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私の仕事

僕が「Career」の支援を仕事とする世界に足を踏み入れてかれこれ17年になる。数えてみると面談総数は4000人を超える。今日は、自分自身の原点を忘れないため、GCDF(Global Career Development Facilitator)プログラムを学んだ際、強く印象に残っている一節をベースに引用させていただきつつ、自分たちの役割とはなんなのかについて、個人的な解釈や理解、現時点の志を交えてアップデートメモとして残しておこうと思う。

今後も折に触れて自分のあり方を見つめなおすためにも、自分の仕事について随時読み返してアップデートし続けていきたい。そして、Career支援の世界で研鑽を続ける方々とも想いを共にして、引き続き高めあっていけることを願って。

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GCDFプログラムテキストNo1よりLee J.Richmond,Ph.D.先生の言葉をかりながら

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「Career」の定義

「Career」はもともと「小道、通り、道、轍」を意味していた。
そのうちに「Career」は「何かを追求する道筋、天職を探し求める旅路」を示すようになる。さらにしばらくたつと、「Career」は「Work」という言葉とともに仕事について語るときに使われるようになる。そして1980年代になると、「人の果たす役割」Donald Super、「仕事と余暇」McDaniels、「天職」Miller Tiedeman、「仕事、学習、余暇、家族」Bolles、と定義されてくるようになっていく。個人的にはDonald Super先生の「人の果たす役割」という定義が好きだ。

このように、「Career」は時代とともに「生涯にわたる職業選択にかかわる活動・態度」すべてを示していくように意味が変化してきた。またここでの「職業選択」とは、仕事を選ぶ、という行為のみに限定されない。自分らしいライフスタイルのデザイン(余暇・学び・家族・仲間との活動など全て)を含めて考えることを指す。このように考えるとキャリアアップ(報酬アップと同義のように語られることも含め)という言葉には違和感を禁じ得ない。Careerにはupもdownもない。個々人が自分らしいCareerをデザインしていくものと考える。最近ではCareerをクラフトするという表現もしっくりくる。まさにupやdownではなく、fitかunfitと捉えたほうがよいだろう。


そして、自分らしいライフスタイルを自らデザインするにはスキルが必要になる。「問題解決のスキル」、「意思決定をするスキル」、「目標設定を含めた計画のスキル」がそれである。また、これらのスキル全ての土台になってくるのが「自己認識」である。「自己認識」とは単に自分のスキルレベルがどうかと価値を査定するかのように自己評価することだけではなく、自分の興味の基準や価値観をただしく理解することである。自分は「何をするのが楽しいのか」、「何をするのが得意なのか」、「どのような価値観をもっとも重視するのか」、「家族と仕事の割合はどのようにしたいのか」など、自分自身の役割、興味、価値観、スキル、志向性、心地の良い環境、そして自分自身についてだけではなく、取り巻く環境や状況(家族や仲間)も含めて正しく理解する。この自己認識を土台として自分らしいライフスタイルをデザインしていくのである。

このような変遷を経て「Career」とは、いま正しい自己認識を土台にし、「自分らしくあれるライフスタイルをデザインしていくプロセス全体」を意味していくものと定義されるようになっている。

しかしながら一方で、この「VUCA」の時代と呼ばれる将来が予想しにくい不確実性の高い昨今の社会において、かつ個々人の考え方や生き方も多様化していく状況を踏まえると、個々人が自らの力で「Career」をデザインし続けていくことはなかなかに難しい世の中になっていると強く感じる。
※この価値観の多様化はとても素晴らしいことである。みんな違ってみんな良い世の中になっていくことを切に願い、そこに少しでも寄与できればと思う。

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CareerConsultantの重要性と果たすべき役割


このような状況下において、我々が担うキャリアコンサルタントの役割は重要度を増していく

キャリアコンサルタントはクライアントの言葉に耳を傾け、積極的に反応し、自己理解・自己認識の助けとなるような効果的な質問を投げかけ、建設的に信頼関係を構築する。個人的にはこのプロセスにおいてはCoachingのコミュニケーションメソッドがとても活用できると感じている。そしてクライアントに適切なフィードバックを与えるとともに、有益な職業選択(ライフスタイルのデザイン)に寄与する情報を提供をする。そしてクライアントが自ら目標を設定し、目標に向かっての道筋を意思決定し、歩みを進めていくその途上途上で必要とされる適切な支援をし続けていく

自分自身を知り、数ある仕事や役割について知り、そこにある多くの情報を統合して自分らしくあれるであろう意思決定をしていく継続的プロセス全体をキャリアディベロップメントと呼ぶが、キャリアコンサルティングとは、このキャリアディベロップメントのプロセスをあらゆる方向から援助し続けるものである。

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人が仕事に求めるもの

いつの時代も、いかなる文化のもとでも、人は幸せに、自分らしく生きるうえでどのような職業につくのが良いか考え、意思決定を行う。人は誰しもが幸せに、真正に生きようと望んでいる。人はこの世界を形成する一つの要素として意義を感じつつ自然体、あるがままに生きることをいつの時代も望むものである。また、人は仕事に対して、金銭報酬だけではなく、根本では自分自身そして社会にとっての意味であり意義を求めるものでもある。

1923年、カリール・ジブランは著書『預言者』にて以下のように表現した。

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汝は、地球と地球の魂と歩調をあわせるために働く
すべての仕事は虚なるも、愛が存在すれば救われる。仕事とは、目に見える愛である。そして、汝が愛を持って働くことができなければ、しかも嫌悪感しかなければ仕事を辞めて、寺院の門に座り、楽しんで働いている人の施しを受けるが良い。もし煩うことなくパンが焼ければ、汝はより美味しいパンをもう焼いている。そして天使として歌うも、歌う事が好きでなければ、昼と夜の声を聞く耳を失うであろう。


我々キャリアコンサルタントは、人が生きる意味を見出し、愛することが出来る仕事や役割との出会いを支援することが役割であり、出会った仕事を愛することが出来るようにあらゆるサポートをすることがつとめである。


クライアントにとっての家族、学び、余暇といった本人を取り巻く多くの要素を考慮し、自分らしい輝きをデザインできるように支援していくこと。キャリアコンサルタント人生を通じて一人でも多くの方の支援を成し遂げられたら、それは何にも代えがたい喜びである。


そして僕らが果たす役割とは 

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かかわらせていただく方々の可能性に着目し、自分らしく輝けるようライフスタイルのデザインを支援するという意思をもち、日々研鑽をつみ、その名に恥じない活動をしていくこと。これこそが我々の果たすべき役割であり、喜びであることを折に触れて思い返していきたい。

まだまだ未熟な自分であるが、「Career」支援の世界に身を置く皆さんと、想いを共にして研鑽していけるならばそれはとても幸せなことと思う。



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