イチゴの植物工場による安心・安全が食中毒を激減させる可能性
イチゴに関する食中毒は、いくつかの国々で報告されています。
この要因は、長距離の流通経路で傷んでしまった、不衛生な水を使用しての洗浄、加熱などが不十分だったなどが考えられますが、はっきりとしたことは特定されていません。
そもそも中国やエジプトなどで生産されているイチゴは、きちんと管理生産されないので、要因の特定ができません。
日本は世界的に見て、異常と言えるほど、流通体系がしっかりと整っており、日本国内であればコールドチェーンで2~3日以内にどこにでも届けられます。
この特殊な流通環境もあり、食中毒で亡くなる人は年に5人以下かと思います。
一方、世界と見てみるとアメリカでは食中毒の年間患者数7,600万人、入院患者数32.5万人、死亡者数は5,000人。イギリスでも死亡者数は50人を超えるそうです。
医療費の高いアメリカでは食中毒に対しても相当多くの医療費が使われていると想像できます。
植物工場による安心・安全の品質と消費者の近くで生産することでの流通経路の大幅な短縮は、植物工場生産の利点の新しい切り口として考えるべき部分だと考えます。
流通経路の大幅な短縮は、長距離トラック輸送等を減らし、CO2の削減による循環型社会へのアプローチやコストの削減に繋がります。
ただ経済的なメリットよりも、新鮮で安心・安全な美味しい、採れたてのイチゴが消費者に届くという最も大きなメリットが一番にあることが重要だと考えます。
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