖新生を抑制、インスリン分泌を促進、インスリン感受性を向上させる独自の作用。
備考: 日本で2021年に承認された新しい薬剤。
10. インスリン製剤(注射薬)
代表的な薬剤: インスリンリスプロ(ヒューマログ)、インスリングラルギン(ランタス)、インスリンデグルデク(トレシーバ)
適用: 1型糖尿病、2型糖尿病(経口薬でコントロール不良の場合)。
薬効: 血糖を低下。
薬理作用機序: インスリン受容体に結合し、グルコースの細胞内取り込みを促進、肝糖新生を抑制。
備考: 超速効型、速効型、中間型、持効型など作用時間で分類。
11. GLP-1受容体作動薬(注射剤)
代表的な薬剤: リラグルチド(ビクトーザ)、デュラグルチド(トルリシティ)、セマグルチド(オゼンピック)
適用: 2型糖尿病。血糖コントロールと体重減少が必要な場合。
薬効: 血糖低下、体重減少、心血管リスク低減。
薬理作用機序: GLP-1受容体を活性化し、インスリン分泌促進、グルカゴン分泌抑制、食欲抑制。
備考: 週1回投与可能な製剤もあり。
引用文献
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)医療用医薬品添付文書情報
論点およびポイント
■■GPT4o
問 109-202|実務
論点| インスリン自己注射 / 教育的指導 / インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤
ポイント|
インスリン デグルデク / リラグルチド配合剤は1日1回、毎日同じ時刻に投与する。
(投与間隔を一定に保つことで効果を安定させる)懸濁液ではないため、濁りが生じた場合は使用せず廃棄する。
(カートリッジを振るのは不適切)カートリッジにひびが入った場合、漏れがなくても使用しない。
(無菌性が保証されないため)皮下注射は通常90度で打つが、皮下脂肪が薄い部位では45度の角度も可。
(ただし、フレックスタッチでは90度が基本)注射針の取り外しは、針ケースをまっすぐ取りつけて回しながら外す。
(安全な針の廃棄手順)
問 109-203|物理
論点| 酵素電極 / 電気化学反応 / グルコース定量
ポイント|
グルコース酸化酵素を利用し、グルコースが酸化されると過酸化水素が生成される。
(H₂O₂の電極酸化により電流が発生)グルコース濃度から血液1µL中のグルコースモル数を算出する。
(分子量180を用いて計算)グルコース1モルにつき2モルの電子が生成する。
グルコース + O2 →(グルコース酸化酵素)→
グルコノラクトン + H2O2
H2O2 ⇔ O2 + 2H+ + 2e-ファラデー定数(9.65×10⁴ C/mol)を用いて、電子数から電気量を算出する。
血糖値 90.0 mg/dL = 0.9 g/L
グルコースの分子量 = 180 g/mol
モル数 = 質量(g) ÷ 分子量(g/mol)
$$
\frac{0.9 \text{ g/L} }{180 \text{ g/mol}} = 0.005 \text{ mol/L}
$$
グルコース1モルから2モルの電子が発生するため、
電子のモル数は:
$$
(0.005 \text{ mol/L}) \times 2 = 0.01 \text{ mol/L}
$$
$$
(0.01 \text{ mol/L}) \times (9.65 \times 10^4 \text{ C/mol}) = 9.65 \times 10^{2} \text{ C/L} = 9.65 \times 10^{-4} \text{ C/µL}
$$
計算の結果、正答は 9.65 × 10⁻⁴ C(選択肢2)となる。
薬剤師国家試験 出題基準
出典: 薬剤師国家試験のページ |厚生労働省 (mhlw.go.jp)
出題基準 000573951.pdf (mhlw.go.jp)
論点を整理します。
■■GPT4o
総合的な論点
問 109-202 (実務)
この問題では、病棟担当薬剤師が患者に対して行う教育的指導に関する適切な内容を選択することが求められています。問題のポイントを整理すると、以下のようになります。
1. 総合的な論点
本問では、インスリン デグルデク/リラグルチド配合注射剤(ゾルトファイ配合注)に関する適切な投与方法と管理方法が問われています。主な論点は以下の通りです:
投与タイミングの遵守
→ インスリンの作用時間と安定した血糖管理のため、毎日同じ時刻に注射する必要がある。薬剤の外観と管理
→ ひび割れや濁りのある製剤の使用の可否。注射手技
→ 適切な角度での皮下注射。使用後の注射針の適切な取り外し・廃棄
→ 針刺し事故を防ぐため、適切な方法で針を取り外す。
2. 解法へのアプローチ
この問題を解く際には、以下のような手順で適切な選択肢を選ぶことができます。
添付文書・ガイドラインの確認
日本糖尿病学会のガイドラインや製薬会社の添付文書を参照し、正しい投与手技を確認する。
一般的なインスリン製剤の取り扱いの理解
インスリンアナログ製剤の投与方法や、混濁の有無による取り扱いの違いを理解する。
実務的なリスク管理の視点
針刺し事故のリスクを考慮し、適切な針の取り外し方を選択する。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
問 109-202 (実務)
選択肢 1:原則、毎日同じ時刻に注射する。
論点
インスリン デグルデク/リラグルチドは1日1回の持続型インスリンアナログとGLP-1受容体作動薬の配合剤であり、安定した血糖コントロールのため、毎日同じ時刻に投与することが推奨されている。
不規則な投与は血糖変動を増大させ、低血糖や高血糖のリスクを高める可能性がある。
解法へのアプローチ
添付文書では、「できるだけ毎日同じ時刻に投与することが望ましい」と明記されている。
日本糖尿病学会のガイドラインでも、持続型インスリンは一定の時間で投与することが推奨されている。
自己判断で投与時間を変更しないよう指導することが重要。
選択肢 2:カートリッジにひびが入った場合は、漏れがないことを確認してから使用する。
論点
カートリッジにひびが入った場合、薬剤の無菌性や安定性が損なわれる可能性があるため、原則として使用不可である。
外部からの異物混入や微生物汚染のリスクがある。
解法へのアプローチ
インスリン製剤の管理基準では、ひび割れや異常が確認された場合には使用しないことが基本。
使用前にカートリッジを点検し、異常があれば新しいものと交換するよう指導すべきである。
選択肢 3:液に濁りが生じたときは、カートリッジを振って均一な懸濁液にして使用する。
論点
ゾルトファイ配合注は「無色澄明の注射液」であり、濁りが生じた場合は使用不可。
インスリン製剤には懸濁型(NPHインスリンなど)もあるが、本剤はそれに該当しない。
解法へのアプローチ
添付文書には「濁りや異物が確認された場合は使用しないこと」と明記されている。
インスリンの適切な保存条件(冷蔵保存など)を患者に指導し、品質管理を徹底する。
選択肢 4:注射は皮膚面に対して45度に傾けて打つ。
論点
皮下注射の角度は、皮下脂肪の厚さによって調整されるが、一般的には90度が推奨される。
45度での注射は皮下脂肪が少ない場合(小児・痩せた成人)に適用されるが、本患者はBMIが28.7(過体重)であり、皮下脂肪が多いと考えられるため、45度ではなく90度での注射が望ましい。
解法へのアプローチ
ゾルトファイ配合注の推奨注射角度は90度である。
インスリン注射の標準的な手技を指導する必要がある。
選択肢 5:注射後は、針ケースを注射針にまっすぐ取りつけ、針ケースを回して注射針を引っ張って取り外す。
論点
注射針の安全な取り外し方法を指導することは、針刺し事故を防ぐために重要である。
特に、使用済みの針を無理に扱うと感染症のリスクがある。
解法へのアプローチ
添付文書には「使用後の針は専用の針ケースを使って安全に取り外す」と記載されている。
自己注射を行う患者には、針刺し事故防止のため適切な取り外し方法を指導する必要がある。
まとめ
正しい選択肢 →
1(毎日同じ時刻に注射)、5(注射針の安全な取り外し)誤った選択肢 →
2(ひびが入ったカートリッジの使用)、3(濁った液の使用)、4(45度の注射角度)
引用文献
日本糖尿病学会 編. 「糖尿病治療ガイドライン 2023」 南江堂, 2023.
インスリン製剤の投与方法、血糖管理、自己注射の手技に関する推奨事項を掲載。
ノボノルディスクファーマ株式会社. 「ゾルトファイ配合注 添付文書」 (最終改訂: 2023年).
インスリン デグルデク/リラグルチドの投与方法、使用上の注意、管理方法に関する情報を含む。
厚生労働省. 「自己注射指導マニュアル」 (2021年).
インスリン製剤の適切な取り扱いと患者指導の基準を示す。
日本病院薬剤師会. 「インスリン注射手技と教育指導ガイドライン」 (2022年).
皮下注射の適切な角度、針の取り扱い、安全管理に関する指針を提供。
問 109-203 (物理)
この問題では、グルコース酸化酵素を用いた血糖値測定に関する電気化学的原理を理解し、測定された血糖値(90.0 mg/dL)に基づいて生じた電気量を計算することが求められています。
1. 総合的な論点
本問の主要な論点は、酵素反応を利用した電気化学的測定に基づいて、生成された電子の総量(電気量)を求めることです。
基本的な反応式:
$$
\text{グルコース} + O_2 → \text{グルコノラクトン} + H_2O_2
$$
$$
H_2O_2 ⇔ O_2 + 2H^+ + 2e^-
$$
グルコース酸化酵素を用いた酸化反応
グルコース+O2→グルコノラクトン+H2O2過酸化水素の電極酸化反応
H2O2⇔O2+2H++2e−
この反応から、グルコース1分子が酸化されると2モルの電子が発生することがわかります。
2. 解法へのアプローチ
この問題の解法は、以下の手順で進めます。
血糖値から1 µLの血液中に含まれるグルコースのモル数を求める
血糖値が 90.0 mg/dL = 0.9 mg/mLであることから、血液1 Lあたりのグルコースの質量が 0.9 gであることを確認する。
グルコースのモル数を計算
グルコースの分子量が 180 g/mol であることから、1 L中のモル数を求める。
生成される電子のモル数を求める
グルコース1モルから2モルの電子が発生するため、電子のモル数を計算する。
電子の総電気量を計算
ファラデー定数(1モルの電子が持つ電気量)は $${9.65 × 10^4}$$ C/mol であるため、計算した電子モル数に掛けることで総電気量を求める。
このように、化学反応の理解と定量計算を組み合わせることで、正しい選択肢を導き出すことが可能になります。
各選択肢の論点および解法へのアプローチ方法
問 109-203(物理)
1. 血糖値 90.0 mg/dL を基に 1 L 中のグルコースのモル数を求める
血糖値 90.0 mg/dL = 0.9 mg/mL = 0.9 g/L
∵ 1 dL = 100 mLグルコースの分子量は 180 g/mol
モル数 = 質量(g) ÷ 分子量(g/mol)
$$
\frac{0.9 \text{ g/L}}{180 \text{ g/mol}} = 0.005 \text{ mol/L}
$$
2. 生成される電子のモル数を求める
グルコース1モルから2モルの電子が発生するため、
電子のモル数は:
$$
(0.005 \text{ mol/L}) \times 2 = 0.01 \text{ mol/L}
$$
3. 電気量の計算
ファラデー定数(電子1モルの電気量)
$${9.65×10^4}$$ C/mol
総電気量は、電子のモル数とファラデー定数の積として求める:
$$
(0.01 \text{ mol/L}) \times (9.65 \times 10^4 \text{ C/mol}) = 9.65 \times 10^{2} \text{ C/L} = 9.65 \times 10^{-4} \text{ C/µL}
$$
4. 選択肢と正誤
正しい選択肢は 2(9.65 × 10⁻⁴ C) です。
問 109-203(物理) 引用文献リスト
Bard, A. J., & Faulkner, L. R. Electrochemical Methods: Fundamentals and Applications. Wiley, 2001.
酵素電極における電気化学反応の基本原理を解説。
Heller, A., & Feldman, B. "Electrochemical Glucose Sensors and Their Applications." Chemical Reviews, 108(7), 2482-2505 (2008).
グルコース酸化酵素を用いた電気化学センサーの反応機構および計測手法を詳細に説明。
日本臨床化学会 編. 「臨床化学検査ガイドライン 2022」
血糖測定方法の原理、標準化、および適用範囲についてのガイドライン。
厚生労働省. 「臨床検査技師のための生体電気化学測定マニュアル」 (2021年).
酵素電極を用いた電気化学的測定方法に関する公式な技術指針。
以上で、論点整理を終わります。
理解できたでしょうか?
大丈夫です。
完全攻略を目指せ!
はじめましょう。
薬剤師国家試験の薬学実践問題【複合問題】からインスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤 / 皮下注射 / グルコース定量法を論点とした問題です。
なお、以下の解説は、著者(Yukiho Takizawa, PhD)がプロンプトを作成して、その対話に応答する形で GPT4o & Copilot 、Gemini 2、または Grok 2 が出力した文章であって、著者がすべての出力を校閲しています。
生成AIの製造元がはっきりと宣言しているように、生成AIは、その自然言語能力および取得している情報の現在の限界やプラットフォーム上のインターフェースのレイト制限などに起因して、間違った文章を作成してしまう場合があります。
疑問点に関しては、必要に応じて、ご自身でご確認をするようにしてください。
Here we go.
第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問202-203
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-202-203
Q. 52歳男性。身長168cm、体重81kg。3年前に2型糖尿病と診断され、食事療法と運動療法に加え、内服薬での治療を行ってきた。しかし、仕事の都合で食事が不規則になり、低血糖症状を経験したため、内服薬を自己判断で中止していた。今回、血糖コントロール不良のため、インスリン導入目的で入院となり、以下が処方された。また、この患者は、定期的に血糖自己測定を行う予定である。
(処方)
ゾルトファイ配合注(注1)フレックスタッチ|
1回10ドーズ(注2)|1日1回|皮下注射|
注1:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)300単位及びリラグルチド(遺伝子組換え)10.8mgが配合された無色澄明の注射液|
注2:インスリン デグルデク/リラグルチドとして10単位/0.36mg|
実務
問 109-202|実務
Q. この患者に病棟担当薬剤師が行う教育的指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 原則、毎日同じ時刻に注射する。
2. カートリッジにひびが入った場合は、漏れがないことを確認してから使用する。
3. 液に濁りが生じたときは、カートリッジを振って均一な懸濁液にして使用する。
4. 注射は皮膚面に対して45度に傾けて打つ。
5. 注射後は、針ケースを注射針にまっすぐ取りつけ、針ケースを回して注射針を引っ張って取り外す。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-202-203【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤 / 皮下注射 / グ|matsunoya
物理
問 109-203|物理
Q. 血糖値の簡易測定の一つにグルコース酸化酵素を用いる方法がある。この方法では、酵素反応により生じた過酸化水素が電極で酸化されて電流が発生するので、この電流を測定する。その反応は以下のとおりである。
グルコース + O2 →(グルコース酸化酵素)→ グルコノラクトン + H2O2
H2O2 ⇔ O2 + 2H+ + 2e-
患者の血糖値が90.0mg/dLであったとき、測定した血液1µL中で生じた電気量に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、グルコースの分子量を180、電子1molの電気量を9.65×10^4クーロンとする。また、血糖値はグルコース濃度を表し、反応により生成する電子はグルコース由来とする。
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■選択肢
1. 4.83 × 10^-4 クーロン
2. 9.65 ×10^-4 クーロン
3. 1.93 × 10^-3 クーロン
4. 4.83×10^-3 クーロン
5. 9.65×10^-3 クーロン
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-202-203【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤 / 皮下注射 / グ|matsunoya
■■GPT4o
■問 109-202|実務
■論点|
この問題の論点は、インスリン自己注射の適切な指導と安全管理を特定することです。
■解説1|
原則、毎日同じ時刻に注射する。(選択肢1)[正しい]
ゾルトファイ配合注(インスリン デグルデク/リラグルチド)は1日1回投与する製剤であり、一定の時刻に投与することで血糖コントロールを安定させることが推奨される。
インスリン デグルデクは超持続型インスリンアナログであり、半減期が長く、安定した血糖コントロールが期待されるが、投与時間の一貫性が重要である。
リラグルチドはGLP-1受容体作動薬であり、1日1回投与が基本。食事との関係はないが、一定の時間に投与することでアドヒアランスが向上する。
注射後は、針ケースを注射針にまっすぐ取りつけ、針ケースを回して注射針を引っ張って取り外す。(選択肢5)[正しい]
インスリン製剤の注射針は使い捨てであり、再使用は不可。
適切な手順で取り外し、廃棄することが求められる。針を取り外す際には、誤刺防止のため、針ケースを注射針にまっすぐ取りつけ、針ケースを回して外すことが推奨される。
この方法により、針刺し事故のリスクを軽減できる。
■解説2|
ゾルトファイ配合注は、インスリンとGLP-1受容体作動薬の配合製剤であり、適切な自己注射指導が必要。
インスリン製剤は投与時刻の一定性が重要であり、低血糖リスクを考慮した適切な指導が求められる。
針の取り扱いに関する教育は、医療従事者の責任として患者に徹底することが望ましい。
■結論|
選択肢1(投与時刻の遵守)と選択肢5(安全な針の取り外し)は、インスリン自己注射の適切な管理に必要な教育内容であり、正しい選択肢である。
■補足|
カートリッジにひびが入った場合は、漏れがないことを確認してから使用する。(選択肢2)[誤り]
インスリン製剤は無菌製剤であり、カートリッジにひびが入った場合は無菌性が損なわれる可能性があるため、漏れの有無にかかわらず使用しない。
液に濁りが生じたときは、カートリッジを振って均一な懸濁液にして使用する。(選択肢3)[誤り]
ゾルトファイ配合注は無色澄明な溶液であり、濁りが生じた場合は変性の可能性があるため、使用せず廃棄する。
注射は皮膚面に対して45度に傾けて打つ。(選択肢4)[誤り]
通常、インスリン自己注射は90度の角度で皮下注射する。
皮下脂肪が少ない場合は45度も可だが、フレックスタッチでは基本的に90度で注射するのが推奨される。
■問 109-203|物理
■論点|
この問題の論点は、グルコース酸化酵素反応と電気量の計算を特定することです。
■解説1|
血糖値90.0 mg/dLの血液1µL中で発生する電気量の計算(選択肢2)[正しい]
この問題では、グルコース酸化酵素反応に基づいて発生する電子数を求め、電気量を計算する。
1 dL = 100 mL です。💡 1 L=10 dL=1000 mL
グルコース濃度:
90 mg/dL = 0.9 mg/mL = 0.9 g/L = 0.9/180 mol/L = 0.005 mol/L
電子の濃度:
0.005 × 2 mol/L = 0.01 mol/L
電気量:
0.01 mol/L × 9.65×10^4 C
= 9.65× $${10^2}$$ C/L = 9.65 × 10⁻⁴ C/µL
したがって、正解は選択肢2(9.65 × 10⁻⁴ クーロン)である。
■解説2|
グルコース酸化酵素(GOx)は、グルコースを酸化し、過酸化水素(H₂O₂)を生成する。
H₂O₂は電極で酸化され、電子を放出することで電流を生じる。これを測定することで血糖値を推定できる。
この方法は電気化学的グルコースセンサー(酵素電極法)に基づいており、現在の血糖測定器の基本原理となっている。
■結論|
選択肢2(9.65 × 10⁻⁴ クーロン)が正解である。
グルコース濃度を用いた定量的計算が求められる問題であった。
■補足|
他の選択肢の検討
選択肢1(4.83 × 10⁻⁴ C)[誤り]
1電子あたりの計算を考慮していない。
グルコース1分子から2電子が放出される点を見落としている。
選択肢3(1.93 × 10⁻³ C)[誤り]
2倍の電子数を誤って適用した可能性がある。
選択肢4(4.83 × 10⁻³ C)[誤り]
電荷計算時に係数の誤りがある。
選択肢5(9.65 × 10⁻³ C)[誤り]
10倍のスケール誤り。
必須問題の解説は、こちらからどうぞ。
薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 必須問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, Google AI Studio & GPT4, Copilot|matsunoya (note.com)
薬学理論問題の解説は、こちらからどうぞ。
薬剤師国家試験対策ノート|論点解説 薬学理論問題 第106回-第109回 一覧 powered by Gemini 1.5 Pro, GPT4o, Copilot, and Grok 2|matsunoya
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すっきり、はっきりわかったら、合格です。
第109回薬剤師国家試験|薬学実践問題 /
問202-203
一般問題(薬学実践問題)
【物理・化学・生物、衛生/実務】
■複合問題|問 109-202-203
Q. 52歳男性。身長168cm、体重81kg。3年前に2型糖尿病と診断され、食事療法と運動療法に加え、内服薬での治療を行ってきた。しかし、仕事の都合で食事が不規則になり、低血糖症状を経験したため、内服薬を自己判断で中止していた。今回、血糖コントロール不良のため、インスリン導入目的で入院となり、以下が処方された。また、この患者は、定期的に血糖自己測定を行う予定である。
(処方)
ゾルトファイ配合注(注1)フレックスタッチ|
1回10ドーズ(注2)|1日1回|皮下注射|
注1:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)300単位及びリラグルチド(遺伝子組換え)10.8mgが配合された無色澄明の注射液|
注2:インスリン デグルデク/リラグルチドとして10単位/0.36mg|
実務
問 109-202|実務
Q. この患者に病棟担当薬剤師が行う教育的指導の内容として、適切なのはどれか。2つ選べ。
■選択肢
1. 原則、毎日同じ時刻に注射する。
2. カートリッジにひびが入った場合は、漏れがないことを確認してから使用する。
3. 液に濁りが生じたときは、カートリッジを振って均一な懸濁液にして使用する。
4. 注射は皮膚面に対して45度に傾けて打つ。
5. 注射後は、針ケースを注射針にまっすぐ取りつけ、針ケースを回して注射針を引っ張って取り外す。
Here:
松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-202-203【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤 / 皮下注射 / グ|matsunoya
物理
問 109-203|物理
Q. 血糖値の簡易測定の一つにグルコース酸化酵素を用いる方法がある。この方法では、酵素反応により生じた過酸化水素が電極で酸化されて電流が発生するので、この電流を測定する。その反応は以下のとおりである。
グルコース + O2 →(グルコース酸化酵素)→ グルコノラクトン + H2O2
H2O2 ⇔ O2 + 2H+ + 2e-
患者の血糖値が90.0mg/dLであったとき、測定した血液1µL中で生じた電気量に最も近い値はどれか。1つ選べ。
ただし、グルコースの分子量を180、電子1molの電気量を9.65×10^4クーロンとする。また、血糖値はグルコース濃度を表し、反応により生成する電子はグルコース由来とする。

■選択肢
1. 4.83 × 10^-4 クーロン
2. 9.65 ×10^-4 クーロン
3. 1.93 × 10^-3 クーロン
4. 4.83×10^-3 クーロン
5. 9.65×10^-3 クーロン
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松廼屋|論点解説 薬剤師国家試験対策ノート問 109-202-203【物理・化学・生物、衛生/実務】論点:インスリン デグルデク(遺伝子組換え)・リラグルチド(遺伝子組換え)配合剤 / 皮下注射 / グ|matsunoya
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薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第106回薬剤師国家試験 全50問
薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第107回薬剤師国家試験 全50問
薬剤師国家試験対策ノート📒
薬学実践問題 第108回薬剤師国家試験 全50問
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