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🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ーなぜ日本人はライフシフトを受け入れるのかー

 こんにちは、人生探求の旅ナビゲーターのまっつんです。
 日本で大ヒットしているリンダ・グラットン教授らが提唱したライフシフト。
日本人はなぜライフシフトという生き方をすんなり受け入れられるのでしょうか。

 今回は🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ーなぜ日本人はライフシフトを受け入れるのかーと題して書いてみたいと思います。

🔲 日本人は、既に長期間労働をしている。

 リンダ・グラットン教授らの提唱するライフシフトとは、人間の寿命が100年というスパンに拡大されることで、①引退後の生活費を確保するために長期間働く必要が出て来る。②そのためには、変化の早い現代において1つの職業で長期間稼ぐことは難しい。③だから、学び直しを取り入れ、1つの職で一生ではなく、複数の仕事へシフトしていくパラレルキャリアの生き方を選択する事になる。というものです。また、健康で長生きする時代となることで年齢という制約は、あまり関係なくなるとも指摘しています。

 これに対して日本人は、すでに世界一の長寿を誇り、尚且つ65歳以上の就労も世界的にトップレベル。生涯現役、ピンピンコロリを合言葉に仕事をしている人は多いのです。

2018年国別平均年齢データよりまっつんまとめ
独立行政法人労働政策研究・研修機構 2018 国際労働比較より

 また、65歳以上の男性就労者の国際比較をみると、実は世界の先進国の高齢者は日本の65歳以上に比べてあまり仕事をしていません。このように日本人は働き続ける民族であり、先の指摘通り、引退して余生を楽しむというより生涯現役を貫きたいという人が多いのです。
 厚生労働省の「高齢社会に関する意識調査」では、就労希望年齢は働けるうちはいつまでもという回答が最多の31.2%です。

厚生労働省「高齢社会に関する意識調査」より

🔲 日本人の人生観とライフシフト

 「もののあわれ」とは、本居宣長が「源氏物語」の本質と指摘した、しみじみとした情趣や、無常観的な哀愁のことです。最近、アニメで流行っている平家物語のキーワードは「無常」です。無常とは、この世の中の一切のものは常に生滅流転 して、永遠不変のものはないという考えのことです。
 日本人は、程度の差はあれこの「もののあわれ」や「無常」観を無意識のうちに暗黙知として社会全体で共有している民族ではないでしょうか?
 人の世のはかなさを、社会で共有しているからこそ、経営学者のリンダ・グラットンが提唱したファイナンスを軸にしたライフシフトという概念も、人生観と絡めて考え、人間の生き方を追求する哲学的思考に昇華させた気がしてなりません。

 ライフシフトには自らの努力で未来を切り拓くということが基本コンセプトにあります。しかしながら、人生を自分の理想の未来に向けてコントロールしようとする欧米人と違い、日本人は人生には自身の力では及ばない、思い通りにはならない、どうしようもない、はかなさがあることを自覚して、その運命を受け入れる人生観があります。
 そして、それらを全てわかった上で、制約のある人生だからこそ、自身の成長を求める探求者として生きる、そんな新しいコンセプトをライフシフトに付加した
のだと思うのです。
 日本でライフシフトとセカンドライフがなんとなく同一視されているのは、そんな背景があると思います。

🔲  平々凡々とした普通の日本人が「ライフシフト」を読む社会

 日本人のすごいところは、ライフシフトをいう書物を普通のサラリーマンや主婦に至るまで、購入して読んでいることにあると思います。
 このライフシフトは一般書というカテゴリーにありますが、内容はそんなに単純なものではありません。経営学者であるリンダ・グラットンが主に書いたと思われるファイナンス視点の「ライフシフト」も、経済学者であるアンドリュー・スコットが主に書いたと思われる政策視点の「ライフシフト2」も、新しい時代に対する政府・企業・教育機関への提言書というのが実態です。
 一般大衆が読んで、そんなに面白い書物ではないはずですが売れています。
 それは、日本人がそれぞれの生き方について、常により良い未来を模索しているからだと思うのです。
 それは日本人が、実は物語の主人公として自分の人生を歩んでいるということの表れではないでしょうか。
 その主人公は、欧米のようなヒーローでも英雄でもない、代わり映えのない日常にささやかな幸せを求める、等身大の主人公なのです。
 日本で、日常系四コマ漫画が、「何気に癒やされる」と人気なのと無関係ではないのかもしれません。「サザエさん」に代表されるような、日常にちょっぴり非日常という虚構がブレンドされている漫画やアニメは昔から日本には存在していました。
 欧米では日常系や癒し系というジャンルは、あまりないカテゴリーかもしれません。「ザ・シンプソンズ」も政治思想が強いような、「スヌーピー」でお馴染みの「ピーナッツ」はコメディ系のような・・・。「King of the hill」「Family Guy」「ディルバート」はどうなのか・・・。
 少なくとも、ささやかな日常ではない気がします。 
 最近は日本人の気質も欧米化して変質してきていますが、平々凡々とした普通の日本人がささやかな日常で、ささやかな主人公になる社会が、平和な日本的社会なのかもしれません。

🔲  まとめ そして、それぞれの人生は続く

 今回は、日本で大ヒットしているリンダ・グラットン教授らが提唱したライフシフトを日本人はなぜ、すんなり受け入れられるのかについて🔲プチから始めるライフ・デザイン🔲ーなぜ日本人はライフシフトを受け入れるのかーと題して書いてみました。
 その拠り所を、「もののあわれ」「無常」という世界観を暗黙知で共有する日本人特有のメンタリティと、日常系漫画に見られる代わり映えのない日常にささやかな幸せを求める、等身大の主人公という事例に求めてみました。
 日本人は欧米人のように、唯一絶対の何者かになるヒーロー的な生き方ではなく、日常という枠をはみ出さない程度に、ささやかな人生の主人公でよしとする気質を持っている。そしてそのための自己研鑽も怠らない。そんな気質が、ライフシフトを単なる定年後の生活費稼ぎのための転職という概念に留まらない、自身の成長を求める探求者として生きる、そんなコンセプトを付加することで人間の生き方を追求する哲学的思考に昇華させている。と結論付けましたが、いかがだったでしょうか。
 そして、その平凡な日常は、今日からもそれぞれの人生として続いて行きます。
 それぞれの人生をより豊かにするために、これからも日本人はいろいろな考え方を日本人気質で、解釈を加えながら歩んで行くことだと思います。

最後までお読みいただきありがとうございます。

少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

また次回もよろしくお願いします。

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