![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/130424500/rectangle_large_type_2_1aa9f9d02ebe993eaf669123dbcd7053.jpeg?width=1200)
■要約≪「ついやってしまう」体験のつくりかた≫
今回は元任天堂企画開発者の玉樹真一郎氏著の「「ついやってしまう」体験のつくりかた」を要約していきます。スーパーマリオ・ゼルダの伝説・ドラゴンクエストなどを題材に、優れたゲームデザインに用いられている法則を解説していく内容です。ゲームはUI/UXデザインの究極系と呼べるジャンルであり、エッセンスは事業・プロダクト開発に大きな示唆をもたらすと考えチョイスしました。
「「ついやってしまう」体験のつくりかた」
![](https://assets.st-note.com/img/1707555901643-TzkCrEdjJV.jpg?width=1200)
■ジャンル:商品企画・UXデザイン
■読破難易度:低(必要となる前知識はなく、ビジュアル・直感的にとても読みやすい本です。)
■対象者:・優れたゲームデザインに用いられる法則に興味関心のある方
・体験価値に興味関心のある方
・直感・驚き・物語の仕組みに興味関心のある方
≪参考文献≫
■ユーザビリティエンジニアリング
■要約≪ユーザビリティエンジニアリング≫ - 雑感 (hatenablog.com)
■UXデザインの法則
■要約≪UXデザインの法則≫ - 雑感 (hatenablog.com)
■岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。
※要約ブログ無※
【要約】
・ゲームには人を動かし、没頭体験を積んでもらうために3つのデザイン法則が採用されているとして、そのデザインの仕組・相互作用を解説していく本です。
■直感のデザイン
・「仮説→試行→歓喜」というステップを経てシンプルで簡単な体験で「直感」させることを通じゲームに没頭する体験を生み出すデザインです。脳と心の性質・共通の記憶といった人間誰しもが持つ共通の性質を用いて、狙って動かす作用です。スーパーマリオのステージ1-1の画面デザインを題材に詳しく本書内で解説されています。良く用いられる体験設計の手法ですが、簡単に飽きや疲れが来るというデメリットを持つので、後続の驚きのデザイン・物語のデザインとの掛け合わせで用いられることが一般的のようです。
■驚きのデザイン
・「誤解→試行→驚愕」というステップを経て、つい夢中になる体験をデザインするのが驚きのデザインです。予想が外れる驚きで疲れや飽きを払しょくするのが狙いで、前提・日常といった人々の思い込みを活用してデザインするのが基本原理とされます。ドラクエシリーズの「ぱふぱふ」などを題材に詳しく本書内で解説されます。
■物語のデザイン
・「翻弄→成長→意志」というステップを経てユーザー自身の物語を生み出す・成長体験を積むというのが物語のデザインです。ゲームそのものの骨格を作る原理原則として採用され、感情を突き動かし人間的な成長・非現実に没頭する展開などで引き込む狙いがあります。随所に直感のデザイン・驚きのデザインを散りばめて、ユーザー体験を刺激し遷移していくのが具体的なデザイン3つの相互関係となります。
・「命のやりとり」や「未知の体験」をモチーフに組み込むことで憑依率はより高まっていくと推奨されます。「自己裁量で物語を想像する」・「デザインする」ということこそが没入体験を促進し、だからこそ結末や解釈が明確に描かれない方法を採用するというのがよくあるゲームの作り方のようです。これは映画や小説のストーリーメイキングと同じで、非日常に没頭するということが如何に価値として高く置かれているかを明らかにするものです。そして、「物語の最後はスタート地点に戻る」という神話の法則と同じような仕掛けを施すのが良い体験設計のコツとされています。これは「ユーザーがゲームへの没頭体験を通じて非現実の体験をした後に、改めて現実に戻っていく疑似的な導線を作る」という意味を持ちます。
【所感】
・ゲームはUI/UXデザインの究極系と呼べるジャンルであり、購買以後は極力人手のサービスを介さずプロダクト体験を享受することが出来るという凄みに満ちています。ゲーム分野で採用・設計されている法則(思考プロセスや抑える要所)はプロダクト・事業開発においても大きく通じる内容があると再認識した次第です。
・ユーザーと体験ストーリーを深く想像・共感しステークホルダーで同じ青写真を描き、理解し続けながらこうした開発・設計をしていくことが大切であると思い、そのプロセスは日々の自分自身が対峙している業務にも応用できる要素が多いなと感じました。本書はライトに読めながら非常に奥深い技法が散りばめられており、没頭する読書体験を得られました。これも本書の法則が活用されているのかと「直感のデザイン」を感じて読み終えた次第ですw
以上となります!