【旅行記】羊とパンと、ときどき「きしめん」 - 時代の変わり目をウズベキスタンで迎えてみた(番外編)
2019年のゴールデンウィーク、平成と令和の変わり目に最近注目のシルクロードの国、ウズベキスタンを訪ねた旅行記です。
ウズベキスタンの食事情の話。
これまで9回にわたってウズベキスタン旅行の話を書きなぐってきましたが、旅程に沿った旅日記は前回で完結とします。今回は番外編として、ウズベキスタンの食べ物を紹介します。
■ 羊の肉を焼け
ウズベキスタンで肉と言えば、まず羊が出てくる。鶏肉などもメニューにはあるけど、圧倒的に羊を食べる機会が多かった。ちなみにイスラムの国なので豚肉はほとんど食べられない。
どこでも食べられるのが、「シャシリク」という串焼き。金属の串に肉を刺して炭火で焼き上げたもの。ちなみに「シャシリク」は旧ソ連圏で串焼き全般を指す言葉なので、レストランで「シャシリク」と頼むと肉の種類を聞かれるので、大人しくマトンをオーダーしておこう。
羊のシャシリクはつくねのようにひき肉を焼いたもので、付け合わせの酢漬け玉ねぎと一緒に食すと美味。
羊料理の場合、スパイスで肉の臭みを消す料理法が多いが、そもそも肉自体の臭みがほとんどないせいかスパイスはあまり使われておらず、肉の旨味をシンプルに味わうことができる。
他にも骨付きの羊肉をグリルした豪快な大皿料理や、羊のひき肉を詰めた揚げパンの「サモサ」、揚げ餃子のようなサクサクした食感が楽しい「グンマー」など、羊本来の味を活かした素朴だが滋味あふれる羊料理を堪能できる。
羊肉のグリル。脂がすごい。
グンマー。サクサクして美味しい
■ 巨大ナンにチャレンジ
ナン、といえばインドが有名だが、ウズベキスタンにも同様にナンがある。ただ、幅広の薄焼きパンを想像しているときっと度肝を抜かれるだろう。
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こんな感じなのだ。とにかくデカいし、スカスカなインドのナンと違って中身の詰まり方も半端ではない。
レストランで見かけた現地の人たちは大勢でこの巨大ナンをもりもり食っていた。美味しいんだけど、しっかり中身が詰まっているので3人旅ではこれだけでお腹いっぱいになってしまうし、顎が疲れる。
都市によって表面の模様が異なるらしく、とくにサマルカンドのナンは名物とされる。乾燥させておけば数ヵ月もつと書いてあったけど、本当なんだろうか。持って帰ってきて試せばよかった。
サマルカンド・ナン。模様が独特
■ 米食う民のソウルフード(プロフ)
ピラフと語源が同じかどうかはよくわからないが、現地で広く食べられる米料理が「プロフ」だ。ピラフ様の米料理は現在のイラン辺りを起源に持ち、そこから中東、中央アジア、欧州などに伝わったものらしい。
プロフは炊いたご飯を細かく刻んだ羊肉や、玉ねぎ・豆などと一緒に炒めたもので、レストランや市場の屋台では大鍋に大量に作られている。
プロフ。安くて大量に盛られている。美味。
羊の脂で炒めているのか、羊の風味が強烈。実際半端じゃない量の脂が使われていて、皿の底に脂がたまってしまうほど。
巨大な鍋でプロフを作る
首都タシケントにはその名も「プロフセンター」がある。巨大な食堂で大量の地元の人たちがプロフを食べる空間となっており、何といおうか、迫力がすごい。
プロフセンターのプロフ
付け合わせの漬物。ピリ辛で美味しい
■ 油に疲れた時のきしめん(ラグマン)
パンや米だけでなく、ウズベキスタンには麺料理も多い。代表的な麺料理が、小麦粉で作られた「ラグマン」。
太めのもちもちした麺はうどんというよりきしめんに近い印象。トマトベースのスープに、ジャガイモ、ニンジンなど野菜がたっぷり乗っており食べ応えがある。
一方で辛味や油っぽさがほとんどないので、お腹の調子が優れないときでも食べられる。シャシリクやプロフは容赦なく羊!油!という感じなので、途中で胃腸の疲れを癒やすには最適だ。
ちなみにスープがなく焼うどんスタイルのラグマンもあるが、そちらはジャンク感が強くて美味だった。
■ スープ、おじや、ローカル麺…
ゴロっとした野菜と肉が入った素朴な味わいのスープ、「ショルヴァ」。どんなレストランに入ってもだいたいメニューに入っている。
トマトベースのスープに米が入ったおじや感覚の「マスタヴァ」。
個人的には一番リピートしたい料理。飽きない。
ディルという香草を練りこんだ緑色の麺、「シュヴィト・オシュ」。
ホラズム地方の名物で、ヒヴァで食べた(写真撮り忘れた…リンク先参照)。
ユーラシアに広く見られる餃子状の「マンティ」。
酸っぱいヨーグルトソースをかけて食べる。
■ イスラムの国だけど飲酒OK
ウズベキスタンはロシアの影響か、お酒はほとんどタブー視されておらず、観光地ではだいたいの飲食店でお酒が飲めた。なんならサマルカンドではホテルのオッサンたちがウオッカで酒盛りしてた。
一応、タシケントでは夜9時以降になると飲食店でのビールの提供が禁止されているらしいが、逆にお酒の規制はその程度。
特にビールは種類が豊富で、都市ごとに地ビール的なものも見られた。大体はアルコール薄めで、喉越しのよいラガースタイル。街中にいくつかある酒販店でも購入することができるので、気に入ったらお土産にするのもよい。
旅行中一番多く見かけた銘柄、SARBAST(サルバスト)。いくつかの種類がある。
ウズベキスタンビールそろい踏み。
酒屋で購入。黒い袋に入れられると途端に非合法感が出るな。
■ ホテルの朝ごはん
旅行中泊まったホテルの朝食は種類豊富なパン、甘めのおかゆ、ハム・チーズ、果物などの取り合わせが多かった。朝からゴリゴリに炭水化物を食べて元気に活動しよう。炭水化物抜きダイエット?何それ?
下の写真に何回か写っている薄焼きのクレープ状のパンは「ブリヌイ」というロシア圏で広く食べられるパンケーキ。
サマルカンドのホテルで。暗っ。
ブハラのホテルで。卵の色どうなってるの?
ヒヴァのホテルで。
タシケントのホテルで。一番ボリューミーだった。
■ 結論
ウズベキスタンの飯はうまい。
ただし、
調子に乗って食べ過ぎると脂でお腹を壊す。
あと、だいたい何頼んでもパクチーが乗ってるので苦手な人は覚悟しておこう。
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ダラダラ書いていたウズベキスタン旅行記もこれにて締めといたします。ウズベクを目指す方の参考に少しでもなれば幸いです。
次回からは別シリーズの旅行記か、思いついたことを徒然書きたいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!