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転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」について、調べてみた
2007年6月にサービス開始したOpenWork(旧Vorkers)について、調べてみたので、内容をまとめます。
サービスを理解する
現在は株式会社リンクアンドモチベーションの子会社である「オープンワーク株式会社」によって、転職・就職のための情報プラットフォーム「OpenWork」は開発・運用されています。
(わかりやすい動画・資料があったので、以下ご参考ください)
企業理念・MISSIONについて
社会の変化に対して、ジョブマーケットの変革が進んでいないことを起点にして「企業と個人の相互拘束型の関係性」を変え、「ひとりひとりが輝く、ジョブマーケットを創る」ことをMISSIONにおいています。
企業理念:さあ、自由に生きよう。働きがいをすべての人へ
MISSION:ひとりひとりが輝く、ジョブマーケットを創る
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ビジネスモデルについて
社員口コミの閲覧するユーザー(本格的な転職活動開始前・転職活動中ユーザー)がサービスに集まっており、「(1)OpenWork利用に対する月額課金(2)人材紹介企業への送客(3)ダイレクトリクルーティングサービス」の3つのマネタイズ手段が存在する。そのため、ユーザー集客が非常に重要となり、ユーザーと登録されたWeb履歴書の蓄積が、サービスの資産につながる。
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※オープンワーク株式会社より社員クチコミデータを提供した際のデータ利用料のマネタイズもありますが、2022 年 12 月期の営業収益は 1500万円と大きくないため、割愛しています。
※収益モデルについては、以下を参照ください(2022年8月の決算説明資料)
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事業状況について
2022年を100%とした場合の売上高の伸び率だと、2021年に180%、2022年に305%予想と大きく伸びていく計画のようです。その根拠としてダイレクトリクルーティング(成功課金型)を支える転職候補者レジュメ・求人数も大きく伸びていることが記載されており、仮にマッチング率が同じだった場合でも、マッチング数は大きく伸びていることが想像できそうです。
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市場感について
年功序列・新卒一括採用・終身雇用を前提とした「メンバーシップ型雇用」から「働き方改革」があり、より人材の流動化が進んでいる中で、「ジョブ型雇用」「転職2.0」等の新しい考え方が発生しており、中途採用領域では市場が大きくなっていると思われます。
補足になりますが、業界の中でも大手のビズリーチの累計導入企業数・会員数は過去最大数を更新しており、市場としても拡大している状況が見受けられます。
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サービス名称変更について
2019年5月23日に「Vorkers(ヴォーカーズ)」から「オープンワーク株式会社」に変更しました。当時のプレスリリースや各種広報などでも表現されているように、よりサービスのコンセプトを明確にするために、サービス名称ならびに社名を変更したようです。
「OpenWork」という名称には、「より透明性の高い(Open)、仕事(Work)選びを提供する」という想いを込めています。
株式会社リンクアンドモチベーションの子会社化について
2019年11月14日にオープンワーク株式会社は、株式会社リンクアンドモチベーションの子会社となりました。
意図としては、株式会社リンクアンドモチベーションとの連携強化と思われます。プレスリリースに理由も記載されていたので、抜粋部分を参照ください(おそらくとなりますが、同年に実施した社名変更も併せて、サービス成長のために、大きく変化した時期かと思いました)
「OpenWork」への登録者数は急増しており、企業の組織状態は更にオープンになっていきます。これにより、「組織状態の良い企業=選ばれる企業」と「組織状態の良くない企業=選ばれない企業」の二極化が進むことが予想されます。その結果、企業は「選ばれる企業」になるために、従業員エンゲージメントの向上にこれまで以上に取り組むようになり、そういった企業を当社の「モチベーションクラウドシリーズ」や「コンサルティング」によって支援をしていきたいと考えています。
今後について
OpenWorkは「ひとりひとりが輝く、ジョブマーケットを創る」ために、基本的には従来と同じように事業運営をしていくと思われます。
ただ業界を見ると、口コミデータ数では、エン・ジャパン株式会社が運営する「ライトハウス」が日本最大の口コミ数と謳っており、利用者の立場からすると、より口コミ数が登録されているサービスが需要が大きいと思われます(Winners Take Allになりやすい性質)
そのため、今後を考えると、口コミ数の質面・企業の評価ロジックの正確性等で優位性を出していくことがビジネス的に必要かと思いました。
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また2018年にリクルートが買収した「Glassdoor (グラスドア)社」についても一定考慮する必要があります。同社は海外で同様のサービス運営をしており、現在は日本でのサービス展開はしていないですが、もしサービス開始した場合は注視する必要があります。
まとめ:観察して感じたこと
ジャンルは異なりますが、食べログやぐるなびのように情報の非対称性が発生する情報で、人材領域ではOpenWorkが出てきたと思います。食べログ等のサービスと違う点として、企業の場合、部門・職種によってまったく文化や状況が異なるので、より扱い方が難しいと感じました。
そうした社員の口コミデータが数多く蓄積されている状況は、こちらの記事にあるように「ジョブマーケットだけでなく、金融業界の投資判断の材料など社会に大きく影響を与える」ポテンシャルがあると思いました。
(最後に)調べていく中で気になったこと
調べていく中で自分が気になったことを自分なりに整理して記載してみます。よろしければ、ご覧ください。
Q.大手HRサービスからの買収はあり得たのか?
A.リクルートがGlassdoor (グラスドア)社を買収したように、リンクアンドモチベーション以外の企業のHR系企業がOpenWorkの買収は非常に難しかったと思われます。
もし買収した場合、既存顧客などから口コミ・評価等に関しての要望や既存サービス離反のリスクがあると思われます。リンクアンドモチベーションが子会社化できたのは、モチベーションクラウド等の組織改善の事業をしているので、相性が良い背景からだと思いました。
※リクルートがGlassdoor (グラスドア)社を買収したのは、同社の顧客が国内であり、海外サービスを展開していたGlassdoor (グラスドア)社の掲載企業とは領域が異なっていたためだと思われます。
Q.新卒領域 or 中途領域のどちらに注力するか?
A.どちらも注力するが、最終的には中途領域の方が中心となる。
市場規模からだと、中途領域の方が大きいですが、一方で新卒領域も社会人になりたてという観点でオープンワーク株式会社の起点となる課題感が深いり領域になると思います。
こちらの記事で、「2021年卒業予定の就活生の2人に1人が利用している」とあるように、多くの利用している学生がいるため、企業からのニーズもあると想定されます。そのため、Openworkでは新卒向けのリクルーティング機能の(一部)無料解放を実施したことがあります。
ここからは想像ですが、Openworkではどちらも新卒/中途問わずどちらも自社のサービス提供領域と捉えており、新卒で企業にサービス利用してもらい、その後中途領域でのサービス利用に繋げているのではないでしょうしょうか。
Q.オープンワークは広告収益をしないのか?
A .可能性としてはあり得ると思いましたが、実際にはあまりしなさそうと思いました。
広告コンテンツまたはAdSenseの形で実施しても収益化は見込めると思いますが、ユーザー体験の棄損の方が大きくなると感じました。また一般的な利用の場合、例えば「オープンワーク株式会社」のような特定社名でキーワード検索される場合が多いと想定されるため、広告掲載をしてもあまり閲覧等がされないように思います。
もし私だったら、求人情報内に該当職種者のインタビュー情報などのような現在よりもリッチに情報掲載できる代わりに、+αで料金が発生するモデルを考えます。
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お読みいただき、ありがとうございました。
自分なりに調べてみましたが、もし何かの参考になりましたら、幸いです!
(終)
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