病名がつけば生きやすいのかもしれないけど
今まで、誰にも言えなかった事がある。
現在高校生の息子の話です。彼は、生まれた時からものすごく音に敏感な子で、玄関のチャイムや、電話の音が鳴ると、飛び上がって驚いて泣いたり、寝ている時も小さな物音で、すぐ目を覚ましてしまったり。睡眠も短くて、まとめて寝てくれることが少なかった。目覚めた時、横に私の姿が見えないと、大泣きするので、寝かしつけてから1人の時間を持つことも、なかなか叶わなかった。
ずーーーっと私の側にピタリとくっついて歩くから、スーパーに買い物に連れて行っても、旅行に行っても迷子になる心配はした事がありません。そんなべったりな息子はとても可愛くて・・。でも時々は私も美容院にも行きたいし友達とランチもしたいし、、でも祖父母に預けても、やっぱり泣いてしまう。
保育園も祖父母宅も預けられず、途方にくれていた時に出会った英語の世界。音に敏感だった息子が、何故か英語の音には泣かなかった。それからは、ネイティブの先生の口真似をして、先生と同じような言い回しをしたりしながら大きくなりました。15年近く慕っている先生がカリフォルニア出身だからか、人まね小猿の息子の英語はカリフォルニア訛り。
息子は少し周りの子と違う・・?
そう感じながらも、「男の子はみんなママが好きでママにくっついてる子が多いもんよ」とか「音に敏感な子もいるよ」という周りの言葉に「そんなもんなのか..」と、多少の違和感を抱えながらも特に本気で心配はしてなかった。
小学校に入ってからの息子は、休み時間にママが恋しくなったと泣いてしまう事もあったけれど、それも、2年生に上がる頃には治ってた。ただ、朝の会で、先生に名前を呼ばれただけでフリーズしたり、ただ質問されてるだけなのに「攻撃されてる」と感じて、急に涙が出たり。そんなことを卒業まで繰り返していたようです。
上の娘が小学生の時とは、あまりに違いすぎるので、息子のナイーブさには家族みんなが戸惑ってました。そんな弱い息子を可愛い可愛いと、守るように育ててしまった事も、息子のナイーブさに拍車をかけてしまったのかも。
高校生になった今は、多少その気はあるけど、ずいぶん落ち着き、いい意味で図太くなってきた。食べたゴミを捨てない・片付けられない・言われた事をすぐに忘れる・人の気持ちがわからない・直接的な言い回ししか出来ないから人を傷つけてしまうこともある(相手から遠回しな表現をされてもわからない)など、心配な事は山ほどある。専門の病院で診てもらったら、なんらかの病名がつくかもしれない。そう思う日もあるけれど、もし病名がついたとしても、彼が変わる訳じゃないし、私が彼への接し方を変える事もないと思うので、今はこのままの息子を受け入れていこうと思うのです。