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ここ5年くらい自己肯定感って言葉が間違って流行っていることがオカシイ【2024総括①】

2024の総括をしていく。


1on1とコーチングについて

2024は自己肯定感の誤った使い方を是正した年だった。私たち松波動物病院グループでは、定期的な1on1を実施しており、もう4年目になる。

賞与面談を年2回、昇給面談を年1回はマストであり、私や幹部が特異的に選出したスタッフと不定期に行なっているので、多い人で年に6-7回、少ない人でも年3回は1on1している。4年目となれば、1on1する側もされる側も慣れ、私が実施するスタッフおよび一部のグループではもはやコーチングに近い内容にもなってきている。

私自身、4年ほど前からプロのコーチからコーチングを受けている。エグゼクティブコーチングだ。私のコーチは自慢したくなるような人なのだが、詳細は伏せる。そんなコーチから、様々なことを教えられ、自身でも相当な時間と投資をして、成人発達理論でいうところのメタリーダーに成長することができた。まだ伸び代はあると思っており、定期的に自己肯定感の是正にも積極的に取り組んでいるため、かなり自己効力感は高いほうではある。

はい、出た。自己肯定感、というワード。近年この5文字をよく目にするようになった。数年前から散見され、私もコーチに勧められてアドラー心理学やエイミー・エドモンドソンの心理的安全性の観点から、座学から学んだ。学びを続けるなかで、世間で広まる自己肯定感の使い方などに違和感を感じていた。


改めなければいけない『自己肯定感』のこと

「私が学んでいることとなんか違う」

日本語ってややこしいなと再度認識したが、自己肯定感と自己肯定とは意味合いが大いに違う。自己肯定感とは「自分の存在を肯定的に受け止める」「自分を価値ある人間だと認められる」などの感覚。特に前の文章が大切で、好きな自分も嫌いな自分も、出来る自分も出来ない自分も、ちゃんと受け入れることができる、ざっくり言うと、メタ認知や自己認識が出来ている、といった状態および感覚。ポジティブでいろとか、ネガティブになるなとか、そういう使われ方が自己肯定感と使われがちだが、決してそうではない。

ここからは持論になるが、自己肯定感は一人称では醸成されることはない。誰かの手助けが必ず必要。1on1の話に戻しましょう。

1on1は二人称。する側とされる側に分かれ、その際、相手の自己肯定感を確かめ是正することがする側に求められる。ここで例え話を。面談時に、「◯◯についての自己評価は(5段階評価で)?」と聞いたところ、相手は「うーん、5ですかね。」と答える。答えた人は少し前に◯◯という業務で社内トラブルを起こしていた。この人の自己肯定感はどっちか?間違った使われ方でいうと、自己肯定感が高すぎる、と評価されるだろうが、正しくは自己肯定感が非常に低い、という評価になる。


自己肯定感の是正と『アイ・メッセージ』の使い方

ここからがとても大事。面談をする側の評価は1なのに、相手は5だったので自己肯定感が低い認定をした。これからその是正作業に入る。逆も然り。する側の評価は5なのに、相手は1の場合も自己肯定感の是正をしなくてはいけない。どんな言い方または言い回しで、是正するかは相手のキャラクターにもよるので具体例は挙げないが、単刀直入に「それは違うかな」と言ってしまっても構わない。「自己肯定感が低いよあなたは」とまでストレートに言うことはないが、ちゃんと合ってる・間違ってるを伝えることが、面談をする側に立つ人には求められる。違う時は違う、合っている時は合ってる、と伝えよう。私が実践しているのはアイ・メッセージというやり方で伝えている。「あなたには◯◯という業務をもっと頑張ってほしい」、これはアイ・メッセージではない。

「私はあなたが◯◯という業務を上手く回せると思っています。」

これがアイ・メッセージ。あくまでも主体は私(自分)であり、相手が主体(主語)でない。「私はあなたが◯◯という業務をもっとスムーズにまだ回せると思ってるよ」、とか。まだ、という可能性と伸び代を備えたワードを上手く使うことも、アイ・メッセージでは多用される。

自己肯定感の是正をせず、相手に合わせることをする側がしてしまうと、その相手は自己肯定感が低いまま成長する機会が失われる。自己肯定感が低いと、自己効力感(ざっくりいうと、やる気の誘起)も落ちるので、ちゃんと是正はしよう、という話。


とはいっても、うまくいくとは限らない

2024の弊社グループで実施された1on1では、面談をする側のメンバーが増えたことで、この自己肯定感の是正があまりにも中途半端であったことが発覚し、私は何度か幹部に説明し回った。今は理解や浸透はされ、1on1時に自己肯定感の低いスタッフは是正されて始め、2025の彼らのメタ認知を観察していくのがとても楽しみになった。

この手の話はまだまだ尽きないので、またどこかの機会があった、していきたいと思う。

それでは。

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松波動物病院グループ代表 松波トキオ
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