神サンの借り物
人間の体をした物体は神サンが作り上げたものであるから、私の体は神さんの借り物なのだ。
その借り物にたくさんの傷をつけたり、幾度も修復したりしている。
何故って、人間の体は複雑すぎるから。
どうしてこんなに複雑にできているのだろうか。
昆虫類のように一週間、一か月、一年と
寿命が決まっていれば、そこに向かってやるべきことをやってしまえるのに……
しかし、私達は神サンから人間という体の構造をもらっている。
沢山の細胞が寄せ集まっていろんな臓器の名前があり、
臓器の役割が身体を形成しているのだ。
その中の一つの機能が狂ったら、それに携わる細胞も狂うわけで、
そうなると、臓器自体を修復しないといけない。
なにが言いたいのかというと、
私は、子宮頸がんに罹ってしまった。
今日、それがステージ2のbという診断結果であり、
腫瘍の大きさは5センチほど
手術ではなく、放射線治療と抗がん剤治療で7週間の入院と決まった。
この情報はホヤホヤなんだ。まだ熱いんだよ。
そんなホヤホヤを目のあたりにして、
涙がちょろりと出た。
やっぱり癌の宣告は虚しく、心臓を抉られた。
けれども8年前に乳癌に罹ったときのショックほどではない。
あの時は気が狂ったのだ。
狂ったので当然、鬱病に罹った。
今更ながらやっと抗うつ薬が抜けたけど眠剤は必要、というところ。
そんなわたし。
しかしながら、今回も多少のショックはある。
動揺した。
死ぬことは無いのだけれど、虚しい不安が目の前を
通り過ぎてゆく感じである。
7週間、やったろう!
神サンがくれた体を修復して、健康になって、たくさん書くんだ。
そうは言っても複雑な体はいつか絶対に滅びるんだけど、
滅びるまでにずっとやりたかったことをやる
昆虫ではない私達には終わりの時期というのはわからなくて、
突然やってくるものだから。
もしかしたら明日の朝は目覚めないかも知れないでしょう?
働いて、動いて、いつ休むんだ?と毎日思うのに、休みなんて訪れない。
突然、目覚めない朝がやってきたときに、
私は休めるんじゃないだろうか。
朝、無事に目覚めたら
「今日を生きて行こう」
そして
「夜は寝よう」
おやすみなさい
また明日へと続く
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