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【雑詩】 記憶

 あなたの夢が雨に溶かされ
 アスファルトに吸い取られた
 あの夏の日
 僕は孤独ひとりになった
 ふたりで笑い 泣き
 喜びあう思い出は
 もう増えることはない

 ただ 哀しむべきことは
 ひとつずつ年老いてゆく
 僕の記憶から
 あなたとの思い出が
 ひとつずつ消えてゆくこと
 ただ 哀しい哉
 ただ 哀しい哉

 そして 僕の消滅とともに
 すべてが“ゼロ”になる

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