【day40〜44】 今、今、今。今しか存在しない
2023年10月25日(水)〜29日(日)
24:霜降 72:霜始降(しもはじめてふる)
「もうすぐ東京を去る私は川崎の光を追った」を書きました。ぜひ。
PMSのせいかまた寝つきが悪い。
自動給餌器の場所を寝室から遠ざけた。今さらだが。
たぶん、具体的に動けない今が、いちばん辛いんだよ、と自分に声をかける。夫に内示が出る12月まで、あらゆることを待たなければならない。
「すごいね、あなたは。強くはないが、立ち直って立て直して生きてきた」という言葉が返ってきた。
カウンセリングを受けるかどうかはまだ迷っている。
夫と離れる予定があることによって、夫のことを良く思いすぎているのではないか、と思う。
過ぎ去った後、人はその人のよいところばかりを思い出す。別れた男なんかに対してもそうだ。
でも、夫とは本当に、いろいろあったし、いろいろある。
ここ数日、ちょっと冷静になろうとつとめている。
十三夜。仕事帰り、中学校のグラウンドの横で月を見上げる。
今という瞬間にだけ立ち返れば、人は不安も心配もないのだなと、今さらながら思う。今、今、今。
マインドフルネスの基本中の基本だが、腹落ちは、こんななんでもない瞬間に突然やってくる。今が安全なら安全。それがあるだけ。
そこには「うまくいくだろう」という期待も存在しない。
ここ数日、眠る前と、目覚めた瞬間、引越し前後にいかによい睡眠をとるか、そのためにはどんな引越しの手順をとればよいかをぐるぐる考えてしまっていた。
なので、夫に相談してみた。
東京金沢間では、荷物を搬出したその日に新居に搬入することは、不可能である(どこかで読んだが、当日引越しができる目安は100kmらしい)。
となると、「がらんとした東京の今の部屋」か、「がらんとした金沢の新居」のどちらかで、一泊することとなる。
どちらが私の睡眠にとってマシか。本当に、睡眠が命綱なのだ。
当初、なるべく早く新居に身体を慣らすために、荷物より先に金沢へ行くのがよいかと考えていた。猫と同じで、私もまた「家につく」のである。旅行先では連泊の時はまあまあ眠れる。
が、夫と相談のうえ、東京に一泊したほうがよいのではということに。
東京の部屋にはまだしばらく夫が残るということもあり、私は古いベッドや寝具の一部、テレビや電子レンジなどを置いていく。夫の転居先は家具家電つきだし、私は新居で新しいものを使うので、夫が最後に家を出るときにまとめて処分することにしている。
となると、東京に一晩残ったほうが、何もない金沢の新居に前乗りするより、慣れた空間と慣れたベッドで眠れる(それが必ずしも安眠につながるとは限らないが)。
そして、私と猫の輸送は新幹線ではなくレンタカーで行うことに変更した。
新幹線で猫2匹を輸送するとなると、人間はほとんど荷物を持てない。となると、新居に先に手荷物を送るだとか、猫のトイレを先に送るなどの必要が生じる。クルマで自分たちの荷物や、猫トイレも運んでしまえば、その問題はクリアされる。費用も、北陸新幹線で夫往復&私の片道料金を考えれば、3〜4日車を借りてもほぼ同額である。
ただし、移動時間は倍くらいかかる。夫はミャーミャー公共の場で猫が泣き叫ぶより、プライベートな空間で時間をかけて移動させるほうがまだよいというが、私はあまりそう思わない。長時間のクルマの中で、彼女らはきっとトイレも我慢するだろう。
今から心配しすぎかもしれないが、策を練り、決めることで、私は少しラクになる。なんでも「不安」というものは、「何か対策しなさいよ」という脳のサインらしい。不安になったらなんでもいいから何かするのは正解。さっきの話と矛盾しているけれど。
日曜日、東工大のフリーマーケットに出品してきた。かなり多くのものを売った。ずうっと天袋にしまっていた、新婚旅行で余計に買ってきた雑貨などが売れた。これを機に家の中のミステリーゾーンが少し減った。ほっとした。この調子でどんどん処分するぞ。
近所のキャンパスを歩く機会も、もうあまりないだろう。
こんないい季節はもう最後だ。
人がいっぱいいる。
きのう、新居候補のあたり(少し実家寄りで、街なかからは外れる)をストリートビューで見ていたら、寂しくて泣きそうになった。だれも歩いていない。クルマしかない。歩いて気軽に行ける店が、やよい軒しかない。金沢の中心部に、自転車で10分くらいで行ける場所でもこんな感じなのだ。これが地方都市だ。
やっぱり無理だ、中心部に住みたい。観光客だらけでうんざりするくらいでたぶんいい。