やってやれないことはない36話 『保健所のお仕事で知ったこと』
シックハウス症候群の相談で多いのは、壁紙に含まれるアンモニア等のアレルゲンによるアレルギー症状です。 新しく壁紙を張りなおした家に入居した場合、この問題を確認しておいたほうが良いです。 最近では、以前より壁紙や糊がだいぶ改良されてきているようで、アレルゲンの使用は少ないようです。
コインランドリーは、不特定多数の方が汚れたものを洗濯する機械の衛生状態を把握する方向で対応しています。 というのは、各自治体でその対応がばらばらであり、条例等で定められている自治体でも設置届け出のみで、立ち入り監視を行っていないのが現実です。
プールも不特定多数が入るので感染症の媒介場所にならぬよう監視対象として重要です。主にプール水や身体洗浄水の残留塩素濃度の確認や水の循環装置の清掃について立ち入り検査をしています。救急体制も必要な要件となります。 最近は、紫外線除けも含めてTシャツ等を着たままプールに入りますのでプール水の清浄と殺菌が重要となっています。
昨今のコロナ禍において消毒について多くの方々が意識をもって対処されていると思います。 しかし、プロの方々さえ、何に対して消毒したいのか理解したうえで実施している方は少ないのが実情です。
標的が細菌なのか真菌なのか、ウイルスなのかそれ以外か。効果のある消毒薬や殺菌薬は限定的である場合がほとんどですから重要な話です。
『無菌、減菌、滅菌、除菌、抗菌、殺菌、静菌、消毒』のそれぞれの意味をご存じでしょうか。
一度調べられて自分の消毒作業の理解に役立てていただければと思います。
美容師さんが腰につけているシザーケースはいろいろな材質のものがありますが、どのように消毒されているかわかりますか。
ほとんどの方は、していないようです。
危惧するところです。
ホテルや旅館のシーツは、業者洗濯がほとんどです。業者が運ぶ台車の清掃と消毒はどのようにされていますか。
保管するリネン庫に清掃道具がむき出しでおいてありました。
選択済みのシーツ類が床に直に置いていては清潔が保たれません。
あなたがホテルや旅館や民泊に宿泊して、汚れていたらこのような扱いを受けていたリネンかもしれませんね。
建物の屋上にクーリングタワーがあるのを見たことがありますか。
昨今は四角い建屋で囲まれているものが多く、なかなか見つけにくくなっています。
家庭用エアコンの室外機の業務用だと思ってください。但し、循環しているのはエアコン用ガスではなく水です。
これが大変な曲者です。夏だけ使用する設備や年間を通して使用する設備など使用についてはいろいろあります。
この設備は建物内を循環してきた水が、屋上のクーリングタワーの上部に噴出され、設備を取り囲むブラインド形状を流れ落ちてきて底にたまります。中央には大きな羽をもつ送風機が上に向かって回っています。 ブラインド形状の隙間から空気が中央に吸い込まれると同時に冷やされ、水しぶきは上に向かって空中に舞い上がり、建物の周りに落下します。
これにレジオネラ菌が大量に含まれていたらと思うとぞっとします。
アメリカで実際この事件が発生し、多くの方が亡くなりました。
定期的な清掃未実施によるコケ類の繁茂がレジオネラ菌増殖の原因であり、ここにある水には、残留塩素濃度に極端に低値であることも理由の一つです。
皆さんが飲食店に行かれた時に出されるおしぼりについて、拭いた後の手に異臭がつくことありませんか。
おしぼりを洗濯する業者は、クリーニング業です。 この抜き取り細菌検査を行うとなぜか毎年規定以上の細菌数が検出される工場があります。 手を清潔にするためのおしぼりが、細菌を塗り付けるおしぼりだったらと思うとぞっとしますね。
私は、ほとんど使わなくなりました。
理容室や美容室の広さについて規則があること知っていましたか。 それも自治体の条例によって定められているため異なります。 衛生環境だけで考えるなら全国一律であるはずなのですが、経済的に考えると都市部では、高い家賃や土地の価格に左右されるため少ない面積で開業ができることになります。
政治的に経済を考えた場合、公衆衛生の観点からの視点で条例は出来上がっていないようです。
このnoteは、私の人生において成功・完結・失敗・後悔などのストーリーです。 若い皆さんのヒントになればと思って書いています。 書いてほしいことがあれば、気軽にご連絡ください。 サポートは結果であると受け止めておりますのでよろしくお願いいたします。