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大きな岩をよじのぼり感動のてっぺんへ〜瑞牆山〜

瑞牆山(みずがきやま)は山梨県北杜市、奥秩父山塊西側に位置する標高2,230mの日本百名山だ。秩父多摩国立公園に属し、全山が黒雲母花崗岩で形成されているそう。
岩が黒っぽくみえるのは黒雲母が含まれているからなのかな?
鉱物についても勉強が必要だな。
瑞牆山の漢字は難しいが、その由来についてこうあった。

名前の由来となる「瑞牆」とは神社の周囲の垣根のことで、もともとは「瑞垣」とも「瑞塁」とも書きます。この山も金峰山と同様、古くから信仰の対象でした。

瑞牆山 - 山梨県北杜市公式サイト

山梨山のグレーディングによると瑞牆山の今回のぼった瑞牆山荘ルートは体力度が10段階の2、技術度が5段階の3で、本格登山の入門的な山といわれている。ところによっては中級者向けともあるが、岩山チャレンジをめざしている私にとっては絶対にのぼりたい山のひとつだった。

7月初旬。
大菩薩嶺にのぼってまだ数日だったので、ちょっと早いかなと思ったが、とにかく天気がよさそうで山に呼ばれていると確信し、いざ出発!

ー ルート
登山ルートには、「瑞牆山荘からのルート」と「みずがき山自然公園からのルート」の2種類あるが、私が選んだのは一般的な「瑞牆山荘からのルート」
標準コースタイムは往復で5時間22分(参考:YAMAP)

登山ルート

ー アクセス
<電車の場合>
JR韮崎駅より韮崎瑞牆線(みずがきルート)のバスに乗車し、終点のみずがき山荘にて下車。
参考:時刻表(韮崎瑞牆線)
平日、土日祝、GWやお盆などの特定日で運行時間が変わる。
平日だと本数が少なく、帰りのバスに間に合わなさそうなので、今回も車に決定。
<車の場合>
中央道で新宿から約3時間。須玉ICから40分ほどの瑞牆山県営無料駐車場には約100台駐められる。県営無料駐車場から瑞牆山荘前にある登山口までは徒歩2分くらい。
瑞牆山荘付近にはバス停もお手洗いもある。お手洗いはなんと水洗で協力金100円を支払って利用できる。

瑞牆山県営無料駐車場(こちらは下山後の写真)
左手に瑞牆山荘、右に登山口があり駐車場も奥にある
登山口から振り向くとバス停とお手洗い(茶色の小屋)がある

ー のぼりスタート
7:30 県営無料駐車場に到着。車は20台くらい駐車していた。
車の場合、駐められなかったらと思うと早くきてしまう。
登山道に入りはじめは道がわかりにくかったけれど、ピンクのリボンがあったので迷うことはない。
とても広い山道に朝日が心地よく地面を照らしてくれていた。

登山口にあった看板
広い山道からスタート
朝日が心地よい

すぐに急坂がはじまり「いよいよのぼるのね」と気合を入れる。

最初は木の根っこの道もある

急坂をのぼったと思ったら、次は巨岩祭り!
巨岩と巨岩の間をぬって歩いていくのはなかなか壮大だ。自分が小さくなったみたいで、まるで不思議の国のアリス気分♪。

巨岩のオンパレード

そうしてのぼりはじめて30分、あのスポットに到着!!

あの光の先にあるのは

じゃ〜ん!!!いろいろな動画でみてきた風景が目の前にやってきた!!

瑞牆山だ!

もうこの段階で大興奮!誰もいなかったので、ひとり「うわ〜、ここだ〜」と叫び散らす。
この山にこれからのぼるのか〜と、しばし高揚感にひたる。

瑞牆山のてっぺんを眺める

この山容をみると「ここのぼるの?」と驚くが、外側の岩をよじのぼっていくわけではない。岩の根元に登山道があり、思っているほど危険箇所はない。ただ、瑞牆山はクライミングの聖地でもあり、クライマーの方がのぼるルートはたくさんあるようだ。クライミングも憧れるなあ。
この風景をしばし堪能し先へと進む。まだまだ山のぼりはこれからだ!

少し進むと水場があった。

水場の看板
ここよね?水はでていないみたい

可愛い葉っぱたち。フキかな?みんなでワイワイ日光浴だね。

太陽の光をいっぱいに浴びる葉っぱたち

富士見平の手前でもう下山してくる人に出逢った。この日初めて出逢った人だったので嬉しくて声をかけた。
その方は「前に二人瑞牆のぼっていったよ」と教えてくれた。
瑞牆。瑞牆山ではなく「瑞牆」と呼ぶところに玄人感を覚えてしまう単純な私。
瑞牆山を眺めてから15分ほどで富士見平小屋に到着。

富士見平小屋
ちょっとワイルドな感じのバイオトイレがある

「富士見平」とあるからには富士山がみえるのか?ビュースポットがあった。ふりかえると、、、

富士見平小屋の富士山ビュースポット
富士山みえた!

広角レンズなのでちっちゃいけれど、ちょうど木と木の間からちょこんと大きな富士山がおめみえ。毎回、富士山がみえたときは、なんだかご利益をいただいているような気持ちになる。

富士見平小屋にあった手書きの看板

富士見平小屋のあと、ちょっとのぼってから細い道をくだる。
細い道をくだったあとは石の道をのぼりくだりの連続だった。
うっそうとした樹林帯を歩いている感じだが、苔が目にやさしい。

のぼったりくだったり

ふと横をみると鹿さん発見!何匹かいてむしゃむしゃ何かを食べていた。
レンズを変えたかったが、なかなかの至近距離だったので鹿といえど野生のいきものだからちょっと怖く、広角レンズでささっと撮影して退散。

鹿さん、お邪魔しました

途中でまたもや瑞牆山がみえる。さっきより近づいている!

瑞牆山再び

このあとは一気にくだる
ざれた道で滑りやすく、注意深くくだると沢になった。地図でみると天鳥川のようだ。

ざれた道
沢に到着
ここを渡って向こう側にいく

川を横断すると桃太郎岩がドカンと登場!

桃太郎岩

桃太郎岩の右横の階段をのぼってからは、沢沿いをのぼっていく。

桃太郎岩右横の階段
沢沿いをのぼる
鎖場登場〜

このあともいくつかの鎖場があるが、危険な感じはない。
沢をすぎてからは、いよいよ大きな石たちのおでましだ!

つるっとした岩。これが花崗岩なのかな

この岩の感じは・・・

TDLのビックサンダーマウンテンみたいだ!
岩に向かってのぼっていくシーン、わかるかな〜??
山道というより岩道
大きさを伝えたくて手を置いてみたけど微妙、、、
手袋必須!!

ひたすら岩をつかんでのぼっていくので、手袋は必須。
大きく足をあげてのぼるので、体力はどんどん奪われていく。
そして、アブが多い、、、

のぼりはじめて約2時間、大ヤスリ岩が姿をあらわした。

大ヤスリ岩

とにかく大きい。これ、クライマーの方のぼるのか、、、すごい。目の前でみると大迫力。しかし気になるのはガス。「え?大丈夫?てっぺんまでまだあるぞ」
ガスは気になるが、ピッチをあげる力もなく、ただひたすら岩をよじのぼる。

前をみても
横をみても
岩!岩!岩!

「これ、ほんとに入門編なの??」
へこたれながら息も絶え絶えのぼっていたら、男性とすれ違う。
「てっぺんは綺麗だよ〜。がんばれ〜」と、エールをいただき、そのことばにパワー全開でのぼる。

ハシゴもある
あの光は間違いない!!

のぼりはじめて2時間半。ついについにみたかったてっぺんへ!!

瑞牆山てっぺん!

こんな素晴らしいてっぺん、あっていいの?というくらい、まさに圧巻。
富士山、南アルプス、八ヶ岳、金峰山が一望できる。
遠くからみたあの岩のてっぺんにいる。
遠くでみたときほど狭さは感じないが、高度感はある。
崖ではあるが、岩が広いせいか恐怖感はなかった。
途中、足の指がつったりへばったけれど、のぼってしまうと元気なのが不思議。アドレナリン大放出中〜。

左に富士山、手前に大ヤスリ岩、大ヤスリ岩の後ろに南アルプス!
金峰山
てっぺん付近で小さくとんがってみえるのが五丈岩
八ヶ岳は雲がかかってる
八ヶ岳、よってみた
雲が鳥の翼みたい!

てっぺんでは出逢った人みんなに声をかけてしまうほどの大興奮。
山に詳しそうな方に「あの山なんですか?」と聞いてみたり、みんなで「最高だね〜」「すごい岩だったね〜」と健闘を讃えあいながら、てっぺんを満喫した。
おにぎりで帰りの体力をつけ、下山へ。

ー 下山
くだりは同じ道を通るピストン。
これまでは同じ道だとつまらないから周回コースを選んできたけど、あとどのくらいで何がみえるというのがわかるし、のぼりとくだりで風景が変わるのでピストンもいいかなと思った。
岩のくだりは恐怖の塊かと思いきや、腕を使えばそこまで怖くない。
ただ、背中の筋肉を結構使った。
鎖はのぼりよりくだりのほうが役にたった。

くだりのほうが怖いざれ場
のぼりとはまた違う風景
新芽がかわいい
携帯で撮ってもらった桃太郎岩とのツーショット
金時山の金時宿り石よりもっと大きく感じた

富士見平小屋に戻ってきた。
はじめからここでお昼を食べると決めていた。
食べたかったのは「鹿肉3種のソーセージ」

鹿3種のソーセージ

ふと、先ほど出逢った鹿さんがよぎったが、、、とってもおいしくいただきました。

駐車場に戻ると出迎えてくれたのは、たくさんのアブ。
ここで人気者にはなりたくなかった。
格闘すること3分くらいかしら、なんとか車に乗り込みアブの猛攻撃から脱出成功。これは今後対処を考えねば。
これぞ夏山の洗礼。

ソロでのぼっていると楽しいけれどちょっと寂しくもあり、そんなとき人に出逢うと心から幸せな気持ちになる。
岩をくだっているとき、どこをおりようか困っていたら手を貸してもらったり、桃太郎岩との写真を撮ってもらったり、一緒に笑いながら挨拶したり、人とのふれあいもまた山のぼりの醍醐味だ。

それにしても瑞牆山はとっても楽しい山!
確かにかなりしんどかったけれど、のぼってしまえばなんのその。
テント泊もできるので、いつかテント泊もしにきてみたいな。


距離:5.7km
累積標高(のぼり) 932m



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