朝日と岩と絶景と〜塔ノ岳下山〜
大倉尾根からのぼった感動の塔ノ岳登頂から一夜明け、下山の日。
3:30 あまり寝れなかったわりにめざましなしで起床。
朝にはめっぽう強く、普段からほとんどめざましなしで起きられる。
筋肉痛はない!今のところ。
(初日の様子はこちら⇩をご覧ください)
ー 日の出
身支度を整え4時に外へ。
日の出までまだ40分くらいある。
だんだんと空が橙色に染まりはじめる。
夕景も日の出もどちらも素晴らしい天気に恵まれ、幸せしかない。
日の出の美しさはさることながら、振り向くと徐々に桃色に染まる富士山が、昨日とは違う美しさをかもしだす。
これまたいつまでもみていたい。
昨日の夕景から感動しっぱなしだ。
「ありがとう塔ノ岳。ありがとう丹沢。ありがとう富士山!」
心が満たされ寒さに身ぶるいしたころ、朝ごはんの時間になった
朝ごはんはおでん!
寒かったからだを熱々のおでんが溶かしてくれる。
おでんのつゆがまたおいしくて飲みほしてしまった。
てっぺんを満喫し、心もからだも栄養たっぷり蓄えいよいよ下山へ。
ー 下山のルートを再確認
下山のルートは予定通り、表尾根をとおってヤビツ峠へ。
ここでひとつ問題があった。
ヤビツ峠のバスは朝10時台のあとは14時台以降しかない。
ヤビツ峠までの下山のタイムは5時間ほどの予定。10時台はちょっと早いけれど14時台だとちょっと遅い。
そこで、バスの本数が多い大山の麓からバスにのろう!と計画していた。
ヤビツ峠からなら大山も比較的のぼりやすいはずだし、帰りはケーブルカーを使えばいいし。
そう思っていた。なので、7時間半ほどの山行を予定していた。
ー 下山スタート
6時半、尊仏山荘をあとにした。
朝の光あふれる中での下山は最高だった。
しばらく緩やかな木道がつづく。
素晴らしい景色を眺めながら歩く稜線。
これから向かう先の稜線がみえる幸せ。
しばらくいくと崖があらわれる。危険と隣り合わせだけれど、慎重に進んでいけば怖くはない。
そして大好きな岩!日和田山のときと同じく、目の前に広がる岩に笑みがこぼれる。
塔ノ岳からの表尾根は、岩をくだるのではなくのぼるほうが多い。
下山ルートで岩だけのぼりって私にとっては大好物極まりない!
振りかえれば絶景。なかなか前に進まない。
8:20 新大日、行者ヶ岳を過ぎ、三ノ塔と勘違いした烏尾山に到着。
ここまでいたって順調。
いつも下山はゆっくりペースだけど、今回は眺めもいいせいか軽い足どりでサクサク進んでいく。
しかし、烏尾山からみえる三ノ塔は結構高い。そしてなかなかの急登。
「あれ、のぼるんだよね、、、」
そういいながら進んでいくと、
下山ルートでまさかの急登。
地図でみると確かに等高線の幅は狭い。
昨日のデジャブ??距離はそれほどではないけれど、きつかった。
ヒーヒーいいながらのぼっていたら学生さんの集団と遭遇。
ちょうどいい休憩だと集団が過ぎるのを待った。先頭にいた先生によると仙台からいらした高校山岳部の生徒さんらしい。
大きなザックを背負った学生さんが元気に挨拶しながらおりていく。
元気もらえるなあ〜。
山荘を出発してから2時間半、ようやく三ノ塔に到着。
見晴らしもよく、ここでも少し休憩し二ノ塔へ。
ヤビツ峠まではあと3.2km。
ー バスの乗り口を検証
この辺りからちょっと右の膝が嫌な感じになってきた。
痛くなりそうな予感。
友人が大山はやめた方がいいと思うと助言してくれた。
「おそらくのぼれるとは思うけど、そのあとのくだりは危険じゃない?」
彼女は私の膝痛を知っている。
しかし、大山をやめるとしたらヤビツ峠で3時間くらいバスを待たねばならない。
おりながら代案を考える。
地図を眺めていたらヤビツ峠から南にくだった蓑毛にバス停を発見。
調べてみると、蓑毛のバス停にはなんとバスが1時間に2本もくる!
しかも11時も12時も13時もバスがあるではないか!!
大山にいくよりずっと近い。
希望の光。
ヤビツ峠までの足どりもまた軽くなる。
てっぺんを出発してから休憩50分を加え4時間40分、ヤビツ峠に到着した。
ヤビツ峠はヒルクライムのメッカらしく、ロードバイクのライダーさんがたくさんいらした。
「ソフトクリームがあるよ」
友人のことばに私の心はソフトクリーム一色に。
少しあがったところに綺麗なレストハウスがあった。
「がんばったもんね、私たち」
と、私は宇治抹茶のソフトクリームを頼んだ。
味が濃くてめっちゃ美味しい〜。
レストハウスの店主によるとヤビツ峠から柏木林道を通ると蓑毛まで1時間ほどでいけるらしい。
しかも、緩やかなくだりの林道でとても綺麗だしおすすめですよ、と教えてくれた。
安堵の二人。
ソフトクリームで膝の違和感も吹っ飛び、元気に最後の林道へ。
するとおすすめしてくれた通りの素晴らしい美しさを秘めた林道が待ちうけていた。
藤の花が咲き乱れていたと思ったら、秦野名水の春嶽湧水の湧きだし口がある。
透きとおる水。触れてみるとやわらかい触感。
緑豊かで心もからだも癒され、ヤビツ峠からちょうど1時間で蓑毛バス停に到着した。
表尾根からの下山はヤビツ峠から蓑毛バス停をゴールとし、秦野駅までバスを利用するのが一番いいルートだ!と私たちは結論づけた。
友人いわく
「膝の違和感のおかげで最高のコースに巡り逢えたね」
その通りだ。
幸せはなんでも受け止めかた次第だ。
ー 塔ノ岳山行が教えてくれたこと
この林道を帰宅してから調べてみたら、丹沢の開発に尽力されていた柏木幹太という方が、地元民の声をうけ私財を投じて整備された林道だそう。
また、大山も塔ノ岳も木道が多かった。なぜ木道が多いのか。
YAMAPの記事にこう書かれていた。
木道の外は植物を再生しているから木道を歩いてくださいという内容の看板がいくつもあった。正直、木の階段や木道は好きとはいえない。
だけれど、歩かせてもらっているという自覚を持てば、それは必然なんだと理解できる。
つくづく、山の道は誰かの想いがあってできたもので、私のような初心者が山にのぼれているのは、こうした方々の尽力のおかげだ。
天気に恵まれ、景色に恵まれ、人に恵まれ、体力も恵まれ、コースに恵まれ、感謝感謝の山行だった。
高尾山の下山で膝痛に悩まされ泣く泣くリフトで降りてから半年、アルプスをめざせる体力と筋力がついてきたように思う。
決して無理はしないことを肝に銘じて、これからもどんどんチャレンジしていきたい。
次の山はもう決まってる!!しっかり下調べをしてのぞもう!
2日間合計
距離:17.1km
累積標高(のぼり) 1705m