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商談動画を活用したバクラク流・最速インプット術

8月1日からLayerX 事業開発部に入社した松重です。
正式な入社は8月1日なのですが、7月1日から入社前業務委託として参加しています。

今回のnoteでは、バックオフィス向けソリューション未経験の私が、入社4週目で展示会での対応や、初回商談の対応を行うために、先輩方と壁打ちして編み出したインプット方法をご紹介します。
未経験の業界で新しいチャレンジをされる方の参考になれば幸いです。

結論から先に

先輩方と壁打ちしながら編み出したインプット術は以下です。

STEP1:商談動画から3つの視点で情報を抽出する
商談動画を見て①顧客の課題、②顧客の業務フロー、③バクラクの課題解決方法を分けて書き出す
STEP2:顧客の業務フローを整理する
STEP1で書き出したものを元に、顧客の現在の業務フローがどのようになっているか、またどこに課題があるのかを整理する
STEP3:自社プロダクトがどのように課題解決するのかを理解する
STEP2の顧客の業務フローに対し、顧客の課題をどのようにバクラクで解決しているのかを記載する
STEP4:プロダクトの機能を確認する
STEP3で記載したバクラクの課題解決で用いた機能を自分で触って確認する

LayerXは、主に経理担当者向けにAIの力で業務改善するためのプロダクトを提供していますが、「提供価値にこだわる」という羅針盤があるように、カルチャーとして「プロダクト売り」ではなく、「顧客の業務フローを踏まえた提案をしている」ため、業務改善コンサルのようなアプローチが必要です。

そのため、顧客の業務フローと課題の理解を行い、その上でプロダクトがどのように課題を解決し業務改善するのかを伝えられなければなりません。

過去の社会人経験では経理担当者の業務を知る機会もなく、経理担当者の業務解像度が低い私が、どのようにインプット術を整理したかについて、具体的にご紹介します。

これまでの経験について

私はこれまでWEBマーケティングからSNSマーケティングと17年間デジタルマーケティング業界の仕事をしていました。バクラクのようなバックオフィス向けのソリューションは未経験です。また、顧客についても、これまでずっと経営者やマーケティング担当者を対象に仕事をしてきており、経理担当者や情報システムの方とお話しする機会はほとんどありませんでした。

LayerXでの私のミッションとオンボーディング

入社エントリでもご紹介しましたが、LayerXの事業開発部には「強固な事業ポートフォリオを創る」というミッションがあります。
具体的には、事業をより強くするために以下の3つを推進します。
1.新規プロダクトを推進する(Product Valueの拡張)
2.顧客の新しいユースケースを見つけて型化する(Use Caseの拡張)
3.新しい業界での勝ち筋を見つけて型化する(Industryの拡張)

ただ、業界未経験で社内での実績や関係値もない新入社員が上記のようなミッションを遂行するのは簡単ではありません。部署横断で多数の関係者を巻き込みながらプロジェクトを推進するためには、プロダクト、顧客、業界・市場、社内組織の理解を深める必要があるため、まずはフィールドセールスとして活動を行い、現場理解を深めましょうと言う話を事前から共有されていました。成果を焦る気持ちはあれど、まずは実直に業界理解やサービス理解を深めていこうと考えていました。

そして、入社初日に共有を受けたオンボーディングカリキュラムは、2週目から営業ロープレが開始され、4週目には展示会参加があるとのこと。ベンチャー企業のこういうところがいいですよね。

顧客理解のスコープを絞る

事業開発部の先輩である稲田さんが、以前のnoteで顧客解像度を上げる方法について紹介していました。

もちろん私も先輩のnoteは拝見していたのですが、片道5時間かけて顧客を訪問して実際の業務を見せてもらったり、タイミーで経理業務の仕事のアルバイトをやるなど、いきなりやるにはハードルが高い。(そもそも今の私の力量では、良い成果を得られるほど基礎がない)
また、事業開発のミッションを果たすための顧客解像度と、今回の私が課せられている顧客理解は異なると考えました。

そこで、今回のGOALは以下2点に設定しました。
1.ロープレをクリアすること
ロープレをクリアできている状態とは、初回商談で以下2点をクリアしネクストアクションに繋げることができている状態です。

  • ヒアリングから顧客の業務課題の洗い出しと優先順位づけができていること

  • ヒアリングした課題を踏まえ、バクラクのデモによって課題解決のイメージを持ってもらうこと

2.全てのバクラクシリーズの理解をポイントで抑えること
4週目で参加する展示会で、全てのバクラクシリーズの案内が最低限ポイントを絞りできるようになること。

GOALを達成するための道筋について

今回のGOALは、ロープレをクリアすることと、全てのバクラクシリーズの理解をポイントで抑えることです。

バクラクシリーズは複数のプロダクトがありますが、これらを利用する顧客の担当者は、大きく分けると経理担当者決裁者現場担当者の3種類の担当者です。

ロープレは、主要プロダクトから優先的に行い、段階的にプロダクトの理解を深めていくカリキュラムとなっていました。

闇雲にインプットするのではなく、ロープレの合格を目標に掲げ、最短で合格できるようにインプットを進めました。そのやり方でロープレで合格をもらえているのであれば、「」は間違っていないので、同じやり方で他のプロダクトもインプットを進める。という道筋を立てました。

インプットすべきものの洗い出し

これまでの経験から最も重要なことはどれだけ経理担当者のことを知れるか、いわゆる「顧客理解」が最も重要なことだと考えていました。

ただ、業務に入った最初の1週目に事業開発部の先輩たちと1on1の機会をいただき立ち上がる(成果を出せる状態になる)ためには何が必要かのアドバイスをいただいたところ、顧客と同様にプロダクトの理解も必要というアドバイスもいただきました。

その他にも他社プロダクトや業界の動きも把握できていると良いという話はあったのですが、まずは以下に絞りインプットをしていくことにしました。

  • 顧客

    • 登場人物は誰か

    • どのような業務を行っているか

    • 顧客の課題は何か

  • プロダクト

    • プロダクトの特徴は何か(プロダクトが複数あるためそれぞれがどんなものか)

    • 顧客の課題をどのように解決しているか

    • 特徴的な機能は何か

インプット方法の模索

LayerXには社内に大量のドキュメントがあります。今回のインプットで活用できそうなもので言うと、商談動画の録画、商談で活用した資料、セミナー資料、ホワイトペーパーの資料、notionに整理された顧客の情報など様々なものがあります。

なんとなくうっすら理解するためには、すでに整理された資料を見ればイメージはつきやすいと思います。
ただ、すでに整理された情報は整理される前にあった背景の話や、いうまでもない当たり前の話が削ぎ落とされている場合も多い
そこで、時間はかかるのですが商談動画を見ることで、実際の顧客の課題や、それをどのようにバクラクで解決するのかという営業の話から一次情報を得ることとしました。

商談動画から情報を整理

最初は商談動画を見ながら、営業の流れを理解するために営業が伝えているポイントや顧客の課題などをなんとなくメモっていたのですが、ぼんやりとした理解はできたものの、解像度が上がったと言えるほどではありませんでした。

商談動画で得られたことを先輩社員と壁打ちしている中で、顧客の課題、顧客の業務フロー、バクラクが提供している価値といった情報が散らばっていることに気づきました。

情報が散らばっている背景には、商談動画を見ることで何を得たいのかが漠然としたため、集めている情報が何に活かせるものなのかの整理ができていませんでした。

そこで、商談動画を見る際に、以下のように①顧客の業務フロー②顧客の課題③バクラクの課題解決方法3つのレーンに分けてメモを取ることにしました。

商談動画のメモ ※実際のお客様ではなく、一部脚色しています

商談の場合、ユーザーインタビューのように、順を追って話が進んでいくわけではないので業務フローは時間軸が行ったり来たりもするのですが、業務なのか、課題なのか、プロダクトによる解決方法なのか、話を整理することがポイントです。

次のステップでは、業務に登場する人物を書き出した箱を用意し、ここで書き出したものを元に業務フローを時間軸で書き出します。

書き出した請求書受取のフロー ※実際のお客様ではなく、一部脚色しています

最後に、この業務フロー上のどこでどのような課題解決をバクラクが行っているのかを書き出します。

どのように課題解決しているか赤字で記載 ※実際のお客様ではなく、一部脚色しています

整理すると、以下のようになります。
STEP1:商談動画から3つの視点で情報を抽出する
商談動画を見て①顧客の課題、②顧客の業務フロー、③バクラクの課題解決方法を分けて書き出す
STEP2:顧客の業務フローを整理する
STEP1で書き出したものを元に、顧客の現在の業務フローがどのようになっているか、またどこに課題があるのかを整理する
STEP3:自社プロダクトがどのように課題解決するのかを理解する
STEP2の顧客の業務フローに対し、顧客の課題をどのようにバクラクで解決しているのかを記載する

このようなことを1プロダクトにつき2〜3件ほど行うことで、顧客の課題とプロダクトの解決方法の概要が理解できました。1プロダクトにつき、2〜3件見ることで、共通する部分とそうでない部分が見えてきます。共通する部分はその業務におけるスタンダードなものとして理解ができるので、複数の商談を確認することをお勧めします。

ただ、ここまでのインプットではヒアリングして課題を聞き出し、解決方法を口頭で伝えるだけで止まってしまい、プロダクトの価値をデモンストレーションで見てもらい、顧客にWOWを届けるということがうまくできないと感じたため、最後に商談で説明していたプロダクトの機能を実際に自分でプロダクトを触って、確認するということを付け加えました。

完成したインプット方法はこちらです。
STEP1:商談動画から3つの視点で情報を抽出する
商談動画を見て①顧客の課題、②顧客の業務フロー、③バクラクの課題解決方法を分けて書き出す
STEP2:顧客の業務フローを整理する
STEP1で書き出したものを元に、顧客の現在の業務フローがどのようになっているか、またどこに課題があるのかを整理する
STEP3:自社プロダクトがどのように課題解決するのかを理解する
STEP2の顧客の業務フローに対し、顧客の課題をどのようにバクラクで解決しているのかを記載する
STEP4:プロダクトの機能を確認する
STEP3で記載したバクラクの課題解決で用いた機能を自分で触って確認する

この方法で、無事2週目に予定されていたロープレはクリアすることができました。

あとは、同じ方法で他のプロダクトも商談動画を確認し、情報を整理し顧客の課題とバクラクの価値を理解することで4週目の展示会までに全てのプロダクトをポイントを絞り説明することができるようになりました。

最後に

今回、4週間で15本ほどの商談動画を見させていただきましたが、これも全て商談の録画を許諾いただいているお客様と、商談動画を残してくれている諸先輩のおかげです。

また、インプットした内容は、まだまだ初歩はわかったレベルで、色々な課題で悩まれている顧客のことも、バクラクにあるたくさんの機能も網羅的に理解できているわけではないので、今後は自分の商談経験も交えて顧客やプロダクトの理解をアップデートしていきたいと思います。

ただ、業界未経験であっても、プロダクトが6つあっても、学び方を考えればインプットを効率よくできますので、同じような立場になられる方の参考になれば幸いです。

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