息子は数日かけて書いていた。私は、弔問のみなさんへの対応や部屋の掃除などの日常の仕事で精一杯で書く精神的な余裕も時間も持てなかった。とうとう、最後の夜に、彼女の遺影が飾られた会場の椅子に一人座り、彼女への手紙、絶対に読まれることのないラブレターを書いた。

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